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中田 愛理さん・塩原 香里奈さん・福沢 日和さん 岡学園トータルデザインアカデミー

中田愛理さん

塩原 香里奈さん

福沢日和さん

岡学園トータルデザインアカデミー

メインビジュアル

名鉄百貨店・「ナナちゃん人形」を“ながの色”に彩る!学生たちの挑戦

文・写真 半田 莉幸(株式会社ビー・クス)

名古屋市の「名鉄百貨店」にある大きなマネキン人形「ナナちゃん」をご存じですか?
身長6m10cm。待ち合わせ場所にも最適な百貨店のシンボルマーク・ナナちゃんは、季節に合わせて水着やドレスに着替えたり、人気アニメやミュージシャン、企業、自治体とコラボしたりと、年間約40回ものお着替えをしています。

そんなナナちゃんを飾る洋服と、ナナちゃんが設置されている通称「ナナちゃんストリート」の空間装飾デザインに、長野市にある「岡学園トータルデザインアカデミー(以下、岡学園)」の学生3名がタッグを組んで制作した作品が採用されました。

これらは2024年11月13日(水)~19日(火)に名鉄百貨店で長野市が主催する「長野大物産展」で飾られるもの。物産展期間中は、名鉄百貨店に信州の名産品が集合。りんごやぶどうなどのフルーツをはじめ、おやきやお酒といった「信州の逸品」を名古屋に向けて発信します。


▲ナナちゃんの洋服をデザインした中田愛理さん(真ん中・ファッションスタイリングコース 2年)、壁面装飾ほかナナちゃんストリート装飾用のグラフィックデザインを担当した塩原香里奈さん(左側・グラフィックデザインコース 2年)と福沢日和さん(右側・グラフィックデザインコース 2年)

長野市×岡学園トータルデザインアカデミーの共同プロジェクト

イベントのビジュアル制作のため、岡学園が長野市農業政策課からデザインの制作依頼を受けたのが2024年5月のこと。「果樹産地であることがPRできるデザイン」かつ「長野市のブランドロゴをモチーフとして使用する」というオーダーを受け、学園内コンペを開催。グラフィックデザインコースとファッション科の学生がタッグを組んでコンペに臨みました。


▲長野市と岡学園はデザイン連携協定を結んでおり、産官学共同プロジェクトに取り組んでいます。プロジェクトでは、若者の育成や地域活動への参加を促すとともに、「地域の魅力発信」や「長野ブランドの発展」を目指しています。

ナナちゃんに自分の洋服を着てもらうのが夢だった

「私がデザインした洋服をナナちゃんが着てくれたら、本当に嬉しいと思って」(中田さん)
そう語るのは、ナナちゃんの洋服をデザインしたファッションスタイリングコース2年の中田愛理さん。普段から名古屋に遊びに行くことが多いという彼女にとって、ナナちゃんは小学生の頃から身近な存在でした。「こんなチャンスはない」と参加を決意したそうです。

デザインのポイントは「チェック柄」。

「果樹産地であることをアピールするためにフルーツをモチーフとして使いたいと思っていましたが、子どもっぽくならないデザインにするために苦戦していました。そこで思いついたのが『チェック柄』。秋らしさも伝わるし、今回のテーマにもピッタリだと考え、柄として取り入れました」(中田さん)


▲福沢さん・塩原さんが一目ぼれした初期段階のデザイン案。この時点ではチェック柄が細かく、シックな印象。

長野の名産である「りんご」をはじめ、さまざまな名産品をモチーフにした赤と緑の市松模様のワンピースに、りんごの形のベレー帽。靴下には長野市のブランドロゴをあしらい、靴はりんごの樹を彷彿とさせる茶色いブーツ。

「本当はそばをモチーフにした“蕎麦ッグ”も持たせようと思っていたのですが、名鉄百貨店さんから『安全上のリスクがある』とNGが出てしまいました(笑)」(中田さん)

ひときわ目を引いたレトロなデザイン

中田さんのワンピースのデザインに目を引かれ、タッグを組むことを決めたのがグラフィックデザインコース2年の塩原香里奈さんと福沢日和さんでした。

「とにかくレトロでかわいい!と、一目見て気に入りました。このデザインを生かすにはどうすればいいのか、自然とアイデアが浮かんでくる感じでワクワクしました」(福沢さん)

過去の物産展の出店情報を調べ、ワンピースのフルーツ柄だけでなく、「おやき」や「ワイン」、「自然」など、長野らしい要素を加えて幾何学模様に再構成。グラフィックデザインに落とし込みました。

「いつもは先生から出された1つの課題に対して制作を進めることが多いのですが、今回は『長野市からのオーダー』と『ワンピースのデザインを生かす』という2つの課題があり、両立させるためにはどうすればいいのか悩みました」(塩原さん)

7月に行われた中間審査会では、長野市農業政策課の方々に向けてプレゼンテーションを行いました。「もう少し柄が大きい方がいいね」「今回はこのモチーフの商品がないから、はずしてください」などとフィードバックを受け、さらなるブラッシュアップを重ねました。

そして個性あふれる16チームのデザインが揃う中、大人っぽさの中にも可愛らしさのある、3人のデザインが採用となりました。

「グラフィックデザインを作るうえで大切にしてきたのは、『全体の統一感』です。あくまでも主役はナナちゃんなので、長野市のブランドロゴなどポイントになる色は取り入れつつも、全体がナナちゃんストリートに馴染むよう仕上げました」(塩原さん)

「さらに統一感を高めるため、ワンピースに使っているモチーフはグラフィックデザインに合わせて調整しています」(中田さん)

「審査会でも、空間全体が調和している点を評価していただけたようです」(福沢さん)

「長野大物産展」は来週11月13日(水)から!

3人が制作した衣装と空間装飾デザインは、2024年11月13日(水)~19日(火)、名鉄百貨店で展示されます。3人はオープニングセレモニーにも参加予定です。

「夢が叶って本当にうれしいです。長野に興味を持ってくれる人が増えるように祈っています」(中田さん)

「県外の物産展は、実際にその地に行かなくても名物が買える貴重な機会。これを機に長野に足を運んでもらいたいです」(福沢さん)

「名古屋の人にも観光客の人にも興味を持ってもらえたら嬉しいですし、物産展を見ることで、自分自身も長野市の良さを実感したいと思います」(塩原さん)

長野から日本へ、そして世界へ!長野の学生の皆さんの今後が楽しみです!

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