No.20
長野の元気な企業発見バスツアー
長野市商工観光部 産業政策課 雇用促進室係長 小林和広さんのフェイバリット
可能性が広がる! 就職活動前の企業見学
文・写真 合津幸
長野市の元気な企業を発見!
今月23日と25日、長野市 雇用促進室主催のちょっと珍しい企業訪問ツアーが予定されています。対象は平成 30年 3月以降に卒業予定の学生、つまり、大学、短大、専門学校等に通う就職活動前の若者です。過去には高校生の参加もあったそうです。
このツアーが始まったのは今から5年前の平成24年でした。背景には、人口減少問題と進学等のために長野市外や長野県外に出た学生のUターン率低下がありました。とは言え、このツアーはそれらの課題解決を目標に、若い人材を確保しようと企画されたわけではありません。
ツアーは、そんな厳しい現状を受けて、長野市の未来とそれを担う若者たちの将来を見つめ直し、私たち大人が果たすべき役割を考えた末に誕生したものです。「長野市内には、社名こそあまり表に出ていなくとも魅力ある仕事や職場はたくさんあります。まずそれを知っていただき、働き方の選択肢を増やしたり人生の可能性を広げたりしてほしいのです」と、雇用促進室の小林和広さんが想いを語ってくれました。
「目標は、いつか参加者に『やっぱり長野で働いて良かった』と言ってもらうこと」と、語る雇用促進室の小林さん。次代を担う若者たちに期待を寄せ、将来につながるきっかけを与えたいと望む
ワクワクが満載のユニークな内容
参加対象を“就職活動前”の学生と掲げることで、企業側が採用活動として行う見学会とは異なるユニークな内容が実現しています。たとえば、敢えて規模や事業内容の異なるバラエティ豊かな企業を巡って、できるだけ視野を広げ、あらゆる方向への可能性を感じてもらうことを重視しています。
しかも、主催者から各企業に依頼するのは、企業の概要紹介・幹部社員による講話・若手社員との交流の実施という3点のみ。講話のテーマや交流のスタイルにはじまり、オプションの決定も各企業に任せているそうです。
企業側も、学生の見たい・聞きたいという純粋な興味関心に応えるスタンスで、内容に工夫を凝らします。自社ホームページや会社案内には掲載することのなかったポイントを、わかりやすく楽しく伝えようと全力で臨んでくださっているとのこと。つまり、各社の個性や魅力を肌で感じることができる、ワクワクに満ちた1日が用意されているのです。
若手社員と参加者が円になって語り合う座談会も実施。企業にお邪魔するからこそ職場の雰囲気や仕事の醍醐味が感じられる (写真提供:長野市商工観光部産業政策課雇用促進室)
長野市の未来を担う若者たちへ
「企業に入り込んで現場に立つことで、ほんの些細なことでもいいから五感で感じ、何かひとつでも掴んでもらえたら十分だと思います。心に浮かんだ質問や抱えている相談事を、自由にぶつけてほしいですね」と、前述の小林さんは言います。
また、雇用促進室の前島睦美室長もツアーの意義についてこう語ってくれました。「体感したことがいつか必ず役に立つと思うんです。それが明日なのか10年後なのかはわかりませんが、自らの目で見て、耳で聞き、外を見る目や自身で考えて選ぶ力を養うことは、必ず人生の可能性を広げることにつながりますから」。
なお、見学ツアーには産業カウンセラーも同行しますので、専門家の立場からのアドバイスを求めることも可能です。このように、就職活動とは違った気軽さを重視する一方で体制に万全を期するのは、若者のエネルギーと無限の可能性こそが我が街の大切な宝であり希望であると確信し、大切に育みたいと考えるからなのでしょう。
比較的年齢の近い若手社員との交流は、「話しやすいので、気軽に何でも質問できて楽しかった」と、これまでの参加者にも好評だった (写真提供:長野市商工観光部産業政策課雇用促進室)
<info>
「長野の元気な企業発見バスツアー」の日程:8月23日(火)・25日(木)[応募締切はそれぞれ16日(火)・18日(木)]
問合せ・申し込み:長野市商工観光部産業政策課雇用促進室
TEL. 026-224-7492