h1タイトル

わくわく・共感できる長野の元気情報を配信します!

ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.395

山田大輔さん

駒込憲秀さん

『Polka dot cafe』 &『 COMMA』

みんなが集まれる「和食カフェと古着屋」を長野に

文・写真 小林隆史

和食カフェと古着屋。幼馴染みの二人が夢に描いた「みんなと集まれる場所」

 
長野市鶴賀権堂町にある2階建ての元倉庫をリノベーションしたお店、和食カフェ『Polka dot cafe』と古着屋『COMMA』。
 
2018年3月末にこの場所をオープンさせたのは、東京の和食料理店で経験を積んできた山田大輔さんと、東京と長野でアパレル業に携わってきた駒込憲秀さん。
 
 
山田さん:「“人が集まれるお店をつくろう”って、20代の頃からずっと思っていて。どんなお店かは漠然としていましたけど、とにかく、いろんな人に会える場所をつくりたかったんです」
 
駒込さん:「まあ、アレですね。このまま一人で歳をとっていくのが、おそろしくて(笑)」

古着屋『COMMA』店主の駒込憲秀さん(写真左)と、『Polka dot cafe』店主の山田大輔さん(写真右)。気取らないコミカルさで笑いを誘うかけあいと、肩の力が抜けた自然体な姿が印象的な二人

「兄貴」というよりも、何かにひたすら夢中な「男子感」が漂う二人は、長野県松代町出身で、3歳からの幼馴染み。20代を東京で過ごしつつも、いずれは長野で自分のお店をもつことをそれぞれが思い描いてきました。
そんな二人の夢を、一つにかけ合わせることとなった現在。二人のこれまでとこれからをお聞きしてきました。

元倉庫を改修した空間には、1階に山田さんのカフェ『Polka dot cafe』、2階に駒込さんの古着屋『COMMA』がある

『Polka dot cafe』の「豚肉の生姜焼き定食」。大判の豚肉は、男性でも一口で食べきれないほどの大きさ。さらに、ご飯もおかわり自由でボリューム満点。山田さん曰く、「男性でもお腹いっぱいになってもらえるカフェにしたかったんです」とのこと

2階の古着屋『COMMA』。欧米のインポート古着を中心に、店主・駒込さん独自のセレクトで展開。「僕たちが10代の頃に、長野に古着屋さんってたくさんあったんですよ。あの感じをどうしてもやりたくて」と駒込さんは話す

東京で過ごした20代。「自分のお店をもちたい」と思ったきっかけ

ーーーこの場所で、二人がお店を開くに至るまでの経緯を教えてください。
 
山田さん:
もともと、20代の頃から、お互いそれぞれに「自分のお店をもちたい」って話をしていたんですよ。
僕は小さい頃から料理が好きで、大学を卒業してから、スーパーの鮮魚調理をやっていました。しかし次第に、お客さんに向けて仕事をしているのではなく、魚に対して仕事をしている感じがしてきて、もっと踏み込んで料理をしたい!と思いはじめたんです。

 
ーーーーそれはつまり、もっとお客さんとコミュニケーションを取りながら料理を提供したかった、みたいなことですか?

 
山田さん:
そうです。それで、いずれは自分のお店をもちたいと思うようになって。まずは、カフェの勉強をしようと思って、7年くらい東京の和食料理店で働くことにしたんです。その運営会社は、居酒屋やお昼営業の定食屋など、いろいろな店舗をもっていたので、僕はいくつかの現場を経験させてもらいました。

 
ーーーその時の経験が今につながっているのは、どんなところですか?
 
山田さん:
新宿の定食屋で働いたことが大きかったんですが、そこは、高校生やお年寄り、誰でも気軽に来れるお店だったんです。お客さんを絞らない定食屋。「僕がやりたかったのは、これだ!」って気づいたんですね。それで、「誰でも気軽に来れて、ごはんをガッツリ食べられるカフェ。いつかそんなお店を開きたい」と、思うようになりました。
 

ーーー駒込さんは、いつから自分のお店を開きたいと、思うようになったんですか?
 
