No.89
Cafe Elephant Mountainのかき氷
ナガラボ編集部のマイフェイバリット
旬の素材で365日おいしい「年中かき氷カフェ」
文・写真 石井 妙子
冬もおいしい、絶妙な氷の質感
松代町のCafe Elephant Mountain(カフェ エレファントマウンテン)は、県内初の「年中かき氷カフェ」。「真冬でもオーダーが入らない日はないんです」と、店長の岡田浩明さん。人気の理由は、まさにマウンテン(山)のようにボリュームたっぷりのこのフォルム。そして口の中でふわっと溶ける、氷とは思えないほど柔らかな食感です。
「頭がキーンと痛くならない、ふわふわのかき氷を目指しました」と話す岡田さん自身、東京の名店を食べ歩くなど年季の入ったかき氷愛好家。2年前に「かき氷の店を始めたい!」と思い立ち、勤めていた会社を辞めて独学でコツコツと研究を重ね、この理想の味にたどり着きました。
ふわふわ食感の秘訣は、冷凍室から出した氷を常温で2〜3時間おき、少しだけ溶けた状態を削ること。
「氷は水になる直前がおいしい。気温が低い冬はその状態を保ちやすいので、実はかき氷がおいしい季節なんですよ」と意外な言葉。
それを知っているからこそ、自信を持って年中提供しているのだと話します。さらに、旬の素材を生かした自家製シロップが自慢ゆえ「フルーツがおいしい秋冬は、この季節だけのリッチな味が醍醐味」なのだそう。
▲「混じりけのない純氷を使い、削った氷とシロップを交互に4層重ねます」と店長の岡田さん
氷には味がない、だからフレーバーは無限大
かき氷のメニューには「いちご」「みるく」などの定番に加え、ブルーベリーやマンゴー、ずんだ(!)、抹茶やキャラメルなど、個性豊かな味がずらり。素材を生かした優しい色合いのシロップは、味のベースになる「みぞれ」からすべて自家製にこだわっています。旬のフルーツを使うため季節ごとラインナップを変え、さらに毎月1種類、新しいメニューを発表しているそう。ちなみに8月の限定メニューは地元素材を使った「桃」!
「常に『あの味をかき氷にしたらどうだろう』とアイデアを探していますね。相手は氷ですから、白米と同じでどんな素材とも合う(笑)。自由に発想できるから考えるのが楽しいし、飽きることがありません」
お客さんの声から生まれた 「ほうじ茶みるく」、期間限定メニューから定番に昇格した「ロイヤルミルクティー」やカラメルがほろ苦いアクセントの「キャラメルプディング」など一見変わり種に思える味も、食べてみると納得のおいしさ。氷になじむようレシピを工夫した自家製練乳が絶妙に溶け合い、まるでアイスクリームのようにリッチな味わいです。
▲8月限定メニューは信州ならではの「はくとう」(780円+税)。とろっとしたシロップは濃厚ながら飽きない甘さ
松代だからできることを大切に
かわいらしいゾウのロゴマークは、元デザイナーの岡田さん自身が考案。店名の「エレファント(象)マウンテン(山)」は、松代出身の幕末の思想家、佐久間象山が由来なのだそう。
「祖父母が昔から松代に暮らしていて、僕にとってもなじみ深い場所なんです」と話す岡田さんは、地域の祭りやイベントに出店して盛り上げに一役買うことも大切にしています。8月には真田公園ビアガーデンに出店予定。地元の人にもっとかき氷を気軽に楽しんでもらおうと「アグリまつしろJAファーム松代店」内に夏季限定でオープンする2号店も人気を集めています。もちろん夏は桃、秋はリンゴと、地元の旬の味を贅沢に使ったメニューも信州ならではの魅力。
「去年は桃が手に入りにくかったんですが、地元の桃農家のお客さんから譲ってもらうことができて。ありがたかったですね」
「ゴーラー」と呼ばれる全国のかき氷愛好家の中には、他県からはるばる訪れる人もいるのだそう。長野の魅力が詰まったボリューム満点のかき氷で、今年の夏は涼しく過ごしてみませんか?
▲元ライブハウスの店内。カーペット席やキッズスペースもあり、子ども連れにも人気
<info>
Cafe Elephant Mountain
長野市松代町松代176
ホームページ
<お問い合わせ>
電話:026-214-3674