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わくわく・共感できる長野の元気情報を配信します!

ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

ナガラボライターの堀内菜々実です(ナガラボ地元編集塾に参加し、初めての記事執筆なので緊張しています……)。長野市出身・在住で、普段は飲食店に勤務しています。
 
突然ですが、「働くこと」って楽しいですか?
 
私は現在21歳なのですが、正社員としての就職はせず、いろんなアルバイトをしていました。
なぜなら、専門学校を卒業する時に、自分のやりたい仕事が分からないことや、心から働きたいと思える企業が見つからなかったから。
 
「社会人」って楽しいのかな?
自分の好きな仕事ってなんだろう?
自分は何になりたいんだろう?

 
そんなことを考えていた時に出合ったのが、「ゲストハウス」でした。
 
ゲストハウスの存在を初めて知ったのは、鎌倉への旅行で、とにかく安い宿を探している時でした。「ゲストハウスって、ホテルとの違いはなんだろう?」と感じたのです(ゲストハウスは、素泊まりでホテルよりも安く泊まれ、ドミトリー形式が多いです)。
自分の住んでいるまちにもゲストハウスがあることを知り、「雰囲気を知りたい」と思い、覗いてみたのが、『1166バックパッカーズ』。


地域の人と一緒に空き家をリノベーションした宿は、旅人・地域の人の交流の場としても機能している。

『1166バックパッカーズ(以下、1166)』は、長野市の善光寺門前にあるゲストハウスです。
まちとひとをゆるやかにつなぐ居心地の良い空気感が流れており、国内外からたくさんのゲストが訪れる人気の宿。
 
足を踏み入れると、とっても特別な空気感が広がっていました。国籍もバラバラな旅人と交流し、いろんな価値観に触れることができたのです。「こんな社会人になりたい!」「この仕事はおもしろそう!」と思える出会いもたくさんあって、自分の「働く」に対する考え方が変化していきました。また、スタッフとも仲良しになり、このゲストハウスの空気感をつくる仕事にも興味を持ち始めました。
 
そのあと私は、下諏訪にあるゲストハウスでヘルパーをしたり、日本中のゲストハウスを
30日間ひたすら巡ったりする日々を送りました。その中で感じたのは、ゲストハウスは、設備や利便性以上に、働く人たちが重要だということ。

今回、私は1166でひとりの男性に出会いました。
高校を中退後、18歳で1166で働く決意をした「なおくん」です。
 
・3月から働きはじめたなおくんは、どうして1166で働くことを選んだのか?
・「好きな仕事」ってなんだろう?
 
この記事では、「ゲストハウス」で働く決断をしたなおくんの話から感じた、働き方の自由さをお伝えしたいと思います!

今回は、話を聞いたのは、このお二人です。
 
写真 右:飯室織絵(いいむろ おりえ)さん
2010年に善光寺門前に引き寄せられてゲストハウスを開業。1166のオーナー。
 
写真 中央:吉川尚輝(きちかわ なおあき)さん
群馬県出身。高校中退後、2018年3月から1166で働き始めたばかりの18歳。
 
写真 左(筆者):堀内菜々実(ほりうち ななみ)
とにかくゲストハウスとカフェが好きな21歳。
 
ではさっそく、インタビューをご覧ください。

高校中退後の進路として、1166で働くことを選んだ理由

ーーまず、高校を中退したあと、なおくんが1166で働くことを選んだ理由を教えてください!
 
吉川尚輝さん(以下、尚輝さん):知ったきっかけは、この本(『ローカル仕事図鑑』)です。ネットでたまたま、おすすめの本として、表示されて。そうなおもしろそうな本があると思って買い、そうしたら最初のページに1166がでてきまして…。

ーー本当に偶然なんですね!
 
尚輝さん:長野市は自分もよく来ていたのだけど、こんなおもしろいゲストハウスがあるんだと初めて知って。気になって、HPやSNSでよく様子をチェックしたりしていました。
 
すると、去年の12月に、1166の求人を大学のセンター試験直前に見つけ、「これは、もしかして運命かも! 応募しないとこの先自分は後悔するな」と思い、応募しました。

ーーすごい思いきり…。織絵さんは、いきなり18歳から応募がきて、驚きませんでした?
 
飯室織絵さん(以下、織絵さん):最初にメールをもらった時に18歳が書いたとは思えないくらいしっかりした内容で。もしかして親が書いているんじゃないかと思ったりもしたんだけど、面接で本人に直接会ってみて、納得しました。
 
ーーなるほど。そんなにしっかりしていたんですね! ちなみに、なおくんは同年代は大学受験をする中で、周りの人とは違う進路選択をしたと思うんだけど、かなり悩んで決めたんですか?
 
