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ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.115

小宮山

浩志さん

株式会社米匠代表取締役

おいしい米を伝える
五つ星お米マイスターのいる会社

文・写真 Takashi Anzai

米屋のプロとして美味しさを伝えたい

「日本の文化としての米をみんなに知っていただきたいという気持ちがありますね。これから海外の米が入ってきても、日本の米の美味しさはわかっていただけるとは思います。でも、そのためには、子どもたちに本当に美味しいお米を味わってもらわないといけない。いつも美味しくない米ばかりを食べていると、『米は美味しくない』という先入観を持ってしまう可能性がありますから」

そう話すのは、米の販売業を営む株式会社米匠の社長・小宮山浩志さん。同社には、県内で6人しかいない五つ星お米マイスターのうち3人が在籍していて、その他ほとんどの社員が三つ星お米マイスターを取得しています。

お米マイスターは、三つ星が筆記試験のみで、品種や精米方法、炊飯方法などの知識が問われます。五つ星は口頭諮問があり、「ご飯がダマになりおいしくなくなった原因は何か、対策はどうすればよいか」などといった質問に加え、実際にご飯を食べて評価する官能試験が課せられます。社長の小宮山さんは2005年に五つ星を取得しました。

「米屋としてお客さんと接するからには、そのくらいの知識がなければ。少なくとも、プロとして接客しなくてはいけないということですね」

卸売が主の米匠ですが、2013年10月、長野市中御所に小売の店舗をオープンさせました。日本全国の産地から厳選された25~30アイテムのお米が並んでいます。玄米での販売も行っており、その場で分つきから白米まで精米ができます。

「米はみんなにとってすごく身近なものなのに、意外と米について知ろうという意識が薄いんですよね。日常のことなのに、常識とも嘘ともつかないことが伝わっていたりする。和食がユネスコの世界遺産になったくらいですから、少なくとも米の炊き方などを日本人らしく知っていただく活動をしていかなければならないと思っているところです」

25~30アイテムが並ぶ本店。お米マイスターがそのお米の特長や美味しい食べ方などをアドバイスしてくれる

産地だけでなく作り手までを調べて仕入れる

米匠は昭和23年の創業。小宮山さんの父親が経営していたころは単なる製粉所と精米所でした。昭和59年に小宮山さんが家業に入ってから、卸売業として業容を拡大します。後発として生き残るために、小宮山さんは当時としては他社ではあまりやっていなかった方法で商材を集めてきます。

「日本全国、いい米があるというところは行ってみて、地元の人の話を聞いてみて、これはやってみたいなと思うものだけ仕入れる交渉をしました。農協の組合長のところに2年間も通ったということもありましたね」

小宮山さんが選ぶのは一般的に言う「産地」だけではありません。その産地の中で、どこの地区のどの農家が最も美味しいお米をつくるかまでを調べて仕入れをします。そうして仕入れた米を、米匠では「産地限定米」と呼んでいます。例えば、新潟県栃尾産(旧栃尾市、現長岡市の一部)でも「西谷地区限定」と更にスポットを限定しているのです。

「農協の営農部長さんたちと、どこの場所でどんな農家に作ってもらいたいかということを話し合って、場所を決めて、ある程度クオリティの揃ったものが出来るであろう人たちを選んでもらいました」

こうした仕入れの方法で品質の高い米を供給してきた小宮山さん。徐々に同じような手法を採る業者も増えてきますが、他の業者より5年ほど早く動きだし、産地ごとに最も美味しい米をつくる農家さんを抑えていたため、競争に巻き込まれることはありませんでした。

しかし、年々、量販店で販売される米は売れ筋に限られるようになり、小宮山さんが知る美味しいお米が消費者に行き届かなくなってきたと感じていました。そして前述の小売店をオープンさせようと考えます。

玄米販売も行っており、㎏単位で買うことができる

「いまお米を販売する方法の主流が、売れ筋だけを量販店で並べるというものになってきていて、米の売り場が狭くなってきてもいます。逆に言うと、消費者としても選択肢が狭まってきています。なので、いろいろなものを並べる専門店をやってみようかなと思いました」

小売店を始めた理由はもう1つあります。店では、前日までに注文をもらえば、5kgから配達は無料で行なっています。

「町の小売店さんがどんどんなくなっていく中、小売店が果たしていた配達の機能を残していこうという意味がここの店にはあります。お年寄りの話を聞くと、米を配達してくれるところがなくて仕方なしに買いに行っているらしいんですよね。または、インターネットでよく分からないまま米を選んでしまうこともあるでしょう。昔は配達してもらうのが当たり前だったので、原点回帰という意味もあります」

配達サービスは好評を得ているそうです。

毎日食べているというのに、実はよく分かっていない米。言われてみると、どこの米ならどう炊くと美味しいのかということが話題に上ることは、あまりないような気がします。毎日食べるからこそ、美味しい食べ方を知っているだけで日常が豊かになります。次にお米を買うときは、お米マイスターに相談してみようと思いました。

精米機も完備。その場で精米してくれる。前日までの予約があれば、無料で宅配も行っている

(2014/10/16掲載)

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会える場所 米匠本店
長野県長野市中御所3丁目5-10
電話 026-227-0102
ホームページ http://www.comesho.co.jp/
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