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わくわく・共感できる長野の元気情報を配信します!

ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.244

さとう

ひさえさん

Le ciel bleu パティシエール

ライフスタイルとともに変化を見せる
お菓子職人としての仕事

文・写真 くぼたかおり

元呉服問屋さんの住まいだった建物を改修した権堂パブリックスペースOPEN。その一角にあるLe ciel bleu(ル・シエル・ブルー)は、オーダー専門のパティスリー兼少人数制のお菓子教室です。この働き方にいたるまでには、お菓子作りと同様に試行錯誤がありました。

長野は果物の宝庫! 洋菓子に旬を込めて作る

「Le ciel bleu」の看板が掲げられた白い蔵1階の扉を開けると、大胆な花柄があしらわれた壁紙に小ぶりのシャンデリアが際立つ、クラシックモダンな空間が広がります。ここでは月に数回、少人数制のお菓子教室が開かれ、奥には工房があります。
パティシエールのさとうひさえさんは、誕生日や贈答品、ブライダル用ケーキなど、さまざまな幸せの場を演出するお菓子を完全オーダーメイドで作っています。

「私は石川県金沢市の出身で、結婚を機に長野市へ来ました。その時におどろいたのが、果物の豊富さです。それまでアンズは干しアンズしか食べたことが無く、初めて食べた生のアンズの美味しさは、今でも忘れません」

そういった経験もあり、さとうさんの作るお菓子には旬の果物がたくさん使われています。時には気になる農家さんに直接アプローチをして出向くなど、いろんな物事に興味を持つ、勉強熱心な女性です。

「初めて注文してくださるお客様の多くは、ホームページやブログなどから注文してくださいます。そこで発信している世界観に惹かれてくださるようで、ほとんどのお客様が『お任せしたい』と言ってくださいます。本当にありがたいです」

季節の果物をたっぷり使った、色鮮やかなケーキをはじめ、「白と黒」をテーマに作ってほしいという要望を受けて作ったケーキ(撮影:さとうひさえさん)

テレビに映し出された美しい洋菓子が原点に

さとうさんが洋菓子に興味を持ったのは、大学2年生のころに観たテレビがきっかけでした。

「たまたま観ていたテレビで、パティシエの杉野英実さんの洋菓子が紹介されていました。その美しさに、鳥肌が立ったんです」

当時は日本文学を専攻して勉強していましたが、バブル崩壊後の就職氷河期で、将来について模索していました。そこで在学中に洋菓子店でアルバイトを始め、道具の使い方からお菓子の基礎を学び、卒業後はホテルのパティスリー部門で経験を積んでいきました。
その数年後、結婚を機に長野市へ引っ越し、出産、子育てをしながら”子どもがいる女性の働き方”を模索し始めました。

「ある日『シュークリームがうまく作れない』という相談を受けたんです。その時に初めて、私にとっては当たり前の知識が、誰かの役に立つかもしれないと気が付きました」

その後4人目の子の出産を終えてから、自宅でお菓子教室を始めます。自然を間近に感じる静かな環境で学ぶお菓子教室は、日常の慌ただしさから解放されるひと時を演出。しかし子どもの進学とともに、さらなるステップを考えるようになったのです。

お菓子教室でデモンストレーション中のさとうさん。朗らかな会話を続けながらも、お菓子と向き合う時は真剣な表情になる

いつもそばに仲間がいる心強さ

さとうさんの自宅は山間部にあり、子どもたちは長野市内の学校へ通っています。子どもの体調不良で迎えに行かなくてはならない時には、山間部からでは時間がかかってしまう。安心して子どもたちを送り迎えできる環境を兼ね備えた仕事場を作ろうと、ナノグラフィカが主催する「空き家見学会」に参加。そこで中古物件を扱う不動産業者MYROOMの倉石智典さんを紹介され、権堂町にある元呉服問屋の建物を見学。同じようにMYROOMを通してその建物を見学し、活用したいと申し出た11の事業主が集まって組合を結成しました。

「現在のOPENとなった建物を使いたいと集まった人の多くは、初対面でした。最初はうまく行くのか不安な面もありましたが、さまざまな職業の人と交流することで、自分では出せないアイデアやヒントをもらっています」

実際にOPENメンバーがLe ciel bleuのロゴやホームページの制作を仕事として作るなど、異業種の人がそばにいることで物事がスムースに進むようになりました。

「1人で店を出していたら、話し相手がいない寂しさで続かなかったかもしれない。場所をシェアしながら働くというスタイルは、私に合っているようです」

OPEN敷地内の東側に立つ蔵。さとうさんがいる白い蔵は大正時代に建てられたもので、2階にはイラストレーターとデザイナーの事務所がある

50代の夢。それはレシピ本を作ること

最近ではパティスリー・フォトグラファーとして活動をするほか、レシピ開発の仕事なども増えてきました。現在40代前半のさとうさんは、すでに50代になった時の働き方を考え始めています。

「洋菓子という軸はありながらも、年齢や体力に見合った働き方、変化をしていきたい。いつかは自分が考案したお菓子のレシピと、撮影した写真で、洋書のようなお菓子本を作るのが夢なんです」

妻であり、母であり、1人の女性として、変化を恐れずに前進をするさとうさん。その原動力は、一体どこから来るのでしょう。

「私の場合、夫の理解があるから出来ているんです。もし夫をはじめ家族に反対されていたら、家庭をないがしろにしてまでも、今のスタイルを押し通すつもりはありません」

なんとも潔い言葉です。それと同時に、さとうさんの家族の強い絆が感じられます。そうそう、さとう家では毎年家族の誕生日には、二段ケーキを用意するそうです。 そのケーキには、いずれ巣立つ子どもたちの家族の思い出として記憶に残ってほしいという想いがあります。さとうさんが作るお菓子は、大切な一瞬を記憶にとどめてくれる、甘くて美味しい魔法のようです。

さとうさんが撮影したブリュレの写真。お菓子の美味しさを知っている人だからこそ、見せ方を熟知している

(2015/06/09掲載)

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会える場所 Le ciel bleu
長野市権堂町2300 権堂パブリックスペースOPEN内白蔵1階
電話
ホームページ http://leciel-bleu.info/
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