No.381
瀬下
努さん
la rencontre (ラ・ランコントル) オーナーシェフ
特別なひとときを提供するレストラン
文・写真 小林隆史
和の趣あるフレンチレストラン
2016年12月に、長野市東之門町にオープンしたフレンチレストラン「la rencontre(ラ・ランコントル)」。築130年の長屋を改修した和モダンな店内では、一皿ずつ運ばれる料理をじっくり堪能することができます。記念日やお祝いの特別なひとときを過ごすのにおすすめなレストランです。オーナーの瀬下努さんは、新たなスタートにかける思いをこう話します。
「“la rencontre”とは『出会い』。厳選した長野の食材はもちろん、世界中で出会った食材を組み合わせた料理に、生産者や私たち料理人の想いもお皿に載せ、届けていきたいです。そして、世界中の人が足を運んでくださるようなフレンチレストランを目指していきます。まずはフレンチの美味しさを知って頂けるよう、地道に少しずつ、食材と人との出会いを大切にしていきたいと思います」
2階建の長屋を改修したフレンチレストラン「ラ・ランコントル」。暖簾をくぐり、長屋通路を抜けると、店内入り口へつながる
長野との出会い
上田市出身の瀬下さんは、いずれは長野県で開業しようと考えていました。そんなある日、偶然足を運んだ「銀座NAGANO」で、長野市善光寺界隈で次々と古民家が息を吹き返している現状を知りました。その後、頻繁に長野市内へ足を運ぶようになり、リノベーションに精通した建築設計士のサポートも味方し、古民家でのフレンチレストランを構想するように。次第に「和の趣とフレンチを組み合わせた新しいレストランに挑戦してみよう」と決意を固め、2015年の10月から開業準備を始めました。「まちなかパワーアップ空き店舗等活用事業補助金」と「長野市移住者起業支援金」のバックアップも受け、この場所ならではのお店づくりを進めることができました。空間だけでなく、食材にもこだわり、オープンまでの約1年は、生産者の元を訪ね、生産の工程や農場の現状などを見聞きしてきました。
「長野県は食材の宝庫。地元の方にももちろん、海外から来るお客様にも、その味を知ってもらいたいです。この場所ならではのレストランをやっていきたい」
建て具や桐ダンスなど、もともとあったものはそのまま活かされ、奥ゆかしさを感じさせる店内
一流を目指した修業時代
瀬下さんは、高校卒業後、東京の調理専門学校へ入学。その後、一流レストラン「オテル・ドゥ・ミクニ」に就職し、修業を積みました。はじめの2年は、皿洗いの日々。厳しい毎日も、持ち前の根気強さで乗り越え、28歳の時には、札幌にオープンする系列店の料理長に抜擢されます。その後、料理の知識と技を広げようと、30歳を迎え退社。伊豆、屋久島、ローマの三つ星レストランなどで経験を積み、今に至ります。
「必死にやり続けてきました。今思えば、厳しい環境の中で、緊張感を持ってやり続けてきたからこそ、どんな困難も乗り越えられるようになったと思います。すべてがお客様への特別なひとときのためですから」
実は、そんな下積み時代を影で支え続けてくれた奥様と3人の子どもたちに、朝食を作ることが、瀬下さんの日課。開業したばかりで、ほぼ毎日厨房に立っている今でも、欠かさないそうです。父として、料理人として、休まず腕を振るう瀬下さんの料理には、食べる人への愛情が込められています。
キッチンで一人、調理を進める瀬下さん。料理提供の際には、料理のことを尋ねると、穏やかな口調で丁寧に教えてくださった
メインディッシュの一つ、「信州ポークの二種盛り〜新じゃがのピュレ、春野菜、若穂の井戸水で育ったクレソン添え〜」
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会える場所 | la rencontre ラ・ランコントル 380-0852 長野市東之門町328 電話 026-217-0162 営業時間 |
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