英会話合コン、苔玉作り合コン、陶芸合コン、手相合コン、フィットネス合コン、車好き合コン、ワイン好き合コン、本好き合コン…まだまだいっぱいありますが、これらはメグミンこと宇梶恵さんが企画・運営している「恋活」のイベントです。

「婚活」という言葉が一般的になっている現在。市町村の主催で婚活イベントが催されることも珍しくなくなりましたが、「恋活」とはどんなものなのでしょうか。

「もう少し気楽に出会いの場を広げたいと思ったんです。ゆくゆくは結婚して、家庭を築いていってくれたらそれはそれで一番うれしいことなんですが、最初から結婚ということを意識しすぎると条件ばかり考えてしまって、出会いの幅を狭めてしまうのがもったいないと思いました」

前述したようなイベントでは同じような趣味の人が集まるため、たとえカップル成立とならなくても友達ができて一緒に合コンをするようになったり、同性・異性も交えたグループで遊ぶようになったり、会場の店が行きつけになるなど、その後につながっている場合が少なくないそうです。そして、これまでに5組が結婚し、2組から出産の報告があったといいます。

「私への（交際や結婚の）報告義務はないので、正確な数は分らないんですが、報告をもらったりするとやっぱりうれしいです。なかには、私のところで出会った人とではなくても、結婚することになりましたって連絡をくれた人もいて、これからもがんばって出会いの場を作ってくださいなんて言われると、ジーンときますね。そういう誠実な人が幸せになってくれて本当によかったって思います」

以前は、日本語教師やインターネット番組の制作会社など、まったく違う仕事をしていたメグミンさん。現在の恋活を後押しする「LLプランニング」を始めたのは、2011年の春。子どもが保育園の年中から年長にあがる頃のことでした。

「LLプランニングのLLはラブ＆ライフ、みたいな最初の思いつきです。ラブ＆ラブでもいいんですけど（笑）。やっぱり、愛がすべてだよねって、熱い気持ちを込めました」

「私、おせっかいでなんです（笑）。友達を紹介したりくっつけたりするのが好きで。最初は結婚相談所に勤めたいと思ったんですが、話を聞いてみると土日は必ず出勤だったり夜遅くまでの勤務だったりして。子どももまだ小さいし、これは人の幸せのために自分の家庭が犠牲になるなって…。それに意外に小心者なんで、高い入会金や会費をもらうのも罪悪感を感じちゃってできないと思いました。もう少し自分のペースで、時間を決めてやればできるかなって思ったんです」

メグミンさんは、その都度参加しやすいようにと入会金や月会費、成婚料金などももらわず、実際に合コンやイベントに参加するまで一切費用がかからないシステムにしています。また、お見合いパーティーというと、一人ひとりに番号が割り振られていて、プロフィールカードを見ながら時間で区切りながら話し、フリータイムの後にカップリング…というような流れが一般的ですが、メグミンさんはそのいずれも行いません。

「独身のときに、友達に誘われてお見合いパーティーに参加したこともあるんですけど、回転寿司みたいに人が回って話して、不自然な感じがイヤだなぁって思ったんです。だから、できるだけ自然な雰囲気で、思い出に残るような素敵な出会いになるようにしたいんです。それに、例えば英会話合コンなら、英会話教室で出会ったって言えていいなぁって」

「苔玉作りも陶芸もそうなんですが、自分で一回やってみて、みんなでやったら楽しいだろうなぁって思ったものをやるんです。自分が独身のときにこんなのあったら参加してみたかったって思うことをやっています」

確かに、交際に発展する出会いがなかったとしてもイベント自体が面白そうで、もう参加できない既婚者の人が悔しがるのではないかと思うほどです。
出会いよりもイベント内容に興味があって参加する人もいるそうですが、それくらい気軽な気持ちで来るほうが素直に楽しめていいのかもしれません。

メグミンさんは、合コンイベントを開催するほかに少人数の合コンのセッティングも請け負っています。希望の条件に合う相手探し、相手側との日程調整、お店の手配などをメグミンさんが行います。「次男さん＆婿養子OKな人」など、要望が合致するためカップル成立率は高いといいます。

「セッティングした合コンにも以前は心配で立ち会っていたんですが、今は私がいないほうが本人同士が話せていいと思ってお任せしています。私がいない分、お金の支払い方など細かな対応の仕方も見えたりするみたいですね（笑）」

「ただ以前、既婚者が混ざっていたことや、セクハラに近いような言動をする人もいたりして困ったこともありました。そういった迷惑な行為をしないようにとあらかじめお伝えして、悪質なものは賠償請求させてもらうときっぱり明言しています」

あくまでも、まじめに、かつ楽しく気軽な出会いを作りたいという理念を守って運営しているメグミンさん。今の経験を生かしながら、ゆくゆくはもっと人と人のつながりを生み出していきたいと語ります。

「結婚生活って幸せなんだよって伝えるためにも、自分の結婚生活も幸せでいなきゃって思うので、今はまだのんびりペースでやっていきたいと思っています。でも、私は出会いの場を提供してそこで終了なので、少し寂しさもあるんですよね。まだ漠然とした思いなんですが、いつかは恋愛だけじゃなく、いろんな人と人のつながりが生まれるようなことに貢献できたらいいなっていうのが夢ですね」