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松代のまちを歩くと、さまざまなところでTOMOYAARTSこと鶴田智也さんのイラストに出合います。
実家がある松代に2016年4月から住まいを移して活動するTOMOYAARTSさんを訪ねました。

松代中心部から坂道を登り地蔵峠方面へ。最後の集落、豊栄地区赤柴集落が、TOMOYAARTS(鶴田)さんの新たな生活拠点だ。中心部から車で10分ほどなのに、山が近くて随分と雰囲気が違う。

 「3月までいた長野市川中島は店が多く便利なのに、ここは自販機もない。その不便さや静けさ、近所の人との距離感がいいんですよね」

 松代出身の鶴田さんはいずれ地元に戻ろうと思っていたものの、考えていたのは実家近くの中心部。空き家だったこの物件は、友人の紹介で見にきたという。

 「最初は以前の住人の生活感が残っていたし、納屋は雨漏りもしていて、妻と『ここは難しいかな』と言っていました。でも、山の景色と、もう少し奥に行くと広がる棚田がきれいだったんですよね。それで、特に妻が気に入って。子どもふたりは田舎暮らしを嫌がったけど、部屋の壁をカラフルに塗って、できるだけ楽しく暮らせるよう工夫しました」

 こうした甲斐もあって、いまや子どもたちは元気に通園・通学している。泥んこ遊びや遠距離の通学路でたくましくなり、風邪も引かなくなったとか。鶴田さん自身も、地域の貴重な若手として、新参者ながら神社の鳥居にしめ縄を張る大役を任せられた。

 「この地域は結束力の強さもいいんですよね。それに、坂や滝、大きな木など、描く題材もいっぱいあるんです」


自宅に併設の納屋をアトリエに改修した智也さん。

 そんな鶴田さんは、個展を開きつつ、依頼された絵を描いたり、福祉施設や学校でライブペイントをするほか、子ども向けのお絵描き会や、子どもが自作の甲冑を身に着けて松代の真田十万石まつりの行列に参加するワークショップなど、幅広く活動している。

 「こうした活動が仕事につながったり、仕事が生まれたりと、それぞれには境目がないんです。だから、まちの活動で自分の力が生かせるのはいいですね」

 そう話す鶴田さんが最近、松代で手がけているのが「松代童謡みやげ」という3年計画の企画だ。松代にある3つの菓子舗で、松代に縁が深い童謡と特産の杏をコラボさせ、松代ならではのおみやげをつくるというもの。鶴田さんはイラストを担当している。

 「3つのうちの一店舗のオーナーさんが、以前から真田十万石まつりに参加してくれたり個展に来てくれたりと面識があって、声をかけてくれたんです」

 1年目の今年は各店既存の銘菓に鶴田さんデザインのパッケージを施し、来年は鶴田さんも一緒になって創作菓子を考案。3年目は大々的に発表するのだそう。奇しくも3年目は「童謡」という言葉が生まれ100年。鶴田さんはこれを機に今春、童謡をテーマにした画集も発表する。さらに、ゆくゆくは松代みやげの専門店を作り、銘菓以外にも地域の人が作った布草履などを販売するのが鶴田さんの願いだ。

 「松代はいい雰囲気なのに、おみやげ屋さんが少なくて残念なんです。だから、松代に来なければ買えないような差別化できる杏菓子を考えたい。それに、布草履はこちらがきちんとデザインを提案すれば、今までより高い価格で販売できて制作のモチベーションも上がるだろうし、観光客には大量生産ではない魅力を伝えられると思うんですよね」

 杏菓子の創作はその第一弾。目標は継続することだ。

 「自分が育ったまち、そして住んでいるまちは楽しくしていきたいですよね。それに、地域での遊びから仕事が生まれるのが一番いい。だからこそ、松代に根ざして制作ができたらいいなと思っています」


自宅に併設の納屋をアトリエに改修した智也さん。


右上の写真はアトリエの窓から見た山の景色で、こうした環境も原風景とファンタジーが織り込まれた智也さんの作風に反映されている。

上のチラシは「松代童謡みやげ」を紹介するもの。

profile

画家、松代出身。東京で活動後、2009年より長野に拠点を移す。作品のテーマは「優しさ、心地よさ、温かさ」。個展や絵本制作、イべント、ライブペイント、 お絵描き会など、全国各地で活動の場を広げている。2012年、長野市上千歳に「オープンアトリエ風の公園」をオープン。2016年に松代町豊栄に転居。

 

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