長野市復興だより

アップルラインの
持続的で創造的な復興を目指して

フルプロ農園徳永虎千代さん

長野市内に点在する15の畑を管理しているフルプロ農園では、13の畑が浸水被害を受け、事務所兼倉庫も1階屋根部分まで浸水。年間収入の8割を占めるサンふじのほとんどを失った。農家の担い手不足の解決のため、生産性を3倍上げる「高密植栽培」という新しい栽培方法 を導入するなど、『課題解決農家』として活動を続ける徳永さんに復旧・復興の現状と課題を伺った。

災害を通してつながった人との縁

私たちの畑の大部分は、幸いにも泥の量が少なく、ボランティアの皆さまの支援のおかげで、早いペースで復旧が進み、既に来季へ向けての栽培が始まっています。友人知人はもちろん複数の支援団体からの継続的なボランティア活動のおかげで復旧のスピードが上がり、本当に感謝しています。災害がなければ出会わなかった人との繋がりができたことはありがたいことです。

ボランティアとの堆積土砂除去作業

長野アップルライン復興プロジェクト

復旧作業を進める一方で、被災後すぐに計画したのが、クラウドファンディング(以下、CF)による資金集めでした。CFの目的は、資金調達だけでなく、社会的関心を集めることにありました。“多くの方々とともに、復興の第一歩を踏み出したい”という想いから、アップルライン沿いに農園を持つ若手りんご農家に呼びかけ、「長野アップルライン復興プロジェクト」を立ち上げて実施しました。11月12日に募集を開始し、目標金額1,000万円を遥かに上回る1,150万円、1,039人からの資金を集め、12月12日に募集を終了。現在、りんご以外のリターンはほぼ完了しています。小平奈緒さんやグレート無茶さんなど著名人がSNSでシェアしてくれたり、多くの人たちの支援の輪が広がったことに感謝しています。
 
 
※インターネットを通じて自分の活動の趣旨や目標を発信し、それに賛同した人から資金を募る方法。支援者にリターンのない寄付型、支援者に物・サービスのリターンがある購入型など5つの分類がある。

アップルラインのクラウドファンディング

長野アップルライン復興プロジェクトのクラウドファンディング

おいしいりんごを届けるために

CFで集まった資金は、復旧と復興の両方に充てるため、プロジェクトに関わる地域の組合や若手農家と慎重に話し合いながら進めています。復旧については、行政の補助が間に合わない細かい部分の作業に充て、復興については、持続可能な農業体制の創出を目指して、アップルラインの特産品の開発を行っています。地域の農家のりんごを使った「アップルグラノーラ」はまだ試作段階ですが、より多くの人にアップルラインのりんごのおいしさを知ってもらいえるような販売展開を考えています。何より、支えてくださった皆さまに今年こそおいしいりんごを届けて恩返しできるように、できることからがんばっていきます。

被災された農家さんやものづくりに関わる方からのお問合せをお待ちしています。

フルプロ農園

住所 ⻑野県⻑野市⼤字⾚沼1688番地
TEL 026-296-9616
復興プロジェクトへの
お問い合わせ
reconstruction.appleline@gmail.com