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No.397

高橋

清文さん

自転車店「パワースポーツシック」代表

モータースポーツから自転車の世界へ転身!プロからビギナーまで、幅広くサポート

文・写真 島田 浩美

自転車ブームが続く今日この頃。長野市でもロードバイクやクロスバイクといった本格派の自転車に乗っている人を多く見かけるようになりました。そんな自転車好きにも一目置かれる存在が、市内で自転車屋「パワースポーツシック」を営む高橋清文さん。近年はトライアスロンビギナーの練習指導もしている高橋さんを訪ねました。

海外のレースにも挑戦するプロライダーから自転車業界へ転身

もともとモータースポーツに興味があった高橋さん。工業高校を卒業後、埼玉の自動車オートバイメーカーに就職し、日本チャンピオンがいるチームに加入しました。20歳で長野市に帰郷後は、市内のオートバイショップでメカニックとして働きつつ、選手として数々のレースに出場。長距離・長時間を走る耐久系のレース「ファラオラリー」や「ウインズサファリラリー」などの海外のレースにも挑戦するようになりました。
 
「当時のレースは何が何だかわからないところを走り、何とか知恵を使って生き残って帰って来るから面白かったんです。苦労はしたけど、シンプルだからこそ楽しかったですね」
 

▲1987年「ファラオラリー」にオートバイで参加した高橋さん

転機は1993年。オートバイのロードレース世界選手権で日本人選手が総合優勝をしたことは世間で全く知られる存在にならなかった一方、すぐあとに開催されたリレハンメル五輪でノルディックスキー複合日本代表が団体で優勝すると、日本中で競技と選手を知られ、多いに盛り上がったことです。
 
「この辺りが日本のモータースポーツの限界なのか」
 
その状況に虚しさを覚え「もっと日の当たる競技に行きたい(笑)」との思いでモータースポーツをスパッとやめ、趣味として親しんでいた自転車業界に転身しました。
 
そして、メカニック時代に培ったノウハウを生かし「パワースポーツシック」をオープン。1994年、30歳の時でした。
 

▲当初は奥まった住宅地で小さくオープンし、2005年に現在の場所に移転
 
 

オートバイの経験を生かし、オリンピック選手もサポート

開店後は自転車販売や整備もしつつ、自らMTB(マウンテンバイク)のレースにも出場していた高橋さん。
 
「モータースポーツは大きな力を出せる分、他人に対して自分や車両を誇示し、アピール度が強い傾向があります。それに、レースに負けた時にタイヤやサスペンションなど道具のせいにできる。ところが自転車は自分に対する納得のスポーツなので、負けも素直に受け入れることができる心地よさがありました」
 
また、自転車本来のことを知らなかったのでパーツの組み立てに苦労はしたものの、オートバイのスピードを出す技術は役立ったと言います。
 
「自転車にもディスクブレーキやサスペンションといったモータースポーツのパーツが徐々に使われるようになりましたが、僕は以前から触れていたので楽でしたし、タイムを早くするにはどうしたらいいかを考え、自転車業界の常識にとらわれないハンドルやサスペンションを使ってテストができたのが面白かったですね。『冗談だろ』という周囲の雰囲気のなかで勝つのも気持ちよかった(笑)」
 
そして、MTBでサポートをした選手たちが次々と日本代表に。そうした評判から、2001年、プロライダー・竹谷賢二選手の専属メカニックになり、2004年のアテネオリンピックまで支え続けました。
 
「1998年に長野五輪を生で観戦してから、ずっとオリンピックには行きたいと思っていました。アテネまでサポートし、自分の気分が晴れたところもありましたね」
 

▲2004年に開催された第28回アテネオリンピックのMTB競技会場
 
 

▲五輪日本代表 に選ばれたチームスペシャライズド所属の竹谷賢二選手(左)と高橋さん
 
 

トライアスロンで初心者の成長を見るのが今の活力源

現在はMTBで2020年の東京五輪出場をめざす話題の白馬村のプロレーサー・平林安里選手や、冬季五輪で活躍している選手の夏場の自転車トレーニングなども手助けしている高橋さん。そうしたアスリート同士のつながりをつくることにも面白さを感じつつ、近年は個人的にトライアスロンも楽しんでいます。
 
「当時はマラソンがブームでしたが、次はトライアスロンが来ると思ったんです。ただ、自分は水泳は25mが泳げるくらいのレベルでした。それでも一人で練習を続けることで、初心者が陥りやすい失敗などがわかったことはとてもよかったですね。毎年新しい人がチャレンジを始めるので水泳のお手伝いをしますが、昔の私とは違い、数回の練習で長距離を泳げるようになります。上達していく方々を見ていると、道を切り開いてきた甲斐もあったのかなと思います」
 
今は若者から70歳を過ぎた年配の人まで、幅広い世代が高橋さんのもとで練習しているのだとか。
 
「オリンピックディスタンスのトライアスロンはフルマラソンのような辛さはありません。楽しみながら練習できる感じです。しかし、完走するとみんながフルマラソン以上に褒めてくれます(笑)。年齢もさまざまな人がいるのがいい。こういう『経験はないけどやってみたい』という人の手助けやきっかけをつくることが僕の活力です。それに、僕が活躍しなくても誰かが頑張っているのを見るのがうれしい。彼らからパワーをもらっています」
 
かくいう私も、実は最近、高橋さんに水泳を習い、信濃町で行われた「野尻湖トライアスロン」に出場しました。そして、実感。フルマラソンよりも身体的ダメージがなく、何より楽しい! 興味がある方、ぜひ一度高橋さんのもとに足を運んでみてはいかがでしょう。
 

▲新潟県で開催された「2017村上・笹川流れ国際トライアスロン大会」に出場した高橋さん(後列左から2番目)
 
 

▲「パワースポーツシック」に集合するトライアスロンの仲間たち
 
 
 
<info>
パワースポーツシック
 
長野市柳町78-2
TEL:026-232-7757
http://pssick.com/
http://www.janis.or.jp/users/sick/index.html

(2018/07/19掲載)

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