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No.389

小林

裕樹さん

小林製畳店 二代目

30代の今。家業を継ぐ決意と挑戦

文・写真 小林 隆史

長野市街から車で40分ほどで広がる、美しい山間の街、信州新町。江戸時代には、長野市から松本方面へと続く犀川に沿った商業の街として栄え、現在では自然の景色に惹かれた作家や家具職人の移住なども増えています。

そんな伝統と、四季に色づく自然に囲まれたこの地域で、家業の『小林製畳店』を継ぐことを決意し、先代の技術と伝統を教わりながら、日々修業している小林裕樹さん。2016年1月に市外からUターンしてきた小林さんが、畳職人の道を歩むに至るまでの思いをお聞きしてきました。

夕日に照らし出された小林製畳店の工場。もとは養蚕の蔵だった建物。

今では貴重なものとなった、稲わらから畳を作る機械。小林製畳店では、信州新町の天然の稲わらを使った畳を作っている。

「いつか家業を継ぐことも考えてくれ」そんな父の一言を受けて

家業を継ぐことになったきっかけを教えてもらえますか?

「私は、富山の大学を卒業した後、建築関係の営業に就職が決まったのですが、その頃、父にこう言われたんです。

ーーー 『10年くらいは好きなことやって、その後は家業のことも考えてくれ』

と。その一言で、ぼんやりとでしたが、家業を継ぐことを考えるようになりました」

先代のお父さんの言葉が、家業を継ぐきっかけになったんですか?

「結果的には、そうですね。とはいえ、まずは目の前の仕事を突き詰めてみようと思い、20代のうちは家業を継がず、サラリーマンとしてひたすら仕事していました。そうしていくうちに、結婚して、子どもも授かって、当時住んでいた安曇野市に家も建て、次第に10年が経っていきましたね。

しかしある時、父がケガをして、仕事をできなくなってしまったんです。この時に、『もう父に教わることができなくなってしまうかもしれない』と思い、かつて父に言われた“10年後”になったことを実感しはじめたんです。そしていよいよ、家業を引き継ぐことを妻にも相談したら、『ついて行くよ』と応援してくれたので、その言葉にも背中を押され、決心しました」

経験がものをいう職人の世界

実際にやってみて、畳職人の仕事の難しさや楽しさはどんなところにありますか?

「畳屋の仕事は細部の正確さが命。経験がものをいう職人の世界なので、父の仕事を見て学ぶ毎日ですね。

まず、畳を張る時に、きちんと部屋の寸法を読むことが大切なんです。全く同じ部屋というのはないので。たとえ、全く同じ床面積だったとして、畳の大きさを微調整しなければ、どうしてもきれいに収まらないんです。だから、部屋の寸法を読んで、畳の合わせを予測して、3mmだけ修正する、みたいなことをするのです。

部屋の大きさと畳の収まりを読む力が大切。こればかりは、機械ではできない人の技です。それを父の場合は、身体でちゃんと覚えているんですね。私も日々の経験の中で、早く身につけていきたいと思いながら、修業しています」

角が合わさり、寸分の狂いのない畳の収まり。緑のシンプルな縁(ヘリ)の幅が、均一に整えられている。

縁(ヘリ)を縫い付けていく小林さん。縁の下地となる紙を、畳の側面と平行に合わせていく。

手作業で微調整をしていく。

決められた縫い目の間隔で、表と裏に糸を縫い込む。熟練の職人になると、身体が均一な間隔を覚えているので、定規を使わない。

「畳職人の高齢化、和室の減少」二代目職人としての新たな挑戦

人の手でしか成し得ない畳の美しさ。「日本の伝統を残していきたい」と話す小林さんは、新しい試みを模索し、一風変わった畳の魅せ方をはじめました。

「畳と聞くと、多くの方が『床の建材』としてイメージするかもしれませんが、ちがった使い方で、畳を身近なものとして手にとってもらいたいと思っていました。そこで、ミニ畳や、コースター、家の表札や記念品として、刺繍入りの畳を製作をしてみることにしたんです。

昔とちがって、今の畳は、モダンな縁(ヘリ)の柄があったり、いわゆる草色の畳の他にも、さまざまな色の畳があったりと、面白いんです。畳に少しでも興味をもってもらう、きっかけの一つとして、楽しんでもらいたいですね」

刺繍を施したミニ畳は、表札や記念品として。その他にも、コースターやマウスパッドなど、さまざまな使い方が楽しめる。

縁(ヘリ)の種類、模様、色合いが豊富。「これが畳ヘリだと気づかないお客さんも多いんです」と小林さん。

数少ない畳職人の道をスタートさせた小林さん。市内のイベント、県内外の催しに出店し、その魅力を草の根的に広めています。

さらに小林さんは、友人や知人とともに、信州新町の魅力を発信する場づくりも考えているそう。このように、地域の産物に独自のアイデアを加える人の存在が、各地の魅力を引き出していくはず。今後がさらに楽しみですね。

どんな模様も言葉も、オーダーに合わせて縫うことができるので、記念品として依頼されることが多くなってきたそう。「畳の魅力を知る入り口として、楽しんでもらえたら」と小林さんは笑顔で話していました。

<info>
小林製畳店
長野県長野市信州新町牧田中1414-7
TEL:026-262-3535
HP : http://r.goope.jp/kobayashitatami
Facebook : https://www.facebook.com/kobayashitatamiten/

(2017/12/12掲載)

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会える場所 「小林製畳店」
長野県長野市信州新町牧田中1414-7
電話 026-262-3535
ホームページ http://r.goope.jp/kobayashitatami
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