駒込さん:
思えば、僕は高校生の頃からですかね。いずれは長野でお店を開きたいと思って、東京の文化服装学院に進学しました。当時からとにかく古着が好きだったので、長野の古着屋『パメラ(※1)』によく行ってたんですよ。
行く度に、いつも新しい古着との出会いがあったり、「これなに!?」って、古着から洋服の歴史を知るワクワク感みたいなものがあったり、楽しくて仕方がなくて。行けば、とにかく何かある。あの感じの、あの楽しかった思い出を味わってもらえる場所を、いつか自分でつくりたいって思っていたんです。
 
それから、『Freak’s Store』の影響も大きかったですね。「東京の人よりもおしゃれなんじゃないか!?」って思うくらいに、店員さんがみんなかっこよくて!4Dstudioの佐藤太一さんがスタッフだった頃で、個人的には超黄金期だったと言えるくらい、もう、とにかくかっこよかったんですよ。
上京してからも、夏休みの度に立ち寄って、いつでもあたたかく迎えられて。洋服のことをたくさん教えてもらったんですね。あのあたたかい感じで、若者がいつでも帰ってこれるような場所が、自分でもつくれたらいいなって、ずっと憧れていたんです。
 
そして、文化服装学院を卒業してからは、アメリカの革靴ブランドに就職しました。その頃は、きれいめな格好をしていたんですけど、やっぱり古着が好きだと気づいて。長野でお店を開くことも考えていたので、長野に戻ることにしたんです。上京してから7年くらい経った頃のことでした。で、いざ、帰ってきたら、長野に古着屋が全然ない。それがやっぱり寂しかったんですよね。
 
 
ーーーそのあとは、どうしたんですか?
 
駒込さん:
そのあとは、長野に『d&department』があったので、そこで働きました。ロングライフデザインと言われるものを再編集して提案することや、古いものにもう一度価値を見出すことは、とても勉強になりましたね。そのあと、長野市にあった『TippiRag』という古着屋に就職。ここで、古着の面白さを再確認させられることになりましたね。
 
※1 古着屋『パメラ』・・・ショッピングプラザ『again』の裏、長野市北石堂町の裏小路にあった古着屋。3階建ての店内には、欧米古着や軍モノなどありとあらゆる古着が、階段の踊り場や壁面にもびっしりと並んでいた。一部の高校生の間では、お店の袋を通学バックに使うことがブームになったことも。2009年頃に閉店。

ーーー駒込さんにとっての、古着の面白さはどんなところだったんですか?
 
駒込さん:
人によって、いろんな感じ方があって、どんなものを選ぶかが、人それぞれ。だから、古着って面白いんだと思いました。ヴィンテージの古いものが好きな人がいれば、70年代のヒッピーみたいなものが好きな人がいたり、かわいい民族衣装のようなワンピースが好きな人もいたり。好みや、組み合わせ、古着の捉え方が、人によってちがう。だから、どんな洋服をどう着てもいいわけですし、そこに個性があって面白いんです。
 
そういう意味で考えると、誰が来ても楽しめる場所にしたい、っていうのは、大ちゃん(山田さん)と同じ考えだったんでしょうね。
 

2階建ての元倉庫との出会いが、二人の夢を一つにした

 
山田さん:
僕もノリ(駒込さん)も、いろんな人が来れる場所をつくりたいと思っていたんです。そんな話を同窓会で再会する度に、いつも語り合っていて。そして、2年前に僕が、東京から長野に帰ってきて、開業の準備をしはじめたんです。東京にいる頃から、長野市門前界隈のリノベーションについては、雑誌などでよく読んでいて、興味があったので。そこで、商工会議所に相談したら、周辺エリアの古民家や空き家のリノベーションを手がける、不動産仲介会社の『MY ROOM』さんを紹介されて。そのあと、ノリと二人でいくつかの物件を見学させてもらったんです。

駒込さん:
この時は大ちゃんに誘われて、面白そう!と思って、ついて行っただけなんです。まだお店をやるなんて、考えもしてなかったんですけど。でも、この建物を見た時に、なんとなくイメージが湧いてきて。「ここでやらなかったら後悔する」。そう思って、決心がついたんです。

