会社版ナガラボvol.1 中央タクシー株式会社
2015年12月 1日 | 活動内容:中西さんの移住記録 |
お待たせしました。会社版ナガラボ、本日よりスタートです。
第1回は長野市若穂の中央タクシー株式会社さんに行ってきました。
これまでテレビ「カンブリア宮殿」、雑誌「日経ビジネス」、ベストセラーとなったビジネス書「日本でいちばん大切にしたい会社」など、数多くのメディアで取り上げられてきました。
ナガラボでも昨年、ベテラン乗務員の倉島国栄さんを紹介しています(記事はこちら)。長野市民にはすっかりおなじみの企業です。
乗客は90%以上が予約。そのため、街なかや駅などでいわゆる客待ちをしている車がほとんどありません。これはタクシー業界では稀有なことです。
通常のタクシー業務のほか、成田やセントレアなどの空港を結ぶジャンボタクシー業務、個人向けの小さな旅行企画「家からの旅」や「駅からの旅」などを展開しています。従業員は205名。長野のほか、群馬と新潟にも営業所があります。
事前に電話で、総務部長の河野和義さんに取材の申し込みをすると、「では、朝礼を見てもらえますか。弊社らしさが出ていますので」とのこと。早速、早朝の同社に伺いました。
いかにいい雰囲気を作れるかを考えてきた
本社は山あいにあります。長野市中心部から30分ほど車を走らせなければなりません。しかし、この立地にも実はエピソードがあります。不況期に社員の雇用を守るため、20年ほど前、当時の社屋を売って移転してきたのです。
まだ薄暗い午前6時45分、朝礼が始まりました。
印象に残ったのは、従業員さんたちのテンションの高さとテンポのよさ、そして笑顔。
点呼を担当する河野さんは「説教くさい朝礼にならないように、いかにいい雰囲気を作れるかを考えながら変えてきた結果です」と話します。
ほんの15分の間に、英単語の唱和、ロールプレイイングなどが詰め込まれていて、内容はぎっしり。しかし、滞りなく進んでいきます。
空港便を運行しているため、白馬や野沢温泉などへ向かう外国人観光客に対する英語での対応が求められています。大事なのは声に出してコミュニケーションすることだという考えのもと、スライドに合わせて顧客対応に必要なセンテンスをテンポよく唱和していきます。
最後はハイタッチでドライバーさんたちを送り出しました。
採用担当・河野和義さんインタビュー
朝礼後、採用窓口の河野さんにお話を伺いました。
―現在、募集もかけているそうですが、どんな人に来てほしいですか?
河野さん:いろんなことに興味を持つ人に来てほしいですね。一般的なタクシー会社と違って、空港便、旅行事業、総務課といくつもありますので。
―中央タクシーで働くことの魅力はどんなところにありますか?
河野さん:市内だけでなくて、空港送迎もやっていますし、1泊2日だとか観光の仕事もあるわけです。よく「色んなところに行けるし、色んなことができて楽しい」とは言われます。それと、みんなが楽しく仕事をしています。そこからサービスが生まれていくと思うんですね。従業員が楽しくないと、いいサービスができない。働いて楽しい会社。それが一番だと思うんですけどね。
―朝礼も楽しそうにやっていらっしゃいますね。
会社は40年になりますが、朝礼も最初のころは軍隊方式でした。でもね、朝、お説教みたいなことをするとしょぼんとしちゃって、それじゃあいいサービスできないだろうってことで。笑顔になって、明るくなって出て行こうと考えだしたんです。最初は抵抗ある人もいるんですけど、社風なんでしょうね、やってくれるんですよ、みんな。
―社風とはどんなものですか?
社風は、優しい、人間関係がいい、お客様に親切といったところでしょうか。言葉にするのは難しいですね(笑)。うちはマニュアルがないんです。基本動作は、自己紹介をする、ドアを開ける、傘を差してあげる、この三つだけ。でも、この三つが生命線です。そこが特徴ですかね。
一体感を大事にしているため、点呼は円陣を組みます。
―目の不自由なお年寄りを案内するという今日のロールプレイイング、とても印象的でした。
河野さん:ロールプレイイングは10年以上になりますね。日ごろやっていることでも、みんなの前でやるのはなかなか勇気がいるので、度胸がつきますよ。でもロールプレイイングというと、とかく『あれがだめだ』とか、『これが抜けている』だとか、悪いところ探しがちですが、そうじゃなくて、まずは褒めてあげることを大事にしています。そのあとで、改善点を挙げる。それと、「感じたこと」を伝えてあげる。こうしなければダメ、というのではなくてね。
―このカードは何ですか?
河野さん: 何でもいいから、いいことがあったら書いて、仲間に伝えようと。4、5年続いていますね。横断歩道で大きな声であいさつしてくれる小学生がいたとか、些細なことです。そして、1日1枚でいいから、それを読もうと。書く方も読む方も、前向きになりますよね。
社内を案内してもらって感じたのは、とにかく仕事を楽しんでいるということ。宇都宮司社長はうれしそうに箱いっぱいに詰まった折鶴を見せてくれました。
「外国の方に『ウェルカム』という思いを伝えたいけど、言葉が追いつかないので、どうしたらいいか、という声が現場から上がってきて、鶴を折って渡そうということになったんです」
中西さん、どうですか、いい会社でしょ!?
今後、こんな感じで、長野市の魅力的な会社にお邪魔してレポートしていきます。
現在、従業員を募集しているという会社さんも、ぜひお声掛けください。
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