入賞作品発表

NAGANO未来デザインアワードの審査会においては、最優秀賞及び特別審査員賞に該当する突出した作品が無かったという意見で一致しました。
最優秀賞及び特別審査員賞については決まりませんでしたが、審査会では、応募者の皆様が作品を制作し、コンセプトによるご意見なども含めて表現していただけたことを、とても大切にしていきたいと思っております。
作品をご応募いただきありがとうございました。

最優秀賞

該当なし

特別審査員賞

該当なし

Z世代部門賞

タイトル
vlog 初詣ver
応募者名
長谷川 輝(はせがわ ひかる)
講評審査員名
長野市出身 アイドル NGT48 メンバー 西村 菜那子
講評内容
少しクスッと笑ってしまうような緩さと、「長野市でもっと遊べるところを作ってください!!」と素直に綴る、飾っていない自然体な姿が印象に残りました。
いい意味で「よくいる大学生感」が出ています。
SNSが発達している現代に寄り添った、vlogを活用するというアイデアに、多くの若者が親しみを感じられる作品になっているのではないかと感じました。

グラフィック&写真部門賞

タイトル
おじいちゃん家
応募者名
枝村 苺奈(えだむら まいな)
講評審査員名
㈱Future Research Institute 代表取締役社長 紫牟田 伸子
講評内容
写真自体はとりたててなにもない風景ですが、枝村さん個人が、この土地に愛着を持ち、この風景を変わらずずっとあってほしいという願いが素直に出ていると思います。
このようなひとりひとりの素直な思いが、未来の まちの原動力になっていきます。このような思いを守っていくためにこれからどうしていったらいいか、それを考えていくのが、未来のナガノのデザインをしていくことだと思います。
ひとりひとりの大切なものを、みんなで大切にしていく未来をつくっていってほしいと思います。
タイトル
この先にあるもの
応募者名
梶川 柚希(かじかわ ゆうき)
講評審査員名
㈱八幡屋礒五郎 代表取締役社長 根元八幡屋礒五郎 九代目 室賀 栄助
講評内容
かつて長野市一の繁華街であった権堂アーケードを題材に、今後の都市のあり方を鋭く問うています。若者が新型コロナ対策による2021年の暗い世相をどう見ているかが、よく理解できます。手前の暗闇の中を歩く人は表情が見えませんが、その先にある明るいアーケードが近い将来の希望を示しています。スナップ写真を使用していると思われるので、手前に向かって歩いている人が多いのが少し残念です。反対向きの人物がもっと多ければ更に良いと思います。この題材は長野市民でなければ共感できないかもしれませんが、今回の応募テーマ「大切に守りたい私の長野市。私たちが創る未来の長野市」に最もふさわしい作品です。
タイトル
THE CHARMING & SMART CITY
応募者名
長田 昂大(ながた あきひろ)
講評審査員名
学校法人岡学園トータルデザインアカデミー 校長 岡 正子
講評内容
2040長野の未来は明るい!そんなワクワク感が何より好きです。
この作品は、長野市の多種多様な魅力を色彩豊かなモチーフとし、画面いっぱいに混在させることで明るい未来へと向かう期待感を独特な世界観と共に表現されています。
また、長野を「チャーミング&スマート」と称した言葉の中に、誰からも親しまれ愛着のある未来を一緒に創っていこう!とする作者の想いも感じ取れました。
改めて私たちの身近にある「長野チャーミングあるある」を探してみるのも楽しい対話になりそうです。
講評審査員名
長野県デザイン振興協会 監事 小林 勝彦
講評内容
長野市の魅力を描こうとすると善光寺を中心にしながら、あれもこれもと総花的な表現になりがちで、この作品もその点が見られ残念。
他の地域で知られる「五平餅」を取り上げているのも、盛り込みを意識し過ぎたためかもしれない。反面、アグレッシブな配色によりメッセージを画面に埋め尽くさんばかりに構成したことで、未来に臨む長野市の元気が表出している。
募集コンセプトの最重要点である長野市の未来の姿をユニークに捉えようとする点に、募集要件への挑戦が好ましく認められる。
取り上げられやすい牛や善光寺よりも、まだ見ぬ未来性を前面に出し、そこに焦点を絞った方が本アワードの求めにより応えることができた。
タイトル
緩行長野
応募者名
轟 瑛美(とどろき てるみ)
講評審査員名
クリエイティブディレクター Lucy+K 代表 小山 奈々子
講評内容
存在が強すぎて難しそうな”善光寺”をモチーフにしたにもかかわらず、新しいコンセプトに変換しデザインされた発想は、昔ながらの大事なものを受け継ぎながら未来に向かう新たな地域メッセージとして伝わってきました。現代社会の課題と長野の人柄を表すような「ゆっくり進む」という優しいコンセプトにどっしりと力強いシンプルなデザインがいいバランスでした。
惜しい点は、視覚的には一見”善光寺”のシンボルマークとして認識してしまうので、文章を読まずに伝わる工夫をもう一歩デザインの中に落とし込めると汎用性が高くなるかと思います。長野市として実際に取り組んで欲しいと共感するコンセプトだったので選ばせていただきました。