尚輝さん:あまり悩みませんでした。1166で働くほうが進学よりもが輝いて見えたんです。
 
ーーかなり直感的な選択! すごいなあ。

織絵さん:実は、なおくんは高校辞めているんだよね。その段階から、 他人とは違う環境にいたんだと思う。自分の人生について悩んだことがあるから、この選択をするのにあまり悩まなかったんじゃないかな。
 
尚輝さん:そうですね。実は、自分の通っていた高校が家から片道2時間くらいかかる場所にあって、毎日通うのが大変で……。
 
ーー2時間! それは大変だ……。
 
尚輝さん:勉強も部活もちゃんと頑張るタイプだったので、遊ぶ時間や睡眠時間を削ってやっていると、なんとかうまくいってたんです。
 
ただ、「このまま、この状態を続けて行ったら自分はどうなるんだろう」という疑問を持ちはじめたんです。そこから体調をちょっと崩して、学校に行ったり、いかなくなったり、ずるずるしてました。そして高校2年生になったとき、学校辞めようと思ったんです
 
ーーそんなに大きな決断を、高校2年のときにしていたんですね。

尚輝さん:高校を辞めたあと、将来どうしたらいいのかすごく不安になりました。これから自分はどう生きていったらいいのか、わからなくて。高卒認定の試験は合格したけど、世間一般的には、「高校中退」や「中卒」っていうとあまり評価がよくなかったりして。
 
ーーそうなんですね。
 
尚輝さん:でも生きていくなら、都会よりは田舎のほうがいいなと思いました。自然が近いところにある場所でないと絶対住めないと思っていて。高校を辞めて、始めのうちは実家が経営している宿を手伝い、生活していました。
 
ーー実家が宿を経営していたことが、なおくんに大きな影響を与えて、1166との出会いにもつながっていそうですね。
 
尚輝さん:そうですね。よく、実家の宿をどうやったら良くしていくのかを考えていて。1166は参考になる部分がたくさんあったので、ずっと追いかけていました。

ーー実家の宿に対する思い入れがとっても強いんですね。
 
尚輝さん:今ここまで話してみて気づいたんですが、自分は、他の人とは全然違う道を歩んでるんだろうなって感じています。
 
ーーちなみに両親は、1166で働く決断に対してどんな反応でしたか?
 
尚輝さん実は、採用が決まってから話しました。
 
 
一同:えー!! そうなの(笑)!!
 
尚輝さん:親には「長野に行ってくるわ!」って言ってここに来たんです。多分、高校をやめてから「もう自由にして」って感じだったんじゃないかな。

ーーちょっと答えづらい質問かもしれないけど、なおくんにとって、「働く」ってどんなイメージ?
 
尚輝さん:うーん……。僕にとって「働くこと」は、自分の生活をきちんとした上で、人に何かをしてあげることかな。
 
まったくお金をもらわずに「働く」ってことは、人間の道理に沿ってないと思っていて。自分勝手に何かをしてあげることとはまた違っていて、相手がいて、自分がいて、双方向で成り立っていくものだと思う。
 
ーーなるほど。

織絵さん:将来は、やっぱり実家の宿を継ぐの?
 
尚輝さん:今の時点では「そういう選択肢もあるな」って思っています。でも完全に決めているわけではないですね。
 
ほかにも、企業や会社に所属しない生き方をしたいと思っていて。将来的には、経営者の道に進むことが合っているようにも感じています。
 
ーーそっか、ほんとにすごいな~。なおくんがこれからどんな大人になるのか、本当に楽しみ。

2人にインタビューするはずが、私もおりえさんから質問されたり、人生のアドバイスをもらったりと、「働くこと」について3人で、じっくりと話をする展開になりました(笑)。
 
 
私は好きな仕事ってなかなか見つけられず
「今の自分でいいのかなー?」
「このままでいいのかなー?」
 
といろいろと考えてしまうことが多く、そんな自分のことが、昔は嫌いでした。
 
しかし、生き方や働き方なんて何通りもある。
それを教えてくれたのが、ゲストハウスでした。
今回の取材を通して、改めて1166は、そんな雰囲気をスタッフとお客さんがつくっている場所であると認識させられました。
 
私は、これからも何回も壁にぶち当たると思います。しかし壁を超えるような「好き」だと思える仕事が見つけられたら、それは人生においての宝物になるのではないかと感じました。
 
さまざまな経験をしながら、心から楽しいと思える仕事を、これからゆっくり自分のペースで探していこうと思います。
 
 
   (写真:北村晃一)

1166バックパッカーズ
〒380-0842 長野県長野市西町1048
電話:026-217-2816
ホームページ:http://1166bp.com/

堀内菜々美
堀内菜々美ナガラボ地元編集塾卒業生

ライタープロフィール1996年生まれ。長野市出身。
専門学校を卒業後、長野市のコワーキングスペースでインターン。長野市内のゲストハウスを訪れたことをきっかけに、ゲストハウスで働くことに興味を持つ。2017年夏には、下諏訪のゲストハウスでスタッフを経験し、その後、全国のゲストハウスを30日間巡る旅を実施した。現在は、飲食店勤務しながら、古民家を活用した新たなプロジェクトを構想中。

 

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