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No.028

高山

賢人さん

二胡奏者

グラウンドは長野
自分を表現できる二胡で世界へ

文・写真 Rumiko Miyairi

「胸が熱くなって涙が出そう」「気持ちが満たされた」「心が洗われた感じ」

二胡奏者、高山賢人さんの演奏を聞いた方はこんな感想を話します。4月19日、長野市若里にあるカフェで、高山さんのアルバム「On The Road」の発売を記念する演奏会が開かれました。演奏会は高山さん自らがМCをしながら、時折トークも交えて、とても朗らかなひとときとなりました。

今回は約15曲を演奏。初リリースしたアルバム曲のほかに森山直太朗さんの「さくら」美空ひばりさんの「川の流れのように」という親しみある邦楽からカーペンターズの「Close To You」二胡ならではの「賽馬」など、ポピュラーな曲の数々。音楽家仲間のギタリスト高見沢一樹さん、ピアニスト桜井未来さんも加わって二胡とのアンサンブルが楽しめるスタイルでした。

子どもの頃から音楽が好きだったという高山さんが「二胡」という楽器を知ったのは、小学4年生のとき。

「家族みんなも音楽が好きで、テレビで歌番組をよく観ていたんですよ。あるとき、中国の音楽グループが二胡を演奏しているのを観て、そのとき自分も二胡を触ってみたいと思ったんです。その日から二胡のことばかり考えていましたね」

小学生のころ学校で手にする楽器といえば、もっぱらリコーダーや鍵盤ハーモニカだったという記憶があります。音楽会が近づくと普段とは違う打楽器や木琴やアコーディオンなどが増えて、それらに人気が集まる、そんな場面を思い出します。そんな中、二胡に興味を持ち始めた高山さんは当時、二胡が習える教室などなかったので、本を読んで独自に弾き方を学んだといいます。

「音楽の授業は好きでしたけど、学校で教えてもらえるものではなかったので、自分でやるしかないと思いました。友達ともよく遊びましたが、二胡の話はしませんでした。でも家に帰ってくると必ず二胡を触っていました」

ほかの小学生には、まだまだ馴染みの薄い二胡を高山さんは日常の一部のように思っていました。二胡は中国の伝統的な民族楽器で、2本の弦に挟まった弓で弾きます。楽器自体を立てて弾くのも特徴のひとつ。数ある弦楽器の中で人気のあるギターやベースも弾いてみたという高山さんでしたが、たどり着いたのは二胡でした。二胡は自分のイメージしたものに一番近い音が出せる、と感じたからだそうです。

「二胡ははっきりした音階が出せるように工夫されていますが、みんな音色が違うんですよ。もちろん楽器を作った人によっても違いますけど」

「今は僕にとって3代目の二胡を使っています。中学生のころから使っているもの。音色が一番やわらかく感じるので哀愁の帯びた音が出ます。よく使っているから音が馴染んでいるという理由もありますが、これを使っていると気持ちが落ち着きますので」

この一番落ち着くという二胡を使って本格的に始めた演奏活動は、今年で7年目になりました。そして自身で書き下ろした曲「オアシス」も演奏会で弾くようになりました。

「いままでも時間が空けば曲を作ってはいましたが、なかなか聞いてもらえる位にはならなくて」

高山さんの二胡の演奏が間近で聞ける「柿木テラスカフェ・パーシモン」演奏会のひとコマ

今回の「オアシス」を作ったときは、二胡を持ちながら感じるものを、ありのまま表現できたという高山さん。曲を作るときは意欲が湧き集中するといいます。

「自分の出したいイメージが浮かんできたとき気持ちが入りますね。『オアシス』を聴いていただいた方からは、都会の中の静かな所や懐かしい人を思い出せたとか…いろいろな感想をもらっています。そういう聴いた方それぞれの感情を大切にしてもらえるように、と思って作りました」

高山さんは、長野市で生まれ育ちました。

最近では、県外の活動も増えいろんな分野の人との出会いも多くなり「いいな!」と思った人の良い所は吸収したいといつも思っているという高山さん。今後はアーティストとして世界に向けて活動を広げていきたいという意気込みの中に強いこだわりがあるといいます。

「地元から出て活動する機会が増えてから、あらためて地元の良さやあたたかさを感じることが多くなりました。自分自身を育ててくれたのも、これまで土台を築いたのも、この長野という場所なので。原点を忘れないという意味でも、これから活動の場を広げていく上で地元への想いはいつも持ち続けていたいなと思います」

心に響く二胡の音色は穏やかな高山さんのイメージにぴったり

生まれ育った地元を誇りに思える高山さんだからこそ、弾く二胡の音色は聞いた人の胸に響くのだと感じました。地元出身のアーティストとして、これからの自分と二胡との縁を意識しつつこう話します。

「二胡に出会ってこんなふうに活動しているっていう、自分自身の道のりをもっと知ってもらいたいと思っています。二胡自体の魅力も知ってもらいつつ、自分の表現したいものを織り交ぜたい。僕の演奏を聞いてくれた方からは、懐かしいとか、心が洗われたとか、いろんな感想を頂いていて嬉しいです。二胡は癒しの楽器と言われているので、そこも大切にしつつ、音楽としての楽しさも伝えていきたいです」

終始穏やかに応えてくれた高山さん。

最後にニコニコしながら不思議なエピソードを教えてくれました。

「例えば『花』という曲を弾いている時に思いがけず花火がなったり、鳥にまつわる曲を弾き出したら鳥が集まってきたりするんですね。偶然だとわかってますが、僕が弾く曲に合わせて出来事が起きちゃうことがあって、びっくりしますよ(笑)」

4月に発売した高山さんの1stオリジナルアルバム「On The Road」

(2014/06/11掲載)

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会える場所 高山賢人1st オリジナルアルバム「On The Road」

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