FEEL NAGANO, BE NATURAL
FEEL NAGANO, BE NATURAL
T0P

ながのを彩る人たち

若穂に着任して5カ月 2025年3月3日

メインビジュアル

早いもので移住してから5ヶ月が経ちました。
りんごの収穫のタイミングで移住をして来たので、りんご農家としてまさに“さわり”の作業から従事をすることが出来ました。

そして、その収穫時期だったからこそ、秋映え、シナノスイート、シナノゴールド、サンフジ、ムーンフジ、王林、ぐんま名月と色々な品種を収穫し、またそれらを味見をするきっかけを頂くことが出来ました。
こんなにもりんごの品種がたくさんあったことは初めて知りましたし、品種によって味がこんなにも違うんだと正直驚かされました。
個人的にはねっとりとした甘みにラ・フランスの様な香りがするぐんま名月にすごく驚かされ、とても好きだなと思わされました。

去年は長野市では猛暑が続いたとのことで、収穫時期になって炭疽病(りんごが傷んでしまう病気)を発症してしまう物、大量発生したカメムシに刺されて商品として出荷に至らず、大量のりんごがただただ廃棄になってしまうという状況を目の当たりにしました。

その様な状況から、私自身が生産をするよりも、そういったB級品を農家さんから少しでも多く、且つ値段をつけて買い取りをし、加工等の二次利用と言った利活用に活かす方が協力隊としてのミッションとして良いのではないかと思い、地域活動支援課という直属の組織にそれがミッションにそったことか否かを確認し、了承を得た上でそういった活動をしたい旨を会議で伝えたところ、地域の農業委員からは「お前は農業するためにここに来たんだろ?農業をやれ」と言われる始末。
当初のミッション内容にも二次加工は謳われており、直属の組織に確認を取った上でそう発言したにも関わらずに、提案することを頭ごなしに否定。
は?おかしくね?
と言うのが、第1回目の腸が煮えたぎったこと。(正式には2回目かな)

そして、市が依頼をした指導者の下で作業をしていたものの、「これやっておいて」ですぐに指導者は居なくなってしまう状況が続き、そもそも果樹を学びに来た筈が、従事する作業はそれ以外の作物のことも多く、体感的には無償で働く体の良いお手伝いさん状態。
農業委員なら地域おこし協力隊を抱え込み自分のところで自分達だけが地域おこし協力隊という無償で働く人員を使う権利があるものなのでしょうかね? 人手の足りない農家さんはいくらでもいらっしゃると思いますし、色々な農家を回るのが私達の本業であるとも思いますが… こんな状況から、これは果たして指導といえるのか?と疑問に感じることも多く、他の方に指導について頂くこととなりました。 これが結果的に功を奏しまして、今ではとても良い指導者の下で、作業を教えて頂いております。
果樹栽培では特殊な三脚を使用して作業をするのですが、新しい指導者のもとではその三脚を立てる向き(山を登る方に1本脚を向けないと危険ということ)から丁寧に教えて下さり、注意をしていても作業に集中してしまえば向きを誤ったり、地面の状況から三脚の脚が滑り落下してしまうことも少なくないようで、そういった時に作業をしている他に誰も居なければ大怪我や大事故に繋がる可能性があるからと1人で作業をさせることは決してないという状況を作って下さっています。
また、電動運搬車に関しても、動かし方、止め方を丁寧に教えて下さった上で、「しばらく練習をしてみてくれぃ」と仰って下さり、ただただ作業をさせるのではなく、その作業をするために必要な機械の使い方を丁寧に教えて下さいます。
ちなみに、この電動運搬車ですが、以前は禄に使い方も教えてもらっていない状態で操作をしたところ、止まり方がわからず車に接触させてしまうという事故に至ってしまったことがありました。
そう言ったことからも、若干トラウマがあったものの、新しい指導者のお陰で今では自信をもって操作出来るようになりました。

給料の件
現在長野市で地域おこし協力隊では会計年度職員という言わばパート、アルバイトとして採用をされており、パート、アルバイトと同じ時給制で給料を頂いております。
そして、その時給はと言うと1100円程。 だからこそ、12月や1月は年末年始休暇の長期連休を挟むと総支給15万円程で手取りで言うと12〜13万円程しかありません。
それでいて長野市はインフラに掛かる費用はすごく高額です。
最近、ニュースでも取り上げられて居ますが、まずはガソリンが超高級品。
レギュラーガソリンは198円/リットルという状況です。 長野と新潟との県境で新潟側で安いのに長野入った瞬間に何十円も上がるっておかしくないですかね? しかも、どんどん山側に入っていくほど高くなるならまだしも、どこでも高いって。
絶句です。
それに加えて、電気代、水道代も東京で暮らしていた時の何倍もします。
1月で言うと一人暮らしにも関わらず電気代が2万円を超えていました。
もちろん無駄遣いなどしておりません。
ストーブやエアコンもよっぽどなことが無ければ点けておらず、着込んだりして耐え忍んでいるのにも関わらずこの値段です。
家族が何人も居たらと思うとゾッとします。
そんな状況にも関わらず、低給料、低賃金という状況。 周りの市町村では、もっと良い給料をもらえているというのだから、地域おこし協力隊になるにしても市町村選びってとても重要だなと感じました。
更に今後農家として活動するには農業をするのに必要な何百万もする様な機械類がたくさんありますので、今は少しでも貯金に回したいと思いますがまぁまず無理ですね。
今は、農業を学びながら、かつ貯金を月に1万円でも1000円でも貯めて行かなければならない状況にも関わらず、貯金を切り崩し、夢を持ってやってきた農業に関わる仕事も就けるのか否かわからない状況で必死に働いてはおります。

そんな状況ですので、休みや代休を副業に充て、少しでも稼ごうとしているにも関わらず、指導を断った指導者からは監視をされ、指導者にとって気に食わない行動は逐一支所や市庁に報告やクレームとして告げ口を入れられ大変肩身の狭い思いはしております。
田舎って怖いですね。逆恨み、監視報告が日常なんでしょうね。東京に人口が流出してしまう理由にも頷けます。

ただし私は決して屈しないし、数年後には必ず実を結ばせます。
それに新しい指導者の方がとても親切で、とても良くして下さるので、丁寧な指導に加えて、あれこれ持って行けとお裾分けをして下さる方なのでとても助けられ満足はしております。

以上、5ヶ月住んでみての感想でした。

前の記事:

日本の空き家問題?

次の記事:

前回の続き、の前に