ピラティスで女性の悩みに寄り添い、100歳まで美しく動けるカラダづくりをサポート
大野裕美子さん
STUDIO Menotes 代表
長野運動公園にほど近い場所にある女性専用 医療提携ピラティススタジオ「STUDIO Menotes」(スタジオ メノティス)。代表の大野裕美子さんは証券会社の投資相談チーフ、下着メーカーの支店長、リーディングメイクアップアーティストという華やかなキャリアを歩んできました。50代後半で地元・長野に戻り、なぜ今、この場所でピラティスを伝えているのかお話しを伺いました。
文・写真 くぼたかおり(山庭舎)
国道18号から長野運動公園へと続く県道375号沿いにある「みすずレディースクリニック」。産婦人科を専門に、女性特有のさまざまな身体の不調もフォローしてくれることから、毎日たくさんの人が通院しています。
このクリニックに隣接するのが、女性専用 医療提携ピラティススタジオ「STUDIO Menotes」です。「100歳まで美しく動けるカラダへ」をテーマに、PMS、妊活、産前産後ケア、更年期障害、排泄機能障害といった女性のライフステージに応じたさまざまな問題の解決を、クリニックと連携しながらピラティス運動療法でサポートしてくれるスタジオです。医療機関と連携しているピラティススタジオは全国初! その安心感とインストラクターのたしかな技術から、2023年のオープン以来、幅広い年齢の女性たちが日常的に身体と向き合い、整える時間を楽しんでいます。
Menotosの代表を務めるのは、大野裕美子さんです。東京の大学では経営学を専攻し、卒業後は証券会社の長野支店に入社。結婚を機に再び上京、下着メーカーの支店長として17年勤めましたが、ライフワークとなるような好きなことを仕事にしたいという思いが膨らむように。若い頃からコスメフリークでヘアメイクが好きだったことや、有名なヘアメイクアーティストのマネージャーとつながりがあったことも影響して、ヘアメイク専門の事務所を立ち上げました。
「好きなことを仕事にしたいという思いからキャリアチェンジをして、数人のヘアメイクアーティストさんを有する事務所をつくりました。東京の出版社などさまざまな媒体とお仕事をしていたんです。最初はマネージメント業務に専念していましたが、次第に私もメイクの仕事をするようになって、本も出版したんですよ」
顔立ちや表情から性格や運勢などを読み解く人相・観相学という学問があります。それを現代の生活に取り入れやすくしたフェイスリーディング法をもとに大野さんが生み出したのが「大野裕美子の開運メイク®」です。リーディングメイクアップアーティストとしてパーソナルレッスンや開運メイクのアドバイス、養成講座なども全国で開催。その極意をまとめたのが「人生を変えるお顔のつくり方 心に効く開運メイク」です。
「36歳の時に交通事故で顔面損傷をしました。入院中に相貌心理学を通じて『顔と人生観』の深い繋がりを探求しました。顔と心は繋がっていることから、人生を好転させる開運メイク理論を発表。それが次のステージに私を引き上げてくれたのです。まさに、人生万事塞翁が馬を体感する経験でした」
本の出版も影響して、ヘアメイクの仕事はますます順調に。しかし現場は立ち仕事や重労働が多く、慢性的な腰痛に悩まされるようになります。
「40代になってからは更年期特有のめまいや指の節々が動かしにくいメノポハンドの不調も現れ始めたんです。これまで快適に乗り回していた車が、急に燃費の悪い別の乗り物に変わってしまったかのような感覚でした。NPO法人更年期と加齢のヘルスケアで更年期について学びを深めていくと、運動をし続けることが大切だと知ったのです」
そこからホットヨガやフィットネスなどいろんな運動を試してみるものの、自分が納得できる運動になかなか出合えずにた大野さん。そんな時に目にしたのが、近所に新しくできるというピラティス・スタジオのチラシでした。
ピラティスとは、ドイツ人のジョセフ・ハベルタス・ピラティスがつくったトレーニング・メソッドです。ジョセフは幼少期から身体が弱く、それらを克服しようとさまざまな運動療法に興味を持ち、研究してきました。その後サーカス団に入り、巡業先のイギリスで第一次世界大戦が勃発。ジョセフは抑留されてしまいます。そこで看護師をする中で、負傷兵が寝たままでも負担なく運動やリハビリをできるように改造したのが、ピラティスマシンの原型でした。のちにジョセフはアメリカに渡り、ニューヨークでスタジオを開設。以降、多くの人がピラティスに親しんでいます。
