篠ノ井信里生活1年2か月目 2025年2月20日
那須野 佑樹 篠ノ井信里地区担当
ご無沙汰しております。 篠ノ井信里地区の那須野です。 今年の長野は雪が少ない・・・?なんて思っていたら2月はしっかりと降ってくれて、 有旅ワイナリーの圃場も、しっかりと雪深くなりました。 個人的には、雪の中の作業も季節を感じられる瞬間なので、年に数回くらいなら経験するのはうれしいものです。
2025年2月18日、有旅ワイナリーで初ヴィンテージとなるワインの瓶詰を行いました。
長野市初のワイナリーが、長野市で初(たぶん)の瓶詰です!
そこで、瓶詰め前準備から瓶詰まで、有旅ワイナリーではどのようにやっているのかを紹介していきたいと思います。
まずは、750.0gの水をランダムに選んだ瓶10本分、すべてに入れていきます。
その後、10本分すべての空寸(液面から瓶の入口までの長さ)を確認して、空寸の平均値をとります。
まずは、前提として瓶には微妙に個体差があります。
同じ分量を計量して入れたとしても入味線は異なる場合があります。
日本では、ワインの瓶詰時に『入味線』と呼ばれる、瓶の方(ボトルネック下部)当たりの一定ラインを基準に充填することが一般的です。
これは、見た目の統一感を重視する文化や、販売時の消費者への印象を考慮した慣習によるものです。
一方で、海外(特に欧米)では、入味線が多少異なっても液体の正確な容量(750mlなど)を優先する事が多いです。これは、計量基準や法規制において『表示通りの容量が入っていること』が最も重要視されるためです。
そのため、同じロットのワインでも、瓶ごとに液面の高さが若干異なることがありますが、それは問題視されません。
日本の方法は、見た目の統一感を重視するため、美観を保ちやすいですが、ワインの個々の瓶の内容量に若干の誤差が出ることがあります。
一方欧米方式は内容量の正確性を優先するため、見た目のばらつきがあるものの、公正な取引の観点では合理的と言えます。
なんてあたかも日本は容量がバラバラなように書きましたが、
日本の酒税法で容量に関する誤差は、±1%と決められていて、750mlのワインボトルなら±7.5mlの範囲内(742.5ml~757.5ml)は法的に許容されています。
この数字だけ見ると多いものと少ないものの差が15mlもあり不公平感はでそうですよね。
しかし、有旅ワイナリーでも瓶の個性によって、1cmくらいの誤差はでますが、
ヘッド部分の1cmの誤差ならだいたい2mlもいかないくらいですし、平均値をとる事によって、750mlの±1mlくらいには抑えられている計算となります。
ちなみに下記画像は、750mlの水の空寸の誤差です。瓶の口から液面までの長さに差がある事がわかります。
この空寸の長さの平均値を測ったら、今度は入味線が割り出した平均値になるように瓶詰の機械を調整します。
その後、機材の消毒などをして、準備は完了です。
瓶詰の流れとしては以下の通りです
1.瓶を洗浄して、中の水を飛ばすイメージで瓶内を窒素で満たす(画像左)
2.事前に入味調整した瓶詰機で瓶内にワインを充填する(様子は見えないですが画像右)
3.充填したワインの上部に酸化を防ぐために窒素を入れ、溶存酸素をできるだけ減らす。
その後機械でキャップをする。
4.万が一瓶の外にワインがつくとそこからカビてしまうので、水で洗い流し、瓶をしっかりと拭いて、メッシュパレットに格納する
そして瓶詰完了したのがこちらです。
リリース前にラベルを貼るまでは、製品庫で寝かせておきます。
6月末(予定)のリリースまでしっかりと寝て元気に育ってください。
話は変わって、2月9日に地域おこし協力隊の全国サミットに行ってきました。
今年の会場は東京ミッドタウン。
昨年は全国の皆様とあまり交流できなかったので、今年は積極的な交流を目標に。
ワインじゃなくても、とりあえず農業ミッションのぶどう仲間を増やしたくて参戦しましたが、
思いがけず今年は各地域のブースの中に3地区、ワイン系の内容がミッションのブースがあったため、張り切ってお話を聞きました。
2地区のお話を聞いたところで、基調講演が始まっている時間だったことに気づき、あわててそちらに行ったためもう一つの地区のお話は聞けませんでしたが、
それでも、青森県八戸市と千葉県銚子市の方それぞれのワインミッションの話を聞くのは非常に興味深く勉強になりました。
2月1日に、軽井沢プリンスホテルで、GI長野ワインフェスという催しがあり、
有旅ワイナリーの栽培・醸造責任者の田中上長とともに参加しました。
こちらでは、あわせて30社、約100種類のワインが作り手の方々とともに出されていて、
作りての思いを聞きながら長野ワインをティスティングさせてもらいました。
有旅ワイナリーは今年、初ヴィンテージをリリースするので、来年は出店者側で参加できるよう頑張ります。
2月に入り、ようやくまとまった雪が降り、
ぶどう畑も真っ白に染まり、雪も30cmくらい積もりました。
この記事を書いている現在、我が家は室内でも暖房を焚いていない場所の温度は2℃。
本日の最低気温は-6℃で、今週末は平地でも最低気温-8℃とのことなので、信里では-10℃も行くかもしれません。
そんな寒い地域ではありますが、地域の人たちは本当に温かいです。
先日、ご近所さんからお蕎麦と刺身コンニャクをいただきました。
収獲したお蕎麦を、当日に打って持ってきてくださったのです。
打ちたてのお蕎麦だったので、その日の夜すぐに茹でて、いただきました。
寒い冬でも、ストーブをガンガン焚いた暖かい部屋で、打ちたてのそばを冷たい水でしっかりしめていただく。
贅沢な時間でした。ごちそうさまでした。
(2025/02/20掲載)
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