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ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.140

大菅

和彦さん

パティスリー オー・スガ

長年の夢だったケーキ屋さんをオープン

文・写真 Chieko Iwashima

路地裏の小さなケーキ屋さん

権堂アーケードの路地裏にある「パティスリー オー・スガ」は、定年を前に57歳で脱サラをした大菅和彦さんがオープンしたケーキ屋さんです。
昨年10月のオープン以来、シンプルで素朴な味わいのケーキの評判はじわじわと広がり、上田市や中野市など市外から訪れる人も増えてきました。

「定年を迎えてから新しいことをやろうと思っても、とてもじゃないけれど体も精神的にも非常にきついものがあると周りから聞いていて。それだったら、まだ自分の体が動いて、精神的にもできそうだという気持ちがある今のうちにと、思い切って始めたんです」

お店は決して目立つとは言えない場所にありますが、それがこの店を自分だけの特別な隠れ家にしたいという思いをかき立てるのではないでしょうか。

「最初はこんな路地に入ったら人来ないよなと思ったんですが、だんだんよく見えてきました。この場所だからいいと言ってくれるお客さんもいて、ちょっと奥に引っ込んでますが、落ち着いてケーキを食べてもらうのにはちょうどいいかなと思います」

洋菓子界の絶滅危惧種とも呼ばれているたぬきを模したケーキが!バタークリームの味わいが懐かしい

お客さんからも「あまり宣伝しないでね」と言われることがあるそうです。私も取材しておきながら、あまり広まってほしくないなあと思ったのが正直なところです。

ケーキもシンプルですが内装もいたってシンプル。気取ったところがないので、男性の一人客が珍しくないというのも頷けます。

「お菓子は、小さいお子さんからお年寄りまで年齢や性別に関わらず一様に喜んでもらえる一つの料理だと思うんです。そこが一番の魅力ですね」

テーブル4つにイスが10席と、ケーキ屋さんとしては広いイートインスペースを完備。BGMは大菅さんの趣味の1つであるLPレコード

お菓子作りをはじめたきっかけ

高校を卒業後、大学進学を目指して東京で予備校に通っていた大菅さん。しかし、次第に大学で学ぶ意味を見いだせなくなり、そのまま東京で働きはじめました。そのころ働いていた飲食店の人と訪れた店が、お菓子作りに目覚めるきっかけとなります。

「銀座にとある皿盛りデザートの専門店があって、そこで食べたデザートがおいしかったんです。何を食べたのかは覚えてないんですが、ソースがかけられておしゃれにデコレーションされていて、その頃はまだデザートの専門店も珍しかったのでインパクトがありました」

その後、洋菓子の会社に就職。喫茶店経営をしていたその会社で、大菅さんは調理全般を担当しました。

「その会社は、当時は日本全国にお店があって、お客さんが一日中絶えないくらい流行っていました。サンドイッチやフライドポテトもあってテイクアウトもできて、当時としては珍しかったので、いろんなところからお店の視察に来る人もいましたね」

洋菓子作りの経験を積むうち、次第に自分の店を持ちたいという夢を抱くようになりますが、30歳のとき、体調を崩した両親のため長野に戻ることとなります。

「長野に戻ってくるときにお店を出したいとは思っていたんですが、両親と住む家を建てることになって資金もなくなり、お菓子を作れるだけじゃなくて経営方法とかほかにも身につけなくちゃいけないことがあると思って踏み出せなかったんですよね」

長野ではとある会社で洋菓子作りに10年関わりますが、途中で会社の経営方針の転換により、退職するまでの15年は営業職を務めました。

「洋菓子を作る仕事から離れることになったときは不安に思いましたが、それがかえってよかったんです。それまでに経験してこなかった営業経験ができたことで経営の仕方というか売上を積み重ねて収支を計算するといったことがある程度分かってきたこともあって、ゆくゆくは自分の店を出せそうだと思えるようになりました」

定年が近づき、ケーキ屋を出す決意を固めた大菅さん。自作のケーキを女性社員に食べてもらって感想を聞きながら研究も重ねました。ケーキを食べた人からは「おいしいんだから早くケーキ屋さんになったら」とオープンを心待ちにする声も少なくありませんでした。

あの大女優が息子たちのために作っていたとされるレシピをアレンジした「オードリーヘップバーンのチョコレートケーキ」(300円)は、オープン当初より子ども向けの味に変わってきている

作ることを考えるだけでも幸せ

大菅さんがケーキ作りで大切にしているのは、シンプルに作ることだといいます。

「複雑な味のものより、イチゴショートみたいに味わったときに素材のおいしさがダイレクトに伝わるような作り方を目指しています。だからうちのケーキはほかのお店に比べるとシンプルで飾り気のないものが中心なんです」

初めて訪れた人は、ショーケースの中を見て少し地味な印象を受けるかもしれません。でも、シンプルだからこそ口にすると分かる丁寧に作られた味。それは、華やかな花束よりも、路地裏で咲く野花に心が惹かれることがある感覚と似ていると思いました。

プレゼントに購入する人が多い「くまさんのリンゴケーキ」(160円)

「お客さんが食べた瞬間においしいって言ってくれると、やったーって感じですよね。この前のケーキおいしかったからまた同じものを買いにきたよとか言われると、作っててよかったなって思います。実際、お店をやっていくのは大変ですが、次はどんなケーキを作ろうかと一日中考えていられることがうれしいというか、それ自体が楽しいんです」

すべて大菅さん一人の手作り。今後はケーキの種類を増やしながら、軽食メニューも出していきたいそう

(2014/11/21掲載)

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会える場所 パティスリー オー・スガ
長野市権堂町2228
電話 026‐217‐7804
ホームページ http://bizmail.itp.ne.jp/blg/patisserie-aux-suga
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