No.105
ドレッタのガレット&クレープ
ナガラボ編集部のマイ・フェイバリット
善光寺門前で味わう、目にも楽しい「粉もん文化」
文・写真 石井 妙子
1階はテイクアウトできるクレープ、2階はカフェスタイルでガレットを提供
「粉もん文化」が充実している長野県。本場フランスでおやつや食事として老若男女に愛されているガレットとクレープも、立派な「粉もん」の一つです。信州のそばと小麦、野菜やフルーツをふんだんに使ったガレットとクレープの店「ドレッタ 善光寺仲見世通り店」が2020年、オープンしました。
場所は善光寺の山門が見える仲見世通りの角。1階にテイクアウト専門のクレープ店、2階にはガレットを提供するカフェがあります。2階のカフェは、大きな窓から善光寺境内の緑や山門が見える気持ちのいいロケーション。
▲2階のカフェドレッタ。善光寺に面した大きな窓から、四季折々の境内の眺めを楽しめます。(写真提供/ドレッタ)
ガレットもクレープも、丸く焼いた薄い生地にさまざまな具材を包んで食べることは共通しています。違いは材料。ガレットはそば粉、クレープは小麦粉が主な素材です。ガレット=食事系、クレープ=デザート系というイメージがありますが、ドレッタではフルーツを使ったデザートガレットも、ベーコンやレタスを使った食事系クレープも選べるのが嬉しいところ。
▲左/クレープで一番人気の「生チョコバナナ」は店内手作りの生チョコをトッピング。右/男性のオーダーも多い食事系クレープ「BLTE」。(写真提供/ドレッタ)
地産地消にこだわった生地
「県内で3店舗を運営するドレッタのコンセプトは地産地消。生地に使うそば粉と小麦粉はもちろん、卵もハチミツも長野県産です。さらに牛乳は、小布施で生まれた味わい深い「オブセ牛乳」を使っています。
生地のこだわりの一つが米粉。ガレットもクレープも県産の米粉をブレンドすることで「もちもちした食感になるんです」と、店長の竹ノ内正志さん。食べてみると確かに弾力ある独特な食感で、生地だけでも食べ応えがあるほど。ガレットは中はふんわり、外側はパリッとした食感のコンビネーションを楽しめます。
さらに、こだわりがもう一つ。ガレットにもクレープにも、生地にすりおろしたリンゴを加えて焼いているのだそう。焼いた時にフワッと仕上がり焼き色もよく、かすかに香りも残るのだと言います。
▲オーダーが入ったら焼き始めるクレープ生地。1分ほどできれいな色に。
実際にクレープ生地を焼くところを見せてもらいました。熱した鉄板の中央に生地をのばし、おおよそ1分。もちもちした食感に仕上がるように水分量などを決めているため、一般的な生地より時間をかけてじっくり焼いているそう。柔らかな黄金色と香ばしい香りが、なんとも食欲をそそります。
▲クレープの「ミックスフルーツ」には新鮮なフルーツを5種使用。
思わず写真に撮りたくなる華やかさが自慢
ガレットのメニューは期間限定を含めて8種類。定番のハム&チーズやシーザーサラダ仕立てのほか、信州ならではのキノコと味噌を使った「信州きのことハーブ鶏のの味噌クリームガレット」(写真下)も。旬のフルーツをふんだんに使った「季節のフルーツガレット」も華やかです。
「女性のお客様の割合が高いですが、ご夫婦で来られるお客様も多いです。年齢層は幅広いですね」と、2階のカフェドレッタ店長の稲葉真理子さん。
▲相性ばつぐんの「信州きのことハーブ鶏の味噌クリームガレット」。(写真提供/ドレッタ)
1階で販売するクレープは「フルーツ王国長野の魅力を知ってほしい」と、期間限定を含めて12種類をラインナップ。月替わりメニューは、春はイチゴ、夏はメロンやシャインマスカット、秋はカボチャやサツマイモと、旬の素材を使っています。
ドレッタとしてオープンする前、同じ運営元が同じ場所でそば粉を使った「そばクレープ」を販売し、人気を集めていました。当時のノウハウやメニューは一部生かしつつ、以前より生地を甘くすることで、ふんだんに使うフルーツの酸味と調和するように考えられています。観光客はもちろん、地元の学生が学校帰りに立ち寄ることも多いそう。
▲左/春のいちごフェアで限定販売している「ストロベリーハート」。右/マスカルポーネホイップクリームで甘さを控えつつ濃厚に仕上げた「ミックスベリークリームチーズ」。(写真提供/ドレッタ)
ガレットでもクレープでも大切にしているのが、「見た目が華やかであること」。思わず写真に収めたくなるビジュアルは、食べる前からわくわくさせてくれます。クレープで人気の「ミックスベリークリームチーズ」(写真上)は、雪山のようなボリュームのクリームにベリーをネックレスのように飾って。ガレットの「生ハムと彩り野菜のシーザーサラダ」(トップ写真参照)は、色とりどりの野菜が額縁のように彩ります。
▲善光寺と通りを挟んで向かい合う1階のクレープショップ。カフェは2階で、店内の階段が入り口です。(写真提供/ドレッタ)
1〜2カ月ごとに変わる月替りメニューは、「こんなメニューがあったら」というスタッフのアイデアが反映されているそう。これからどんなメニューが登場するか楽しみです。
<info>
ドレッタ 善光寺仲見世通り店
長野市元善町486 善光寺仲見世通り
電話 026-235-5557(1階・fruit & crepe dolette ドレッタ) 026-217-1427(2階・cafe dolette カフェドレッタ)
ホームページ https://dolette.net
営業時間 11:00~16:00(cafe doletteはLO15:30)
定休日 カフェドレッタのみ当面の間は水曜定休(2021年3月21日までは水曜・木曜定休)