長野市復興だより

地域住民の憩いの場を守り続けたい

りんごの湯 平山まゆみさん

入浴施設、レストラン、農産物直売所があり、住民の憩いの場として親しまれてきた「豊野温泉りんごの湯」。令和元年台風では約1mの浸水被害を受け、施設の心臓部分に当たる機械類、ポンプ類、ボイラー、レストランの冷蔵庫、冷凍庫等の水没という甚大な被害を受け、今なお復旧工事中です。施設全体を統括している平山まゆみさんに復興の現状とこれからの課題を伺いました。

 

1日も早い営業再開を

被災当時は全てのライフラインが止まり、機械類も全滅したため、復旧の目処は全く立ちませんでした。毎日が戦争のようで眠れない日々が続きましたが、お風呂に入れなかった被災住民のためにも1日も早い営業再開を目指し、従業員総出で頑張りました。協力会社様からも通常であれば春先までかかると言われていたところを早急に対応してもらうことができ、12月20日の仮復旧に漕ぎ着けました。当初は内湯、露天風呂、サウナ、レストラン、大広間、売店、ソフトクリームコーナー、マッサージ部分のみの利用で、空調設備もまだ使えなかったため、床暖房と石油ストーブを併用しての営業でしたが、来てくださった住民の皆さんからは「待ってました!」と喜びの声が上がり、安堵しました。

被災直後、スタッフ総動員での片付け作業

 

新たな困難

営業再開までも、地域に入っていって泥出し作業を手伝ったり、ボランティアの皆さんと一緒に活動してきましたが、1月中旬には豊野地区住民自治協議会主催の復興イベントをりんごの湯で行いました。お子さんからお年寄りまで地域の方に大勢来ていただき、皆さんの笑顔が印象的でした。

餅つきやライブなどで盛り上がった復興イベント

豊野地区は台風被害により半数近くの家が被災し、地域を離れてしまった住民も多い中で、3月以降は新型コロナウィルスの影響が重なりました。ここは、特にお年寄りの方が多く利用する施設なので、大打撃です。4月13日から5月16日までは休館し、お弁当のテイクアウトと温泉のテイクアウトに取り組みました。

りんごの湯西側にある温泉スタンド

 

地域住民の笑顔のために

まずは完全復旧してからがスタートだと思うので、着実に工事を進めていくことが第一です。1階の宴会場や個室の復旧工事は6月下旬から着手し、今秋のオープンに向けて準備中です。被災によって、地域のコミュニティが分断され、孤独になってしまったお年寄りにとって、ここはなくてはならない憩いの場所だということを実感しています。様々な困難がある中で、課題は山積みですが、常に改善策を考えながら行動し、地域住民の皆さんに喜んで利用していただけるように、スタッフ皆で力を合わせ、頑張っていきます。

コロナウィルスに対応し、消毒が施された館内では、地域住民が交流を楽しんでいた

 

 

りんごの湯

住所 長野市豊野町石417
TEL 026-257-6161
営業時間 10:00~22:00 (最終入館受付21:30)
※レストランのみの利用も可(11:00~21:00 概ね1時間程度まで入館料無料・入浴不可)
WEBサイト https://ringonoyu.co.jp/