出来る男は見るところが違う(囲炉裏にまつわるエトセトラ)。
2015年11月11日 | 活動内容:柳井さんの移住記録 |
日に日に寒さが増してきました。
柳井さん宅の囲炉裏の修復も早く取り掛からなければいけません。
と、実は、焦っているのは安斎だけで、柳井さんはなんだか毎日のどかに暮らしています。しかし、とにもかくにも、私の方は仕事ですから、まずは修復のアドバイスをしてくださる方を連れていかなければなりません。
さまざまな人の顔が浮かびましたが、ナガラボでも紹介した小田切電設の小田切隆一さんに現地を見てもらうことにしました。(小田切さんのナガラボ記事はこちら)
小田切さんは、電気工事が本業ですが、仕事の範囲を限定せず、大工仕事や左官仕事なども手掛けています。どのみち、台所回りの電気工事が必要になるので、そのついでに色々とアドバイスが受けられないかと考えたのです。
「今の時代、技術屋さんの専門分野が狭くなりすぎていて、仕事の領域を限定しない"何でも屋"が必要だと思ったんです。例えるなら、"専門医よりかかりつけ医"。とりあえずあの人に相談してみようという存在ですね」と、小田切さんは話します。
古民家にも関心が高いので、お忙しいなか快く現地を見に来てくれました。
小田切さんの見る目はやはり違いました。
私も柳井さんも、これまで下ばかり見ていたのですが、小田切さんは囲炉裏を覗いて「このままでも灰を入れれば使えないことはないと思いますが」と言ったあと、天井を見上げ、「あそこは取り換えないと」とひと言。
あそことは、自在鉤を吊り下げている棒の根元です(これ↓)。
何らかの縄で固定してあるのですが、当然、劣化して切れたら危険です。
ましてや棒自体が長く重いので、なおさら。
やっぱり来ていただいてよかったです。
そのうち、柳井さんが埃だらけになりながら屋根裏に入ってどうにかするそうです。
そして、小田切さんの方も柳井さん宅を見学して実に楽しそうでした。
「現代の日本人は建物のあり方を見直さなければいけない時期に来ていると思うんですが、何百年続いた暮らし方にヒントがあるのではないかと思っています。だから昔の建物の知恵を読み取るのが好きですね」と、小田切さん。
頼りになる相談相手になってくれそうです。
そして安斎もやっとこさコンシェルジュっぽいことをしたような気がします。
(囲炉裏まだそのまんまですが)
そう言えば、このブログで柳井さん宅を築300年と書いてきましたが、建物の状況などから総合的に推測すると、どうも江戸後期の築とみられるとのことです。ということは150から200年くらいでしょうか。お詫びして訂正いたします。まあ、いずれにせよ古いです。