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No.18

消防団ポンプ操法大会

長野市消防団 大岡第二分団 福島洋明さんのフェイバリット

男たちの熱き闘い

文・写真 飯島悠太

知ってますか?消防団

地方に行くほど存在が身近になる消防団。田舎には「若者は半強制的に加入させられる」「厳しい規律と上下関係がある」「やたら酒を飲む」といった(なんとなくネガティブな?)イメージが付きものですが、その実態はあまり知られておりません。今回は、そんな消防団の活動に迫ってみたいと思います。

さて、普段は定期的な地域巡回や消火設備の点検などを行っている消防団ですが、有事に対応できるよう、ときには放水訓練も行います。この延長にあるのが、ポンプ操法の大会。毎年、全国各地の分団が日本一を目指して熾烈な闘いを繰り広げます。

6月末、ここ長野市でも市大会が開催されました。市内の各分団は、この日に向けて何ヶ月も練習を重ねます。消防団は一般住民によって組織されているため、平日の練習は夜間や早朝。週4~5回行うという分団もザラです。選手以外の団員もホース巻きや機材の準備等で集まり、一丸となって大会に臨みます。

操法では、整列→水を汲み上げる吸管を水槽へ投入→ホースを仮想火元まで延長→ポンプの操作→放水→水を止める→整列までを、各動作の規律と、吸管延長~放水までの速さで競います。すべての動作はマニュアルできちんと決まっており、採点は項目別の減点法。ポイント挽回の余地はタイムのみと、厳しいルールで行われます。

夜間の練習風景。連夜の疲れを振り切って、ひたすらに勝利を目指す。

小型ポンプ操法

6月26日、いよいよ第58回長野市消防団ポンプ操法大会の日がやってきました。早朝から、各分団が県消防学校に集結。心なしか、どのチームもみんな強そうに見えます。太い腕、厚い胸板、日に焼けた顔はやけにおっかない。いや、これはたぶん気のせいに違いないのですが、でもそう見えるのだからしょうがない。入念にストレッチしている選手など見ると「うわ、速そう・・・」と委縮してしまいます。あぁ、お腹痛い。

そんな緊張をよそに、開会式が済み、審査がスタート。消防操法は小型ポンプとポンプ車の2種類があります。まずは小型ポンプの部から。

小型ポンプ操法では、その名のとおり可搬式のポンプを使用します。選手は指揮者と1~3番員までの4人編成。指揮者の号令で集合し、点呼ののち操作がはじまります。ポンプにホースを繋いで伸ばす1番員。吸管を水槽へ入れる2番員に、ポンプの操作を行う3番員。先端部のホースを伸ばした指揮者が、筒先をもって放水します。すでに幾度かの大会を勝ち上がってきたかのような素早い動作にただただ唖然。その後も、すごい勢いで水が出たままの筒先が指揮者から1番員に渡されるなどトリッキーな動作が続き、目の前の光景を目で追うのがやっとの状態です。頭が追いつきません。

そして、大会はポンプ車操法へと移っていきます。

小型ポンプ操法の様子。ホースは1本。遥か先の前線まで走って伸ばす。

ポンプ車操法

ポンプ車操法は、消防ポンプを搭載した自動車を使って行います。こちらは指揮者に1~4番員までの5人編成。初出場の筆者は、3番員としてこの時を迎えました。心臓はバクバクです。

集合、点呼ののち、ポンプ車操法では一度全員車に乗り込みます。この状態から操作開始。号令とともに車外へ降りると、各自の役割が始まります。3番員の私が吸管を水槽へと伸ばすすぐ後方では、2番員がものすごい勢いでホースを繋いで延長。4番員がポンプを操作し、1番員が筒先を構えて放水します。吸管を設置し終えた私は、“とび”と呼ばれるカギがついた棒を持って前線へと向かい、構えます。

そこで指揮者から「第二線、延長開始!」の号令。そう、ポンプ車操法では2本目のホースが登場するのです。これを伸ばして繋げるのが3番員の役目。号令から放水まではスピード勝負。がむしゃらに走って車まで戻ります。緊張と焦りで周囲の音はかき消され、頭は真っ白。身体が動くままに操作し、気づいたら元の場所に整列していました。どこをどうして終えたのやら、まったく記憶にありません。

結果、小型ポンプ操法では戸隠第5分団が、ポンプ車操法では大岡第2分団が優勝。この2チームに加え、小型ポンプの部の上位5チームが次の長野消防協会ポンプ操法大会(協会大会)へ駒を進めました。7月3日に行われた協会大会では、信濃町、飯綱町、小川村の分団を交えての審査。長野市からは小型ポンプ操法の部で信州新町第4分団が優勝し、県大会への出場が決定しました。7月末、全国大会への切符をかけて強豪がしのぎを削ります。

なお、今年10月には初めて長野市内で全国大会が行われる予定です。アツい闘いをぜひご覧になってはいかがでしょうか。

ポンプ車操法の様子。2本目のホース延長の最中。緊張と焦りで頭の中が真っ白になった。

(2016/07/28掲載)

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