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No.1

こめや東町「ぷくぷく亭」のおにぎり

建築士・宮本圭さんのマイ・フェイバリット・ナガノ

塩と米だけでもうまいお米専門店の手作りおにぎり

文・写真 安斎高志

一粒ずつ存在感があるおにぎり

こめや東町「ぷくぷく亭」は、米専門店が営むおにぎり屋さん。善光寺から東側に歩いて5分ほどの長野市三輪田町にあります。ひとつひとつ手作りのおにぎりは家庭の味とひと味違います。お米一粒ずつに存在感があるのです。
「水加減もグラム単位で炊き加減が違ってきますし、お米の種類は何度もブレンドしておにぎりに最適な比率を見つけました」
そう話すのは店長の東海林絵利奈さん。そのこだわりはきちんとお客さんにも伝わっています。お米と塩だけの「しおむすび」を選ぶお子さんもいるそう。ちなみに、ブレンドの比率は企業秘密です。

2015年4月にオープンしたイートインスペース

冷めてもおいしい。でも…

保存料を使っていないのに、冷めてもおいしい、ぷくぷく亭のおにぎり。素材を厳選し、握り方も工夫した結果ですが、それでもやはり「握りたてをできるだけ早く食べてほしいです」と東海林さんは話します。
そうした思いが形になったのが、2015年4月にオープンしたイートインスペース。以前は外のベンチで食べていくお客さんもいたため、どうにか店内でも食べられる環境を整えたいと考えました。豚汁とのセットなども用意され、男性のお腹も十分満たされます。から揚げやゴボウのきんぴらにも手間をかけていることは、一口食べればすぐわかります。

人気の豚汁セットは699円。おにぎりがふたつ選べる

米屋だったらご飯も売らないと

町のお米屋さんだった店頭で、おにぎりも売り始めたのは、2009年のこと。羽田和弘社長は「米の消費量が減っていくなかで、何とかしなければという思いがあったんです。そんなとき、ある人に『米屋だったらご飯も売らないと、お米のよさは伝えられないよ』と言われました」。その言葉を受け、羽田社長は最も米のうまさを感じることができる、おにぎりを販売することを決めました。すると、客層も広がり、同時に羽田社長の視野も広がったといいます。そしてイートインスペースができたことで、さらに幅広いお客さんと触れ合えるようになりました。
東海林さんは、おいしいという言葉を直接聞けるのはうれしいと笑顔を見せます。「パンやパスタなんかより調理に時間がかかる。でも、やっぱりお米っておいしいんです。それを伝えていきたいですね」。

冷めてもおいしい工夫をしているが、はやり「握りたてをできるだけ早くたべてほしい」と東海林さんは話す

米屋のおにぎり ぷくぷく亭
長野市三輪田町1332-1
TEL.026-232-2548

(2016/03/30掲載)

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