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ながのを彩る人たち

LIFE

自分らしく
自然体で生きる

「音楽って楽しい!」を子どもたちに感じてもらえるきっかけをつくりたい

古川美登里さん

オーボエ奏者/「音楽舎 音の美」主宰

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オーボエは「世界一難しい木管楽器」とも言われるほど難易度の高い楽器。古川美登里さんは、中学生の時に初めてオーボエと出合って以来、その奥深さに魅せられてきました。現在、オーボエ奏者として県内を中心に活動。また、音楽を楽しく学んでもらうことで、音楽の裾野を広げようと、長野市内で音楽教室「音楽舎音の美」を主宰しています。古川さんに、オーボエの魅力と音楽に対する想いを聞きました。

文・写真 松井明子(株式会社ママLife)、写真提供:古川 美登里さん

自然素材のリードで奏でる繊細な音

オーボエは「リード楽器」の一種で、薄い板状の「リード」をくわえて振動させて音を出します。クラリネットやサックスは「シングルリード」で、プラスチックのマウスピースxの上に水草の「葦(あし)」のリードを1枚つけて音を震わせて鳴らします。一方、オーボエは「ダブルリード」の楽器。プラスチックの部分がなく、2枚の葦を縛り合わせます。
 

オーボエのリード部分

オーボエのリードは購入することもできますが、クラリネットやサックスのリードよりもかなり高額なため、一般的には自作します。葦を割り、削って巻いて作りますが、手作業なので常に一定のものができるわけではありません。長持ちするリードもあれば、1、2時間で駄目になってしまうリードもあり、自然素材ならではの難しさがあります。
 
「『梅雨時期で湿ってくるから少し薄くしよう』『体調が悪いから、少し薄いリードにして息が続くようにしよう』『重たい曲調だから、リードをちょっと厚くして深みのある音にしよう』など、気候、体調、曲調など、いろいろな要素を踏まえた上でリードを作っていきます。良いリードができると『私天才かも』と思うくらい吹けるのに、次の日は全然リードが鳴らなくて『あれ?』と思うことも珍しくありません」
 

リードのストックをたくさん作っておく

「こういう音がオーボエなんだ」 初めての感動体験

古川さんは、子ども時代を岡谷市、上田市で過ごしました。父が音楽の教員でヴィオラ奏者だったため、子どもの頃から音楽が身近にある環境でした。幼少期からピアノ、バイオリンを習い、小学校のマーチングバンドでフルートを担当するなど、常に音楽を学んできました。中学校では吹奏楽部に入部。フルートをやりたいと思っていましたが、オーボエを担当することになりました。
 
「担当するように言われて、『オーボエってどんな楽器だろう』と思うくらい、オーボエのことを何も知りませんでした。私の中学の吹奏楽部にはたまたまありましたが、オーボエは通常、大きな学校にしかなくて、人数も少ないのです。最初は音を出す感覚を全くつかむことができませんでした。自分は音楽が得意な方だと思っていたので『何でこんな音になってしまうのだろう』と悩みました。いろいろな楽器をやってきて、初めて壁にぶち当たった経験でした」
 
レコードで聴くなどして、オーボエの音を知ろうと試行錯誤していた古川さん。中学2年生の時、オーボエ演奏を生で聴く機会がありました。
 
「『こういう音がオーボエなんだ』と深く感動しました。もっとうまくなりたいという気持ちが高まり、父のつてで、諏訪交響楽団でオーボエを担当している方のもとにレッスンに通わせてもらえることになりました。上田から、ほぼ一日がかりで毎週末レッスンに送迎してもらいました。父は、私の音楽活動をいつも応援してくれて導いてくれました」
 
古川さんは真っ直ぐに音楽の道を志し、東京音楽大学に入学。「ずっと楽器を続けたい」と漠然と考えていた在学中、上田市の信州国際音楽村でのスタッフ採用の話があり、帰郷。スタッフとして演奏会の裏方やプロデュースの仕事をしていましたが、結婚を機に退職。その後、長野市に移住しました。
 

音楽と出合うきっかけをつくり、楽しさを伝えたい

「何十年吹いていても、うまく吹けない時はいまだに吹けなくて、波があります。オーボエって難しいなぁと思います。でも、できないから追究したい。奥が深くて、ずっと追いかけていて、『もうちょっと勉強したい』という感じがずっと続いて、今に至る感じです」
 

ステージに立つ古川さん

妊娠、出産を経て、演奏の仕事を続けてきた古川さん。子どもたちはそれぞれ高校1年生と小学6年生になりました。
 
「赤ちゃんの頃は、夫も授乳できるように、搾乳してストックを準備したりする大変さがありました。仕事のペースはどうしても落とさざるを得ませんでしたが、今はもう子どもたちからだいぶ手が離れたので、仕事を増やせるようになってきました」
 
古川さんが子育てをしながら感じていたのは、「子どもが気軽に足を運べるコンサートがもっとあったらいいのに」ということでした。
 
「私自身、子どもの頃にいろいろなレコードをかけてもらって楽しんでいた、温かな記憶が心に残っています。クラシックだけだと小さなお子さんは飽きてしまうので、例えば絵本と組み合わせるなどして、楽しんでもらえる演奏会をいつか開催したい。リラックスできるひと時として、妊娠中の方にも聴いてほしい。いつか実現できるように頑張ります」
 
子どもたちが音楽に触れる機会を増やしたい――との想いから、主宰している音楽教室でのピアノレッスンでは「音楽って楽しいな。またレッスンに来たいな」と思ってもらえる指導を心がけているそうです。
 

「楽しかった」と思ってもらえるピアノレッスンを心掛けているという

「部活動の地域移行で、自分の通う学校に吹奏楽部がないと、楽器を知る機会がどうしても少なくなります。私が中学でオーボエに出合えたように、裾野を広げる活動を通じて、子どもたちが音楽と出合えるきっかけづくりをしていきたいです」
 

会える場所

音楽教室「音楽舎音の美」

〒380-0941 長野市安茂里730-8

電話:026-217-5363

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