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アパレルブランドだからこそ、地域のためにできること

市川奏太さん

FREAK’S STORE(フリークスストア)

メインビジュアル

1999年のオープン以来、長野市を代表するファッション拠点として親しまれている「FREAK’S STORE(フリークスストア)長野店」。東京発の全国展開ブランドでありながら、路面店ならではの「地域密着」の姿勢で、ファッション&カルチャーを通じた地域課題の解決にも取り組んでいます。

文・写真 半田 莉幸(株式会社ビー・クス)

世代を超えて愛される、カルチャーの交差点

「善光寺表参道」と名称が統一される長野市中心市街地の交差点の一角に、大きくロゴマークの入ったミリタリーカラーの暖簾(のれん)がひときわ存在感を放つ「FREAK’S STORE(フリークスストア)長野店」。
全国に53店舗を展開する1986年創業のセレクトショップ「FREAK’S STORE」が、長野市に甲信越地方初の路面店を出店したのが1999年のこと。オープンから20年近く南千歳町に店舗を構え、若者を中心に人気を集めてきました。2020年に現在の場所に移転し、1階はレディース、2階はメンズを展開する2階建ての店舗へ。地元のお客さんはもちろん、国内外の観光客も訪れるお店へと進化を遂げました。
 

「僕自身、高校生の頃からよく通っていました。ティーンの頃から大人になっても来てくれるお客さんや、親子3代で通ってくれている方もいるんですよ」

そう話すのは須坂市がご出身の同店の店長、市川奏太さん。地元の若者たちにとって、この店は単に服を買う場所ではなく、カルチャーや新しい価値観に触れる入り口でもありました。
 

1Fはレディース
2Fはメンズ
10年ほど首都圏の店舗で勤務し、2020年のリニューアルオープンと同時に長野店の店長に着任された市川さん。

アパレルの枠を超えたプロジェクトは、“雑談”から生まれた

同ブランドは全国の路面店で「地域とのつながり」を大切にした取り組みを行っており、たとえば青森店なら「ねぶた祭り」の法被やうちわをデザインするなど、さまざまな形でコラボレーションしています。
 
長野店でも、これまでアパレルの枠を超えたさまざまな地域課題に取り組んできました。その始まりとなったのが、2021年に行われた「ジビエフリーク」プロジェクト。ハンター不足や鳥獣被害、未利用ジビエの活用といった課題に対し、鹿肉のカレーを缶詰にして販売するという、ファッションの枠にとらわれない発想で展開されました。
 

長野県産の鹿肉・野菜・果物で作られた「完全信州産」のカレー!

缶詰の販売の他、⻑野県⽴美術館への広告掲載や飲食店とのコラボイベント、動画制作、フリーペーパーの発刊も行われた「ジビエフリーク」。プロジェクト始動のきっかけは、お客さまとの何気ない会話だったそうです。
「たまたま、当時長野県庁のジビエ振興室にお勤めだったお客さまがいらしたんです。『なんかジビエでかっこいいことやりたいっすよね』って盛り上がって、そこから企画が動き出したんですよね」
 

農業から電力、そして高校生へ。広がり続ける地域連携プロジェクト

次なる取り組みは2022年。長野県が抱える課題の一つである「耕作放棄地の解消」でした。その中で生まれた商品が、「爆裂!シナノポップ」というポップコーン。無農薬で育てた「爆裂種(ばくれつしゅ)」というトウモロコシを使い、「あんバター」「信州ハニーストロベリー」「信州七味味噌」と3種類のフレーバーを展開。長野店と軽井沢プリンスショッピングプラザ店の店頭で販売されました。
 

この企画は、大学生とともに農業と食の課題解決に取り組むNPO法人「シナノソイル」から持ちかけられたものだそう。
「もともとシナノソイルさんには、規格外野菜を販売するプロジェクトに販売場所を提供していたんです。お客さまからは『どうして農業?』という声もありましたが、耕作放棄地についての説明をすると、『そういうことだったんだ、いいね』とポップコーンを買ってくださったり、逆にこれまで当店に足を運ばれなかった層のお客さまが活動を機に興味を持ってくださったりと、嬉しい反応も多くありました」
 

収穫時にはボランティアの学生や、近隣の子どもたちも参加
虫食いによって売り出せなかったトウモロコシは、巡り巡ってクラフトビールに!