「更年期とヘルスケアという社会課題に関心を持ち続けていて、そんな時にたまたま出合ったピラティスが、その問題解決の糸口になるのではと考えました。その頃にはヘアメイクの仕事をひと区切りにしようという思いもあって、“動く瞑想”と言われるピラティスのメソッドに興味が湧いた私は、本場のニューヨークに行くことを決めたのです」
実際にジョセフ・ピラティスが開設したスタジオに行ってみると、10代から高齢者まで幅広く、思い思いに身体を動かしては帰っていく人たちの姿がありました。近所の人たちが日々の食材を買いにスーパーに出かけるような雰囲気で日常的にピラティスに通っていることに衝撃を受けたと言います。
「日本でピラティスに通っていると言ったら、意識が高い人やおしゃれな人が行くというイメージがあるかもしれません。アメリカは日本とは保険制度が違って医療費が高いので、予防のために運動をする習慣があるんです。運動ができるスタジオは各ブロックごとにあって、それこそ誰もが徒歩で通える。日常の中に運動が根付いているのが、とてもいいなって思ったんです。病気になってから身体と向き合うのではなく、予防医療としての運動として、ピラティスをより本格的に習得したい思うようになりました」
スタジオで一流の指導者たちの教えに触れ、単なるエクササイズではない、解剖学的な根拠に基づいたピラティスのメソッドを体感した大野さんは、ピラティス国際ブランドのBasi国際指導者資格を48歳で取得しました。
「脊髄管狭窄症を患っている母を、ピラティスでなんとかしてあげたい。そんな気持ちが資格を取る原動力になっていました」
こうして2023年10月1日にオープンした女性専用 医療提携ピラティススタジオ「STUDIO Menotes」。スタジオ名となるMenotes(メノティス)は、メノポーズ(閉経)とピラティスを合わせた造語で、更年期の不調やPMS、産前産後の身体づくり、乳がんをはじめとする術後のリハビリ、尿漏れや骨粗鬆症など高齢者のリハビリとさまざまな年代の女性の身体に伴う変化に寄り添い、機能改善を目的にしたピラティスエクササイズを提供しています。大きな負担をかけずに軽い重みを利用しながら運動するピラティスは、骨盤底筋やインナーマッスルを強化し、ゆっくりとした呼吸を続けながらエクササイズすることで自律神経を整えてくれるなどの作用があります。
「女性には年代ごとにさまざまな変化があります。私の場合は更年期に心身のバランスを崩した経験があったので、更年期を人生の下り坂として怖がるのではなく、自分の意思で体をコントロールして、より豊かに生きるための手助けをしたいと考えているんです」
Menotes最大の特徴は、なんといっても全国初となる医療提携スタジオにあります。スタジオは義理の弟が営む「みすずレディースクリニック」に隣接し、産婦人科や整形外科との密な協力体制を築いています 。さらには長野県唯一の公式ホストスタジオとして、ピラティス国際ライセンス資格取得が可能なトレーニング・センターとして登録。指導者育成にも熱心に取り組んでいます。スクールに通う人の中には理学療法士や作業療法士といった国家資格を保持する人も多く、機能改善に役立つものとしてピラティスを学んでいます。
「術後に手が思うように上がらない、ひきつれて痛いといった不自由を我慢している方がたくさんいます。私のスタジオでは機能改善やリカバリーにも力を入れているので、藁にもすがる思いで遠方から通ってくださる方も少なくありません。今いるインストラクターにも、乳がんの手術を経験した女性がいるんですよ」
自分の心身を知り、正しく整える術を学ぶことは、自分らしく歩むための支えになるはずです。ピラティスで呼吸を整え、自分の意思で体を動かし続ける第一歩を、Menotesから始めてみませんか。
(2026/03/26掲載)
ハラヒロシさん
クリエイティブディレクター、デザインスタジオ・エル代表取締役次の記事がありません。