 
山田さん:
ノリは、押しに弱いからね(笑)。でも、「いつか自分のお店をやる」って言ったきり、いつになったらやるんだろう?って、ずっと思っていたんです。だから、いよいよ声をかけてみようかなと思って。それから、LINEでいろいろとやりとりして、話し合って、いっしょにはじめることにしたんです。

 
駒込さん:
古着屋をいつかやりたいって、ずっと思っていたけれど、正直、漠然とした夢だったんです。それが、お店をつくっていくうちに、だんだんワクワクしてきちゃって(笑)。

 
山田さん:
掃除も終わってないのに、洋服をかけだした時には、もう本当に、どうしようかと思いましたよ(笑)。

 
駒込さん:
もう、すぐにでも、洋服屋の感じを味わいたくなっちゃって(笑)。でも、山田さんに誘われてなかったら、僕、夢を残したまま、古着好きの会社員で終わっていたと思うんです。周りの友だちが独立したり、店長をやったりしていく中で、自分も夢をあきらめたくないなって、やっぱり思ったんです。

色とりどりのタイルが、空間にPOPな雰囲気を感じさせる。妹さんらの手を借りながら、山田さん自ら施工した

もともとあった古い冷凍庫。「夏にはかき氷をやりたいと思っていたので、この冷蔵庫が、ここでお店をやる決め手になりました(笑)」と山田さんは話す

この場所で、残していきたいもの

ーーー山田さんにとっては、「みんなが集まれる場所」。駒込さんにとっては、10代の頃に味わった「古着の面白さ」を伝えていく場所。それぞれの今後の目標を教えてください。
 
山田さん:
ここは、誰でも気軽に立ち寄れるカフェにしたいです。そこで、みんなが食べやすい和食を味わってもらうことが、とにかく楽しみです。一人でも、家族でも、「とにかく困った時には、ここへ行けば美味しいものが食べられる!」、みたいなお店にしていきたいですね。
 
駒込さん:
古着屋をやりたいって思う人が、一人でも増えたらいいなと思っています。そうやって、少しでも、自分たちが住む街のことを誇らしく思える場所が増えていったら、面白いじゃないですか。だから、僕はちゃんと続けていくだけです。
あとは僕に足りないものを、大ちゃんがいっぱいもっているので、頼ろうかなっ(笑)。
 
山田さん:
いやいや、ノリの方が、人脈あるじゃん(笑)。
 
 
 
何が流行るとか、ものが売れない時代とか、そういう情報に流されるわけではなくて、自分がやりたいと思うことをかたちにする。二人のそこはかとない、無邪気で楽しそうなやりとりに、この場所の魅力がつまっているのかもしれません。こんな二人のように、純粋に自分の理想の場所を創造する人が、長野に増えていったら、結果的に街は面白くなるのかもしれませんね。

同世代の友人と集い、古着話やお互いの近況報告を語り合いながら、山田さんの和食ごはんにお腹を満たしていた

(2018/04/04掲載)

人気投稿

  1. 高野洋一さん うどん たかの店主...
  2. くろやなぎてっぺいさん 映像作家、プランナー...
  3. 秋庭将之さん VECTOR GLIDE(ヴェクターグライド)CEO・代...
  4. 三井昭さん・好子さん 三井昭商店...
  5. 伊藤誠さん、志保さん フィンランドヴィンテージ雑貨と自家焙煎コーヒー「...
会える場所 『Polka dot cafe』/ 『COMMA』
長野市鶴賀権堂町2390-1
電話

営業時間:
11:30〜21:00 L.O.
11:30〜21:00
定休日:水曜日・不定休あり

長野市人物図鑑
食の達人 ながののプロフェッショナル 旬な人 魅せる人 まちをつくる・つなぐ人 人物図鑑特集
マイ・フェイバリット・ナガノ
場所 イベント モノ グループ・会社
ナガラボムービー

 
特集一覧ページ