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「働く」をひらく場所—TERMINAL51°という選択

TERMINAL51°さん

TERMINAL51°

メインビジュアル

長野市役所から国道19号を東へと車を走らせ、守田神社入口の交差点を越えて少し進むと、右手に姿を現すのが「TERMINAL51°(ターミナル・ゴーイチ)」。この場所は、1946年創業、紙の卸の老舗・水島紙店の旧社屋をリノベーションした、コワーキングスペース&シェアオフィスです。紙とともに時代を歩んできた建物はいま、人と人が出会い、働き、語り合う場所として新たな命を吹き込まれています。

文・写真 碓井綾乃(文)、吉田淳子(写真)(株式会社ビー・クス)

「紙屋」がたどり着いた、もうひとつの“出発点”

戦後から印刷業が盛んに営まれ、かつて“本と印刷のまち”と呼ばれた長野市も、時代の流れとともに紙の需要は年々減少の一途をたどっていきました。水島紙店も例外ではなく、業績の低迷は避けられない状況の中、同社4代目の水島康明さんは、手持ちの商材の中で店舗やイベントで使用する「紙袋」に着目し、2018年に「手提屋(てさげや)」というブランドを立ち上げ、オーダーメイドの紙袋製作事業を開始します。使い捨てではなく、思わず持ち帰りたくなるような“伝わる紙袋”をつくることで、商品そのものだけでなく、顧客のブランド価値を高めることができると考えたのです。
 

事業を通じて直接お客さまと接するようになると、水島さんの中に新たな想いが芽生えたといいます。
 

「これまで関わることのなかった地域の人たちと出会い、その言葉に耳を傾けていくうちに、『みんな本当にがんばっているのに、横につながる仕組みや語り合える場所がない』と気づいたんです」
 

そこでかねてから構想していた自社事務所の紙袋ショールーム計画を発展させ、ビジネスの拠点としてコワーキングスペース&シェアオフィス事業を着想。当時はコロナ禍による働き方の改革や、国の事業再構築補助金対象事業に採択されるなどさまざまな後押しもあり、2023年3月に「TERMINAL51°」が誕生しました。
 

TERMINAL51°を運営する株式会社水島紙店 水島康明社長

それぞれの目的地を目指して、人々が行き交う経由地に

かつて紙を保管していたドーム型の倉庫は“格納庫”、業務の中枢を担ってきた事務所は“管制塔”、そしてコンテナが往来する社屋前の私道は“滑走路”に見立てられ、そこに人やモノが行き交う風景が重なっていくうちに、この場を「旅の経由地」とする構想が芽生え、「TERMINAL51°」と命名したそう。「51」はこの土地の地名「高田五分一(ごぶいち)」にちなんだ意味が込められています。キャッチコピーは、「目的地は、より良い未来。」
誰かの挑戦が始まり、誰かの思いが交差し、また別の誰かが飛び立っていく。そんな人の流れや物語が生まれる場所にしたいという想いが、「旅」というコンセプトを支えています。
 

1,800坪の広大な敷地には、滑走路を思わせるこんな私道も。

多様な過ごし方が交差する空間

1階の一部と2階はシェアオフィスとしてさまざまな事業者が入居し、自由な働き方を支える場となっています。
1階には、開放的な空間で自分のペースで作業ができるフリーエリア、オンラインミーティングに集中できるフォンブース、小規模な打ち合わせやワークショップに最適なミーティングルームなど、多様なスペースがあります。ひとりで黙々と集中したい日も、顔を合わせて語り合いたい時も、用途や気分に合わせて選べる居場所が、訪れる人の時間に寄り添います。
 

柔らかな日差しが差し込むフリーエリアは開放的な空間
要予約でミーティングルームも使用可能です
フリーエリアの一角には、水島さんの蔵書を自由に手に取れるライブラリーも

懐かしさと新しさが共鳴する、心地よい空間づくり

築数十年の社屋を活かした空間には、どこか懐かしさが漂います。
「ビンテージのインテリアが好きで、机などは自分で買い付けました。
キッチンの写真は、祖父が旅先で撮ったものなんです」

 

梁やレトロな建具など水島紙店の面影を静かに宿しながら、1950年代にアメリカで流行した「ミッドセンチュリー」スタイルのインテリアが自然に調和し、居心地の良い空間が生まれています。
 

洗練されていながら、どこか落ち着く空間が広がります

また1階には自由に使えるシェアキッチンがあり、オリジナルブレンドのコーヒーや軽食が無料で楽しめます。職種や世代の異なる利用者たちが、ふとした瞬間に言葉を交わすきっかけとなる場所でもあります。時には会員主催で、スパイスカレーの会やワイン試飲会が開かれ、自然な交流の中から、新しいアイデアやつながりが生まれることも。TERMINAL51°は働くだけではない、共創する場所としても日々育まれています。
 

「多様な職種の会員さんが利用してくれていますが、皆さん優しくてフレンドリーな方が多いですね。仕事や年代が違っても、この空間が好きで、求めるものや価値観が似ているから自然と和が生まれているのだと思います」
 

コーヒーをはじめ、種類豊富なドリンクを提供しています

未来に向かって、人と人がつながる場所として

水島さんはこの場所を単なる仕事場としてだけなく、世代や業種を超えてさまざまな人が集まり、交流しながら新しいアイデアや挑戦が生まれる場所として機能させたいと語ります。人が集まる場所から仕事が生まれる場所、さらには地域づくりに広がる場所へ。変化の多い時代でも、人と人とのつながりを大切にしながら、それぞれの夢や目標を応援する場所として、TERMINAL51°の存在感はこれからさらに大きくなっていくでしょう。
 

会える場所

TERMINAL51°

長野市高田五分一420

ホームページ:https://terminal51.jp/

ホームページ:リンクはこちら

営業時間:9:00~23:00
月会員は7:00から利用可
ドロップインの入店締切21:00
年中無休

施設利用にかかる料金は、下記の通りです。
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ドロップイン(一時利用)
料金:550円/2時間ごと(都度払い)

月会員プラン(事前受付必須)
自由席プラン:11,000円/月
指定席プラン:16,500円/月

法人会員プラン(事前受付必須)
ライトプラン:22,000円/月
同時利用3名まで可能。
スタンダードプラン:33,000円/月
同時利用4名まで対応。

シェアオフィス会員(事前受付必須)
月額55,000円〜(満室時あり)
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専用アプリ「knotPLACE」で、利用登録から予約・決済まで行えます。
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