ビデオ部門賞

タイトル
ここは信州 風の公園
応募者名
鶴田 智也(つるた ともや)
講評審査員名
長野県立大学グローバルマネジメント学部 教授 築山 秀夫
講評内容
「楽しむを入り口」にと作者がコンセプトに書いているように、今回の応募作品中、最も楽しさが伝わってきます。長野市をテーマ化したかどうかが分かりにくいというマイナスがあっても、それ以上に素晴らしい!
作品は、動画映像ではなく、17枚の静止画がスライドし、モーション・ピクチャーの部分は、微笑みながら現われる妖精と、シャッターを切る女性のアニメーションで、これらの構成が秀逸。現実の写真に非現実のアニメーションを被せることで、大人にも未来が見えてくる。子供たちの笑顔。棚田。そこを吹く風。アコースティックな音楽も心地よく、皆と一緒に観たい作品。長野という名前が例えなくなったとしても、2000年後もこの地がこうあればいいね。お見事です!
タイトル
Ambient Nagano
応募者名
秋山 崇(あきやま たかし)
講評審査員名
長野アートディレクターズクラブ 会員 轟 久志
講評内容
視覚表現の作品がほとんどの中で、「音」という切り口は他になかった。
映像や写真で長野市のそのままを見せられるより想像力が広がる。複数のバージョンで展開すれば、人々の共感を生み、未来の長野市創りに向けての対話のきっかけになるかもしれない。ただし、何をもって長野市らしい音なのかは難しいところで、今回の作品にはもう少し長野市ならではの音の表現が入っていたほうが良かった。例えば長野市のどの地域の音なのか、どんな人の声なのかなどを具体的にしたり、複数の場所の音を組み合わせる事によって斬新な表現が生まれる可能性もある。人々の対話・コミュニケーションにつながる仕組みづくりができればもっと面白いと思う。

ストーリー&テキスト部門賞

タイトル
青りんご革命
応募者名
河 宗昊(は じょんほ)
講評審査員名
tentai.design 代表 デザイナー・アートディレクター 天宅 正
講評内容
既成概念に対して問題提議をしているところが素敵だなと思いました。
意識や視点を変えて今を見ることが、未来につながるというメッセージに私も共感します。
「革命」というと少し圧を感じますが「青りんご」のキャッチさで中和されていてむしろ可愛く、面白い言葉の組み合わせだなと感じました。
年齢、性別、国籍など今ある価値の境界を色のグラデーションのように緩く捉えようという考え方にも惹かれます。
長野市を想起させる言葉なのか。上記のような解釈をどれだけ多くの人がするのか。は「?」がつくところですが、この言葉をキーとして色々なビジュアル展開を計画していくと面白くなりそうだなとグラフィックデザイナーの私は思いました。