FEEL NAGANO, BE NATURAL
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T0P

ながのを彩る人たち

記憶にないほどに

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こんにちは!川中島地区担当の地域おこし協力隊、許山です。春の兆しを感じていた4月初旬から、あっという間にGW、初夏のかおりが漂う5月へ突入です。 4月は子どもたちの入園に新しい作業がたっぷりで、記憶が吹き飛ぶほど充実した1ヶ月を駆け抜けました。

4月の活動は

着任してからの3ヶ月間、桃の作業としては“剪定”がメインでしたが、4月は“はじめまして”の作業が色々ありました!

春の陽気と共に、芽吹き花開く桃の木々。
大きく膨らんだ蕾を集めて、花粉だけを採り、人工受粉させる作業。
木々の成長とお天気を見計らいながらの消毒作業。
いよいよ始まってしまうのか、、と感じる、草との熱い熱い戦い。

言葉にするとなんてことないような作業も、いざやってみると、たくさんの手間暇や理論がありました。

人工受粉のために集めた桃の蕾
機械で取り出した桃の花粉

蕾を集めて花粉を採って人工受粉する。
実は、“川中島白桃”は花粉が少ない品種。だから、効率よく実を成らせるために、受粉のお手伝いをしてあげる必要があります。

わたしが研修している桃畑では、“あかつき”という品種の花粉を採って、受粉させました。

ハタキに花粉を付けて
実らせたい場所に花粉をつけます
我が家の悪戯小僧は末っ子に花粉付け

草刈りひとつとっても、時期によって刈り方が変わります。
4月はなるべく短めに刈って、地面に太陽光が当たりやすくします。これは、地温をあげるためです。

長野市の4月は、まだまだ遅霜の可能性があります。この時期の気温の低下は、桃の生育にとって大きなダメージを与えるものになります。
そのため、桃農家のみなさんは翌朝の気温にはとても敏感なのです。
凍霜害対策の講習も開催されるほど、とても神経質になる時期なんですね。

この観点からも、草刈りで地温を少しでも上げておくのは大切な農作業になるそうです!

農家のマリオカート!乗用草刈機

心に残ったひとこと

受粉作業を一緒にしながら聞こえてきたある言葉が、ずっと心に残っています。

「昔は虫たちがい〜っぱいいて、これ(受粉)を自然にやってくれてたんだよな〜。でも今は、薬使うから虫も減ったんだよな〜」

と。

薬を使うことは、悪ではない。
と思う。

現状、桃の無農薬栽培は難易度が高いと言われているし、
農家は1年に1度の収穫のために、1年間心を込めて、手間暇を惜しまずおいしい桃を届けるために栽培しています。そして、できた桃をお客さまに届け喜ばれることで作り手の生活が支えられています。

だけど

諦めずに減農薬・無農薬栽培への一歩も踏み出していきたいと、気持ち新たにした言葉でした。

川中島ってこんなとこ

川中島町で作る桃は、
だだっ広〜〜〜い土地に、桃畑が広がる風景とはちょっと違って

住宅地の中に、桃畑が広がっています。

路地を一歩入ると、住宅と桃の木々が並んでる。

そんな風景です。

桃畑の隣は住宅地

この、その土地に住まう人たちと桃が近くにあることに、最初は驚きがありました。
でも、今ではこの近さが、“川中島町の桃”“暮らしの中に当たり前にある”という地域の価値観になっているんだろうなと思っています。

普段自分たちが口にする物が、どんな人たちによって、どんな風に作られているのか、
それを日常的に感じられることは、生産者と消費者を繋ぐ大切な役割だと思います。
でも、
住宅地で栽培するということは、消毒作業で住人と話し合うこともあります。

「こんなとこで栽培するな、もう木なんて切っちまえ!」

と言われることだって、、

切なさと共に感じる、申し訳なさ。
もどかしい思いをしている農家さんはたくさんいるのだろうなと思います。

今、農業初心者で、何もわからないからこそ抱ける想い。

“減農薬・無農薬で栽培したい”

きっとこの先、この栽培に挑戦していくにつれて、挫折しそうになることもあると思います。
でも、その度に

桃畑が暮らしの一部としてある川中島が、もっともっと、そこに住まう人と桃が心地よく暮らせる町になれたらいいな

そう思ったこの4月を想起し、また奮起できたらいいなと思っています◯

おいしい桃を作るのは、絶対!
だけどそこに、悲しむ人や苦しむ人があるのは違うと思うから今できることから。

まずは川中島でも多くの農家さんが取り組んでいる

“コンフューザー”

という、性フェロモン剤を使ったトラップで減農薬への取り組みを学びました。
できることからコツコツとやっていきます!

野菜作りもはじめました

3月までに集めた剪定で出た丸太や朽ちた木々。
これを使って今注目を浴びている?菌ちゃん農法を始めました。

菌ちゃん農法でもいくつか畝の作り方があるようですが、桃の栽培と並行してスムーズに畑ができるように“10年使える畝”を作ってみました。
これから、桃の作業が忙しくなっていくので、雑草対策に畝間には草マルチを置いて、少しでも対策になることを願って、、!!

菌ちゃん畝
草マルチ

菌ちゃんの畝は、2,3ヶ月寝かせておく必要があるのでこのまましばらくお休みさせて…zZzzz…

春蒔き用の畝もいくつか作り、じゃがいも、人参、水菜、ルッコラ、二十日大根など、少しずつ種蒔きも始めました。
5月には、カボチャ、さつまいも、ズッキーニ、トマト、、色々種蒔きしようと思います♪

地域の中には野菜を作るコミュニティがあり、そこで野菜作りや機械の使い方などを教えていただいています。
お米作りもしているそうなので、これからの活動が楽しみです♪

今年度の野菜のコミュニティがスタートしました
子どもたちも一緒に参戦

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