やっぱり長野は色んな意味で懐が広かった。
2015年10月26日 | 活動内容:柳井さんの移住記録 |
先日、住民自治協議会の小林事務局長に「中古の農機具を譲ってくださる人はいないですか」と聞いてみたところ、「この人のもとを訪ねてみてはどうか」と紹介されたのが、中条に住む筒井幸彦さん。
「どんな機械でも直しちゃう人だから、壊れたの見つけて持って行ったらどうかね。それとも筒井さんのところに壊れた機械が集まってくるかもしれないし。とりあえず聞いてみたらいいわ」
ということで、行ってきました、筒井さん宅。
結局、その日、農機具は入手できなかったんですが、柳井さんは大満足。
というのも、筒井さんのガレージには、柳井さんが大好きな古い道具や機械が所狭しと並んでいたのです。
自己紹介もそこそこに、チェーンソー談義に花を咲かせる勇さんと筒井さん。
メーカーどころか、型番ごとの特徴が飛び交い、勇さんの目はらんらんと輝く一方、機械音痴の安斎は途中から遠い目をしておりました。
続いて脱穀機談義。
さらには発電機談義。
どうも勇さんにとって、ここはディズニーランドのような存在のようです。
加えて、筒井さんは野菜だけでなく雑穀や豆類の栽培もしているそうで、柳井さんご夫妻とも熱心に中条での栽培のコツなどを質問していました。
筒井さんは中条に移住して約20年の元警察官。出身は長野県の下伊那地方です。
現役の警察官時代から、古い機械、特にバイクや自動車などを収集してきました。
中でも発動機に詳しく、「NAGANO発動機遺産保存研究会」の事務局を務めています。
機械修理の腕前は地元に知れ渡っているようで、「部品がなくなっちゃったような農機具も持ち込まれて来る」のだそう。
柳井さんが必要とするバインダーやトラクターは手持ちがありませんでしたが、「壊れて、使わないようなものなら、この辺にはたくさんあるはずだよ」とのこと。
よーし、それでは、近いうちに壊れた農機具探しに出かけてみることにします。
と、農機具探しはほんの一歩の前進といったところでしたが、まったく予想をしていなかった方向への一歩が用意されていました。
現在、筒井さんがメンバーのとりまとめをしている、「なかちゃん」という中条地区の生活支援グループがあります。
地域のお年寄りが自分でできなくなってしまった畑仕事や草刈り、住宅の補修などの仕事を、地域の人たちが請け負うという団体です。
お互いに遠慮が出ないようにと、参加者にはきちんと時給が支払われます。
そんなグループに、筒井さんが柳井さんを誘ってくださいました。
「まずは地域に溶け込むことだよ」と筒井さん。
何もないところに溶け込むのは大変ですが、でもこうして仕事というきっかけがあれば、意識せずとも交流が生まれそうです。
なんだか色々と希望が膨らむ筒井さん宅訪問となりました。
「なかちゃん」の活動についてはまたレポートしたいと思います。
しかし、長野は色んな人がいるなあと、あらためて実感。
ナガラボやってても、知らない人は山ほどいます。
この企画のおかげでまた新しい長野に触れているような気がします。
追記
日本の古い自動車についてテレビでコメンテーターを務めていたことなど、筒井さんのエピソードは枚挙にいとまがないため、本文ではだいぶ割愛したのですが、帰ってから筒井さんの名前をインターネットで検索してみたら、山葡萄のカゴの作り手として紹介されている記事がたくさん出てきて、またびっくり。ネタが多すぎます。