会社版ナガラボvol.2 株式会社アドイシグロ
2015年12月 4日 | 活動内容:中西さんの移住記録 |
会社版ナガラボのvol.2は、看板制作の株式会社アドイシグロさん(事業内容はHP参照)。
約2時間かけて会社を案内していただきましたが、普段、装飾を作っている反動か、言葉は飾らない人たちばかりで、率直すぎるお話がたくさん聞けました。
「風通しがいい」を通り越して、"開け広げすぎ"とも言えそうな社風。しかし、裏側には、思ったことを言い合えるという人間関係があるのでしょう。ひとり部署の安斎としてはうらやましさを感じました。
まずは、石黒ちとせ社長と、営業部長の塚田修志さん、そして入社3カ月の研修期間を終えたばかりの新入社員・金子直裕さんの率直すぎるトークをお読みください。
<社長×営業部長×新入社員(B型)>
―どういうときに「この仕事をしていてよかった」と思いますか?
塚田部長:仕事の結果、成果が身近ですよね。妻と娘が通っている美容室の看板を自分で手掛けたんですが、仕事が形になって、それを見てもらえる。あと、うちは看板の制作から取り付けまで、工程の範囲も、作るものの種類も幅広いので、建物のことをはじめ、いろんなことを学べます。
―どんな会社ですか?
塚田部長:変わり者が多いです。いろんな人がいるので、全部相手していると大変だから、流すところは流してもらって(笑)。せっかくなら長く続けてもらいたいし、仕事より人付き合いの方を大事に、上手にしてもらえれば。
石黒社長:仕事よりですか(笑)。まあ、変わり者は多いですよね。採用も、油断すると社内がB型ばかりになってしまいますので、バランスを考えて選考しています。
金子さん:僕、B型です。
石黒社長:え!油断した!
(のちに教えてもらいましたが、塚田部長もB型だそうです)
―どんな人が向いていると思いますか?
塚田部長:営業に関しては、ものづくりの現場が好きじゃないとだめですね。単なるモノ売りじゃないので、現場でお客様に言われたことに、いかに対応できるか。そのためには制作の現場のことがわかってないといけない。
石黒社長:そのために、入社したら最初は制作に携わってもらいます。
塚田部長:あとは見積もりが作れればいいんで、だれでもできるんじゃないかな。
石黒社長:新規開拓もしてください(笑)!うちはそこが弱いんですよ。新規開拓型の営業マンを求めています!
―金子さんはどうしてアドイシグロさんに入社したんですか?
金子さん:僕は大学院でまちづくりや景観のことを研究していたんです。看板は景観にとって大事な存在ですから。
石黒社長:学歴が高すぎて、すぐ辞めちゃうんじゃないかと思ったんですけど、まあ本人がやりたいというので。
金子さん:まだ3ヶ月ですけど、現場が好きですね。いろんな経験ができて、すごく得した気分です。それと、自分が携わったものがまちなかに設置されるというのは新鮮な感動がありますね。
<入社45年目のベテランに聞く>
原田文夫副社長は74歳。入社45年目です。手書きの時代からずっと、看板の制作に携わってきました。現在は、スクリーン印刷を専門としていて、プリンタに入らない形状の素材を扱っています。
―この仕事をしていてよかったと思うのはどんなところですか?
原田副社長:浮世絵と版画が趣味なんだけど、趣味と仕事が一致したから、45年間、勤められたね。仕事が嫌だと思ったことはないですよ。印刷の技術もどんどん進歩しているんだから、いっそのこと自分の手仕事の需要がなくなれば、引き際を考えられるんだけど、なかなかなくならない(笑)
―若い人に何かメッセージはありますか?
原田副社長:この仕事は、毎回違うものを作るんです。色んな仕事が来て、一番いい方法を考えなければいけない。それがおもしろいところです。需要が違う、使い道が違う。そういうことを想像しながら、やっぱり「作る」ことが好きな人に入って来てもらいたいですね。
<現場を見せてもらいました>
塚田部長が「仕事の幅が広い」と言うとおり、少し見学しただけでも、その一端が感じられました。
屋外広告の支柱も切断、溶接まで自社で行います。高さ5mはあるでしょうか。
かと思えば、緻密なカッティングシートをはがすような作業も求められます。
イベントのディスプレイなど、「残らないもの」も手掛けます。
社有不動産「光ハイツ」は、時が経つほど価値が上がるという「ビンテージビル」として、空室が出るたびに社員がアイディアを出し合い、エッジの効いたテーマをもとに改修しています。20室あるうち、これまで6室が生まれ変わりました。
(詳しくはナガラボ記事をご参照ください)
これまで残業が多かったという同社ですが、近年はライフワークバランスを保つため、効率化を進めているそう。通常の有給休暇のほかに連続5日のリフレッシュ休暇もあるそうです。
でも、何より、変わり者が多いってことは、中西さんにぴったりじゃないですか!?
(同社では通りに面した、よく見える場所に毎年その年の干支を飾っています。もちろん、自社制作。羊もそろそろお役御免です)