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No.061

金子

敏之さん

どん牛店主

自家製にこだわる住宅街のラーメン店

文・写真 Yuuki Niitsu

「焼きそばらーめん、おしぼりらーめん、レモンらーめん、海津城らーめん、鶏のムニエルらーめん、コーヒーらーめん・・・・・昔はラーメンだけで45種類くらいあったかな」

非常にユニークなラーメンのメニューをポンポンと発する声の主は、長野市皆神台の住宅地にある、どん牛の店主、金子敏之さんです。

「住宅街にあるから、また来てもらうためにはインパクトのあるメニューが必要だったんだよ」
と話すご主人。

どん牛は、昭和55年に奥様の幸江さんの提案で、ご自宅の庭先でオープンしました。オープン当初は、牛丼をメインに作っていたそうです。

「今でこそ、牛丼はメジャーな食べ物だけど、当時は誰も知らなかったから、『なにこれ、すき焼き?』なんて言われて、あまり受け入れてもらえなかったね」
と苦笑いのご主人ですが、牛丼という食文化が全国区になる前に、どん牛では既に、牛丼を作っていたといいます。

「どん牛という名前も、牛丼からきたもの。ひっくり返した方がインパクトあるでしょ」

常に、アイディアマンのご主人ですが、牛丼が受け入れられなかったため次の手段を打ちます。
「どん牛を出す前に、軽井沢で旅館業をやっていたんだけど、その時に出していた味噌らーめんが好評でさ、それでらーめんを始めたのよ。しかも、この辺の住宅街はらーめんの配達がなかったから、配達を始めたら注文が殺到したね」

ここから、どん牛の”らーめん”がスタートします。

お店のメニューは全てご主人が考え、料理は奥様の幸江さんが作ります。

オープン当初は、ご主人がまだ軽井沢で働いていたため、奥さまが料理、接客、そしてバイクによる配達と全て一人でやっていたそうです。

皆神山の麓、住宅街にひっそりと佇むお店。しかし遠方からのファンも多い

「出前の注文が来たときは、お客さんに店番してもらって配達に行っていました(笑)」

当時を振り返る奥様ですが、もともと身体を動かす事が大好きだったため、全然苦にならなかったといいます。

スープは10年かけて作り上げ、麺は粉をこねて24時間ねかせてから打ちます。そして、料理に使う野菜などの食材も全てご自分の畑で作ったものを提供する徹底した”自家製主義”のお店です。
特に驚いたのは、水です。メニューを頼んで、先ずはじめに出される水。これも、自家製なんです。

「水道水なんだけど、臭みのない水にしてから出しています。しかも、ペットボトルに入れて出すから、皆さん『わざわざ、コンビニで買ってきたの?』なんて言うんだけど、うちで独自においしい水にしているのよ」

と話しながら、差し出してくれたお水を飲むと、完全に臭みがなくミネラルウォーターと変わりません、いやそれ以上の美味しさでした。お客さんが間違えるのも納得。持ち帰るお客さんもいるそうです。
このように、ラーメンからお水まで全て自家製のどん牛。

「コストも安く済むし、新鮮なものを提供したい」

というお二人の熱意が伝わってきます。そのため、京都からはるばるラーメンを食べに来るファンもいるそうです。
また、目の前にある川の工事期間中に作業員がお弁当を食べる場所として提供したり、お弁当とカップラーメンを持ってきてお湯だけ借りるお客さんにも気前よく食堂を貸してあげたりする温かいお店です。
そういうお客さんが休みの日に、家族を連れて食事をしに来てくれたりもするそうです。

「商売の基本はお客さん。常に、感謝する。それと、ダメだと思ったら次の手を打つ、引き際が肝心だね」

と話すご主人は、若いころは呉服屋の”丁稚”として商売のノウハウを叩きこまれたといいます。現在、塾の経営者としての顔も持つご主人は、過去には造船業、金融業、旅館業と多くの商売をしてきました。その全てが、現在に活きているといいます。

「とにかく、考えることが大好き。例えば、入院しているときに病室でパッといいメニューがひらめいたりするんだよ。だから、メニューが増えた時は、俺が病院にいる時だな(笑)」

笑いながら話すご主人ですが、中学生の頃からラジオを分解して修理していたそうで、自家製主義はこの頃から培われていたのかもしれません。最近は、ずっと動かなかった古いガーデントラクターを全部分解して修理したといいます。

「この構造はどうなっているんだろうって気になるんだよね。人が作れて俺に出来ないわけがないって思って、気付いたら分解しているわけ(笑)。脳の運動にもなるし楽しいよ」

軽井沢で旅館業を営んでいた時から提供していたみそラーメン

ユニークなメニューを考えるのはご主人。ふとした時に頭に浮かぶという

皆神山の麓の住宅街にひっそりと店を構えるどん牛には、好奇心旺盛なアイデアマンのおじいちゃんと、それを形にする働き者のおばあちゃんが生き生きと暮らしていました。

取材を終えお店を出ると、軒先にもう何十年も乗っていなそうな出前用のカブがありました。もしかしたら、ご主人が修理したカブを奥さまが乗って出前する日が再び訪れるかもしれません。

これがやきそばめん。まさにやきそばのらーめん。食べる価値ありの逸品

(2014/07/29掲載)

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会える場所 どん牛
長野市皆神台52
電話 026-278-7115
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