h1タイトル

わくわく・共感できる長野の元気情報を配信します!

ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.02 SPECIAL TOPICS

菊田

裕生さん

上海人家店主

海を渡らずに食べられる上海の幸!

文・写真 新津勇樹

本場上海の味を提供

「本場の上海の料理を味わえるのは、うちだけですよ」

胸を張ってそう話すのは、長野市権堂に店を構える「上海人家」の店主、菊田裕生さんです。
菊田さんは中国の上海出身。15年前に来日し、日本名を取得しました。

上海人家は、本場の上海の味を売りにしているため、中華料理ファンを始め、サラリーマンや女性客からも支持を得ています。毎年10月から翌1月までは期間限定で、本場の料理を食べてもらいたいとの思いから、上海ガニを提供。忘年会シーズンも重なり、この時期は猫の手も借りたいほど大忙しだといいます。

「すっぽん料理もうちの特長のひとつです。まず、丸ごと1匹をお客さんに提供します。すっぽんはコラーゲンが豊富ですし、その姿も見てほしいからです。楽しみながら、身を食べてもらい、そのあと、ダシをとって鍋にして出します。しかも、生きたものを提供しているので、新鮮そのもの。希望する人には、すっぽんの血も用意しますよ」

菊田さんは、とにかく本場の味を楽しみながら食べてもらうということをモットーにしています。

「すっぽんの血を飲むとすごく体が温まるんですよ。真冬に、すっぽんの血を飲んだサラリーマンの方が、ワイシャツ1枚で外に出ても全然寒くないと言っていましたから。もちろん下は履いていましたよ(笑)」

現在、菊田さんと奥さんが中心となりお店を経営しています。上海料理の話になると頬を緩めて生き生きと話す菊田さんですが、オープン当初は苦労もあったようです。

エビと長芋の塩炒め(手前)、ザーサイ(奥左)、特製上海焼き小籠包

日々変わる上海料理

菊田さんは高校卒業後、地元上海で料理人の道を志し、ホテルでシェフとして働きます。

「上海では、料理人になるのが最もポピュラーで、一番稼げるんです。周りの人もほとんど料理人になりました」

上海で生まれた人間として、料理人を目指すことは自然なことと話す菊田さんですが、人気業界そして競争社会ゆえに、変化の連続だったといいます。

「同じ料理でも、作り方や味付けが日々変わるので、情報収集や研究には苦労しましたね。今でも、年に一回は帰国し、研究会に参加していますから」

そんな環境のなかで努力を惜しまず、本場上海の味を手にした菊田さんは2000年に、友人から東京の中華料理屋で働かないかと勧められます。これは上海の味を広めるチャンスだと思った菊田さんは、来日。そこで5年間シェフとして勤め、日本での上海料理の感覚を掴みます。そんな頃、またもや友人の誘いで長野市に移ることになります。

「友人から長野市は働きやすいと聞きました。実際来てみると、東京と比べたら人口は少ないですが、空気も水もきれいで料理を作るには最高の環境だと思いました」

こうして知り合いの不動産に紹介してもらい、長野市権堂に出店することになります。

見よこの生命力!冷凍されていたにも関わらず、開封してから僅か30秒でお皿から脱走

口コミで広がる本物の味

2010年10月にオープンして、5年が経ち、現在は昼夜問わず繁盛していますが、当初はお客さんが数人しか来ない日々が続いたといいます。

「権堂の中でも、ここは人通りが少ないんですよ。しかも一方通行で。正直つらい時期でしたね」

それでも、上海の味は自分しか作れないという確たる思いを持ち、数少ない訪れたお客さんに最高の味を提供します。そんな真っ直ぐな思いは、料理を通し、お客さんの心に伝わり、徐々に口コミで広がっていきます。

「一度来たお客さんは必ずまた来てくれますよ。だって、本物の味を提供していますから」

母国を離れ15年。両親にも年に一回程度しか会えませんが、それでも店を出してから一度、両親が来店し、心の底から美味しいと絶賛してもらったといいます。

「両親も本場の味を知っていますからね。認めてもらった時は、嬉しかったですよ」

この時の言葉が、今でも自身の励みになっているという菊田さん。

今後の目標は、「上海焼き小籠包」の専門店を出すことだそうです。

「上海焼き小籠包は上海の昔からの名物点心のひとつです。うちでも提供しているのですが、作るのが私一人なので、予約制にしています。この味をもっと多くの人に食べてもらいたいので、専門店を出すのが夢ですね」

そのためにはまず、従業員を募集しているということです。

「国籍、性別、経験問わず、真面目に一生懸命働いてくれる人なら、誰でも1から丁寧に指導します」

昨今、歴史問題で大きく揺れ動く日本と中国。しかし一人ひとりを見れば、菊田さんのように食で国をつなげていく人は数多くいます。そんな存在は、今後ますます必要とされていくでしょう。

店内では中国の歌が流れる。海を渡らなくてもここは間違いなく上海だ!

(2015/02/23掲載)

人気投稿

  1. 高野洋一さん うどん たかの店主...
  2. くろやなぎてっぺいさん 映像作家、プランナー...
  3. 三井昭さん・好子さん 三井昭商店...
  4. 秋庭将之さん VECTOR GLIDE(ヴェクターグライド)CEO・代...
  5. 伊藤誠さん、志保さん フィンランドヴィンテージ雑貨と自家焙煎コーヒー「...
会える場所 上海人家
長野市鶴賀権堂町2366青葉ビル1階
電話 026-234-7878
長野市人物図鑑
食の達人 ながののプロフェッショナル 旬な人 魅せる人 まちをつくる・つなぐ人 人物図鑑特集
マイ・フェイバリット・ナガノ
場所 イベント モノ グループ・会社
ナガラボムービー

 
特集一覧ページ