「爆裂!シナノポップ」は、同年に同ブランドが電力自由化に伴って参入した電力事業「フリークス電気」とも深くつながっています。太陽光発電で電気をつくり販売。料金のうち毎月100円が「シナノソイル」への支援金として寄付され、耕作放棄地に爆裂種のトウモロコシが植えられる仕組みです。実が硬くて獣害にも強く、農地の新しい守り手として期待されている爆裂種のトウモロコシ。しかも、国産のポップコーンは実はとてもレアだそう。こうした活動が続くことで、長野から新しいご当地名物が生まれるかもしれません。
「現在、本プロジェクトでは、須坂、松代、小諸に畑を持っています。今後、さらに増やしていきたいと思っています」
 

2024年には、通学時のヘルメット着用率や交通安全意識の向上を目指し、県内の高校生と連携した「通学白書」プロジェクトを実施。ファッショナブルな自転車用ヘルメットの販売を行うとともに、県内7校30名の高校生が、交通安全や将来への思いなどを記したステッカーを貼ったヘルメットをリレー形式で繋ぐ「ヘルメットシェアリレー」を行いました。
 

「こういった県や市との取り組みは本部(東京の(株)デイトナ・インターナショナル)が企画しているのですが、長野店の店長経験がある社員が担当しているんです。我々も気づいたことは本部に共有し、スピード感を持ってプロジェクトに取り組んでいます。店舗で生まれる『お客さまとの会話』が一番大切な情報源だったりするんです」
 

ひとつの出会いから始まった取り組みは大きく広がり、ついには2025年3月に長野市と、6月には長野県とも包括連携協定を締結。地域課題に寄り添う拠点として、着実にその存在感を高めています。
 

企業全体で長野市や長野県と包括連携協定を締結。本格的な協業体制が確立されました

「やさしいギブアンドテイク」でつながる、地域とお店の絆

「長野市の魅力は『人と人のつながりの強さ』だと思います。小さなコミュニティがたくさんあって、仲間意識が強い。それに、『何かしてもらったら、何か返そう』という気持ちがすごく大きいと思うんです。実際、スタッフが飲食店に行って『FREAK’S STOREで働いているんです』と話すと、後日お店に来てくれたり、お客さまから『いつもお世話になっているお礼だよ』って差し入れをいただいたり。お世話になっているのはこちらの方なんですけどね(笑)」
長野市の魅力をそう表現してくださった市川さん。関わりのある人やコミュニティに対する感謝の気持ちがあるからこそ、自然と生まれる「ギブアンドテイク」。そんな文化が根付いていることで、地域のための活動に取り組む企業やお店を応援する流れが広がり、さらなる取り組みの発展を後押ししているのでしょう。
 

2023年、長野店リニューアル3周年を記念して行われた「着る!名店Tee/スウェット」は、そんな長野市の地域性を表した素敵な企画。知る人ぞ知る長野駅前の人気飲食店をモチーフにしたTシャツやスウェット、トートバッグなどのコラボレーションアイテムを販売し、売り上げの一部を店舗に寄付するというものでした。
コラボ先は、「山小屋カレー」、「ライスハウスABAB」、「よし屋」、「アルデンテ」、「三本コーヒーショップ」。行ったことがあるという方も多いのではないでしょうか?地元の方はもちろん、かつて長野市に住んでいた県外在住の人々からも「家族でよく行ったお店だ」「懐かしい」とオンラインショップでの注文が相次ぎ、商品は即完売。大きな反響を呼びました。
 

「コラボさせていただいたのは、僕やスタッフが普段ランチなどで通っている、個人的にも大好きなお店ばかり。小規模なお店が多いので、ご迷惑かな…と思いつつお願いしたところ、快くご協力いただきました。三本コーヒーショップさん(2023年9月に閉店)のマスターには『もう閉店するし、うちはやらないよ』と断られたのですが、何度も足を運んでお願いしたら最後には根負けしてくださって。しかも『常連さんに配るんだ』って、ご自身で何枚もTシャツを買ってくださったんです」
 

路面店ならではの“超ローカル企画”は、長野市を愛する多くの方々の心に響きました

FREAK’S STORE長野店が行ってきた数々の企画は、地域を愛し、地域に愛されているお店だからこそ実現できたことばかり。同店はこれからも、アパレルブランドとしての存在感はもちろん、町のカルチャースポットであり発信地として、地域の人々に愛され続けていくのでしょう。
 

会える場所

FREAK'S STORE 長野店

〒380-0826 長野県長野市北石堂町1402-1 甲州屋ビル1・2F

ホームページ:https://www.daytona-park.com/store/nagano/

ホームページ:リンクはこちら

Instagram:https://www.instagram.com/freaksstore_nagano/?hl=ja

Instagram:リンクはこちら


  FREAK'S STORE 長野店

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