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ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.59

子どもたちが描くもの

ナガラボ編集部のフェイバリット・ナガノ

文・写真 小林隆史

長野駅の真下にある、善光寺口と東口を結ぶ一本の地下通路を知っていますか?
 
 
この通路は、新幹線で長野を訪れた人にとってはあまり通ることのない道かもしれませんが、長野駅前に車で買い物に来る人や、善光寺口と東口を行き来する人にとっては、一度は通ったことのある歩道ではないでしょうか。

ここには、長野市教育委員会の「市民ギャラリー」として、小中学校の児童生徒の作品が飾られています
 
そう聞くと、「あそこか!」と思い出す人も多いはず。
 
 
長野市に住む私にとっては、子どもの頃から、ずっと作品が飾られている懐かしくも、馴染みのある場所です。

ある日のこと。
急ぎ足の会社員や眠たげな高校生とすれ違う朝6時。
澄んだ空気に静まりかえった長野駅前。
 
私は、東京行きのバス乗り場に向かい、善光寺口から東口へと続くこの通路を通っていきました。
 
 
そんな時、ここに飾られている子どもたちの作品に、ふっと目が留まり、何だか一日のはじまりにいいものに出会えたなあと嬉しくなったのです。

感動したこと、描くことの喜び、目に映る情景への驚きみたいなものを掴もうとしている無邪気な子ども心が絵から浮かんできて、何だか微笑ましくなり、今日も頑張ろうと思えてきたのでした。
 
 
そして、「そういえば自分にもそんな時があったなあ」とかつてのことが思い出されてきました。
 
 
 
私が中学生だった頃、美術の授業で描いた絵がここに飾られるか、飾られないかという時がありました。子どもだった私にとっては誇らしくもちょっと恥ずかしいものだったように思います。
 
結局、飾られたのかどうかはよく覚えていないのですが、あの時の嬉しそうな親の姿が走馬灯のようによみがえってきたのでした。

そんな風に、無垢な子ども心、あの頃の喜んでいた親の姿を思い出させてくれるこの道。
 
 
いつもは見過ごしてしまうような当たり前の景色の中にあるのかもしれないけれど、改めて立ち止まって、じっと眺めてみると、時に大切なことを教えてくれる場所なのかもしれないと思えてきました。
 
 
 
そんな私の好きな長野駅地下通路「市民ギャラリー」。仕事へ向かう途中、長野を訪れた旅の途中で、一度ふらっと立ち寄ってみてくださいね。
 
 
きっと、何かいいことがありそうな気分になりますから。

(2017/10/31掲載)

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