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No.78

『アソビズム 横町LABO「PLAY & CRAFT」』

ナガラボ編集部のマイフェイバリット

ものづくりを通して、子どもが「得意」と「好き」に出合う場所

文・写真 小林隆史

自分の得意を伸ばすきっかけに

らくがきやおままごと、折り紙や秘密基地づくり……。子どもの頃に夢中になっていた遊びが、今の仕事や暮らしの原点のひとつになっている、そんなことみなさんにもありませんか?
 
「僕は子どもの頃に、ゲームやマンガをつくって遊んでいたことが、今の仕事の原体験でした。夢中になれる遊びを、とことん続けられる環境があったからこそ、今がある。だから “子どもたちが好きなことに打ち込めるものづくりの基地” を長野につくりたいと思っていたのです」
 

そう話すのは、「城とドラゴン」や「ドラゴンポーカー」などの大ヒットゲームを制作する『株式会社アソビズム』の大手智之社長。東京・秋葉原に本社を置き、長野市桜枝町に支社「長野ブランチ」をもつ同社は、ICT共育事業「未来工作ゼミ」を立ち上げ、長野県内を中心に、プログラミングでゲームを作るゲーム開発講座や電子工作などのワークショップ、クリエイティブキャンプ「サマーアドベンチャーキャンプ」などを行ってきました。そして今年6月からは、子どもたちがものづくりに熱中できる場所を開きました。それが「アソビズム横町LABO『PLAY & CRAFT』」です。
 
「ここは、手を使った遊びや工作を通してものづくりに夢中になる、子どもたちの秘密基地。ある小学生がここに通ううちに、中学生のお姉さんがつくった絵本に影響を受けて、教えてもらいながら絵本づくりを始める、なんて光景もありました。そんな風に子どもたちが学び合いながら、好きなことに打ち込むきっかけが生まれていくといいなと思います」
 

▲善光寺の東、長野市横町に開いた「アソビズム横町LABO『PLAY & CRAFT』」。米国ボストンのマサチューセッツ工科大学に視察へ行った際、大学周辺に子ども向けのものづくり施設がたくさんあると知り、感銘を受けたことが場づくりのきっかけとなったそう
 

▲現在は、木曜日と金曜日の夕方、土日のイベントを中心に、小学校1年から中学校3年の子どもたちが通っている。カフェスペースもあり、保護者がここでひと休みすることも
 

▲花型のモチーフを使ったものづくりに熱中する子ども
 
 

手を使うことで生まれる子どもの創造性

「アソビズム 横町LABO『PLAY & CRAFT』」には、小学校低学年向けの『PRIMITIVEクラフト』ルームと高学年向けの『TECHクラフト』ルームの2つの工作室があります。どちらも色とりどりのクラフト素材や道具がたくさん並んだ空間。コンピュータプログラムによるゲーム開発を得意とする同社が、なぜこのようなものづくりの場を始めたのでしょうか?大手さんは話します。
 

▲壁には友だちの作品が飾られて、毛糸や色鉛筆など並ぶ『PRIMITIVEクラフト』ルーム
 

▲ニッパーやハンダ小手、電子工作品などが並ぶ『TECHクラフト』ルーム
 
「『PRIMITIVEクラフト』ルームでは、折り紙や毛糸など、なるべく手を使ったプリミティブ(原始的)なものづくりができる場にしています。そこからさらに、つくりたいものの欲求の幅が広がってきたら『TECHクラフト』ルームで電動器具を使ったり、モーターを取り付けたりする遊びをできるようにしています。まずは、便利なものに頼らないものづくりから。そして、発想が広がるうちに、道具の使い方も覚えていく。まずフォーカスすべきなのは、テクノロジーの上手な使い方ではなく、自分が何をしたいかに気づくことだと思うんです。
これからは便利なテクノロジーに溢れて、何でも上手につくれるようになりますよね。だけど、テクノロジーを使った“上手さ”を身につけることよりも、ものづくりに懸ける純粋な発想をかたちにしてみることを大切にしたいんです」

 
文部科学省により2020年から必修とされた「プログラミング教育」。実際の目的は、プログラマーを育成することではなく、“プログラミング的思考の育成”とされています。現在、『株式会社アソビズム』は自治体の教育委員会と連携して、プログラミング教育の先進事例をつくる取り組みを進めており、大手さんの考え方は今後のプログラミング教育の本質を捉えているのかもしれません。
 

「プログラミング教育は面白くて、先生よりも子どもたちの方が早く習得することもあります。すると、先生が教えるという上下関係ではなく、子ども同士で教えあったり、先生が子どもから教わったりする状況も生まれていきます。ともすると、教育全般に言えることですが、これから私たち大人ができることは、“こういう道もあるよ”といくつかの選択肢を子どもに示すことくらいなのかもしれないと思うんです。
だから、子どもたちには、いろんなものづくりの機会を通して、自分の好きなことに気づき、夢中になるきっかけをつくりたいんです。既存の教育の仕組みを否定するのではなく、既存の仕組みでは収まりきらない子どもの才能を伸ばす、多様な学びの場が増えるといいなと思いますね」

 

 
 
 
<info>
「アソビズム横町LABO」
長野市横町210
(未来工作ゼミ | https://www.futurecraft.jp
 
<お問い合わせ>
未来工作ゼミ事務局
026-238-6780
または「未来工作ゼミ」HPのお問い合わせフォームから

(2018/07/26掲載)

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