長野市復興だより

災害の教訓を後世に残すために 『若穂地区災害復旧記録集』を制作

若穂地区住民自治協議会・自主防災会連絡協議会

「台風災害の教訓として、地域にとって一番重要なことは、日常的な隣近所との連携だと感じました。お年寄りの一人暮らしや2世代世帯そして混住化社会の中で、改めてしっかりと体制を作り、災害に備える必要があります」と話したのは、若穂地区自主防災会連絡協議会の竹内守雄会長。

令和元年東日本台風で千曲川とその支流の保科川・赤野田川が氾濫した若穂地区では227件の床上・床下浸水被害のほか、千曲川河川敷を中心に100ha以上の農地が水没・土砂屋災害ゴミの堆積など甚大な被害を受けました。避難所の閉鎖後は、保科地区・綿内東町地区、川田地区の道路・河川・橋梁・山裾の復旧、千曲川河川敷の復旧・復興作業に住民をあげて取り組み、1年を経て保科地区の一部の道路・河川を除いては概ね復旧が完了しつつあります。

 

整備された畑で小麦の種まき

若穂地区には代表区長や自冶区長で組織する自主防災会連絡協議会があり、被害状況の把握と対応、避難所の開設、避難及び呼び掛け等に対応しました。今回の被災を通して、(1)日常的なコミュニティづくりの重要性(2)災害危険情報のタイムリーな情報発信体制、(3)避難所のさらなる確保と運営ノウハウの確立が課題として浮き彫りになり、それらを踏まえて新たな災害情報連絡網の作成や訓練、避難所の増設など防災対策の見直しを図りました。今後は更に体制強化に取り組む計画です。

 

若穂地区防災研修会

また、長野市の復興支援金を活用し、地区の被害状況、復旧活動の記録を写真入りでまとめ、今後の防災対策と課題を示した『若穂地区災害復旧記録集』を制作。初版350部を各区長・防災指導員他関係者に配布しました。自主防災会連絡協議会では、この記録集を通して、“災害を風化させずに後世に伝え、地域コミュニティの育成と住民の防災意識の向上に役立ててもらいたい、と増刷を決定。希望者への限定販売も行っています。

 

 

若穂地区住民自治協議会

住所 長野市若穂綿内7827
TEL 026-282-4621