No.22
soto class
NATURAL ANCHORS 店主 戸谷悠さんのマイフェイバリット
山へ出かけて、アウトドアツールを試してみる
文・写真 小林隆史
20分で、山の中に
「こんなにも自然が身近にあるのだから、お客さんと一緒に野外へ出かけて自然に触れる魅力を味わいたい」。長野市岩石町でアウトドアセレクトショップ「NATURAL ANCHORS」を営む戸谷悠さんが、自店で扱うアウトドアツールを実際に外で試してみる『soto class』という企画を立ち上げました。アウトドア好きの友人「ヤマとカワ珈琲店」店主川下康太さんも企画に携わり、外でコーヒーを楽しむコツや、料理を楽しむコツなど様々な外遊びを各分野のプロを招いて展開していきます。
5月に開催された1回目は、川下さんが担当。アウトドア用の珈琲ツールを使ったおいしい珈琲の淹れ方を体験しました。6月に開かれた2回目は、「そとでテントを張ってみる」。海外でのキャンプ経験も豊富な戸谷さんが担当し、参加者と一緒に4種類のテントを張って、試して、比べてみました。集められたテントは一人で簡単に立てられるものもあれば、3人がかりでも組み立てられない複雑な構造のものまでさまざま。参加者は強度の違いや、張る場所によるテントの使い分け、昔のテントと最新のテントの違いなどを体感しました。
涼しい風が眠気を覚ます朝7時。朝食を簡単に済ませて長野市内を出発。この日は雲ひとつない青空
早朝7時。通勤時間から外れて、すんなり市内を通過。車を走らせること20分。会場の大座法師池に到着。たった20分で自然に囲まれた湖畔に辿り着けるのは、都会では味わえない魅力
参加者はCAMP好きの20代〜40代の男女。CAMPは好きだけれど、テントを張ったことがない参加者も、テントの違いや張り方のコツをはじめて知り、お店やインターネットでは味わえない体験をした
外で暮らしてみる
自然の中で暮らしてみること。参加者の中には、アウトドアツールを家の中にも取り入れてみたい、と私生活を振り返る人もいました。戸谷さんは今回の企画にこんな想いを抱いています。
「『soto class』は『外で暮らす』という意味もあります。木陰をみつけて涼んだり、土のぬかるみを避けてテントを張る場所を考えたり、身体を動かしながら、手で感覚を覚えたりするように、自然の中で過ごす時間を普段からお客さんと一緒に楽しみたいと思っています。アウトドアツールを実際に試すことで、どこでどんな外遊びをしようか想像することがきっと楽しくなると思います」
普段から家族を連れて山へ行き、CAMPやクライミングを楽しむアウトドア漬けの戸谷さんならでは。「お店にある商品は自分で試してみて、よいと思ったものをおすすめしたいからこそ、お客さんにも一度試してもらいたい」と話します。
テントや寝袋を試した参加者の中からは、「これなら普段から家の中でも使える」との声があがった
『soto class』今後の展開
7月に開かれた3回目は「そとで山飯をつくってみる」と題して、山小屋で働いていた経験もある『小とりの宿』店主森舞子さんをゲストに迎えて、アウトドアツールを使った「山飯」をつくりました。年内9月から11月にかけては、アウトドアツールを使った「山飯」、「珈琲」、「道具の使い方」をテーマに再度企画を展開していく予定。
「みんなで一緒に企画していけたら面白いと思いますね。それぞれの分野のプロが身近にいるので、毎回違う講座を企画していくのが楽しみです。僕の場合はコーヒですが、いろいろな人の知識や仕事を垣間見ることができるのも楽しみのひとつですね」と川下さんは話します。
戸谷さんも川下さんも、企画を運営しながら、午後にはお店を開けます。あくまでも自然に触れる時間を、普段の生活の一部として取り入れていくことを大切にしています。暮らしの中で外へ出かける時間をもつ、というゆるやかな気持ちが人気を呼んでいます。
テントを張ってみた最後には、参加者が集まり「ヤマとカワ珈琲店」店主川下さんの淹れたてコーヒーを味わった
湖畔のほとりで気持ちのいい朝を過ごす『soto class』。湖を渡る風は冷えて気持ちがいい
<info>
『soto class』
NATURAL ANCHORS
-お問い合わせ-
http://www.naturalanchors.com
〒380-0855 長野市長野岩石町251-8
026-217-8512