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ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.378

土谷

紘子さん

長野電鉄株式会社 車掌

パノラマビューの展望車で
のんびり列車旅へ、出発進行!

文・写真 坂西孝美

長野市街地から須坂・小布施、中野を経て名湯・湯田中温泉へ―。市民の通勤・通学の足だけでなく、北信濃主要観光地へのアクセスにも便利な長野電鉄は、プラス100円で乗車可能な「特急」の旅もひそかな人気です。長野市出身の土谷さんは、その特急に乗務する車掌として活躍しています。

いつかの憧れを現実に

土谷さんが長野電鉄に入社したのは平成19(2007)年12月のこと。それ以前は山梨県の大学を卒業後、JR長野駅構内でJR関連会社が運営する喫茶兼土産物店で働いていました。もともと電車好きというわけでもなく、Uターン就職で接客業を探していたといいます。

「最初の仕事もお客さん相手で楽しかった。でも、お店が新幹線ホームの改札前にあって、駅員さんの姿を日々見ていたら鉄道の仕事に興味が湧いてきたんです。大学在学中も山梨と長野の往復に電車をよく利用していたし、当時JRには既に女性の車掌さんがいて、その姿がかっこいいと感じていました」

そんな折に出合ったのが、地元で慣れ親しんだ長野電鉄の求人でした。「女性も活躍」というPRに惹かれ、土谷さんは転職を決意。入社当初は長野駅の駅員を務め、平成23(2011)年4月から車掌になって丸6年が経とうとしています。

長野電鉄の普通列車は元営団地下鉄(現東京メトロ)と元東急電鉄、特急「スノーモンキー」はJR成田エクスプレス、「ゆけむり」(=写真・長野電鉄提供)は小田急ロマンスカーの旧車両。個性豊かな車両を楽しみに訪れる鉄道ファンも多いのだとか

想像以上に幅広い! 車掌の仕事

車掌は運転士に負けず劣らず、鉄道ファンにも人気の花形職。にもかかわらず、「運転士は国家資格ですが、車掌には必要な資格はないんです」と土谷さん。つまり本人の希望次第。土谷さんも先輩の指導車掌(教育係)のもと、機器の扱い方など2週間研修を受けたのち、晴れて車掌に転身しました。
長野電鉄では、車掌は7人(2017年3月現在)。うち女性は土谷さん含め2人ですが、地方の私鉄では数少ない女性車掌とあって、その仕事ぶりに注目も集まります。
同社の車掌が乗務するのは、「スノーモンキー」と「ゆけむり」の愛称で知られる特急のみ。交替制で勤めますが、出発進行の合図に始まり、ドアの開閉、車内放送、日中は同社オリジナルグッズを片手に車内販売も担当。乗務中は幅広い業務をこなしながら、「あの山は何山?」「あの花は?」―乗客から聞かれれば、観光の案内もします。

「(地獄谷野猿公苑の)スノーモンキーがいつの間にか有名になって。海外からのお客様も増えているので、英語での受け答えも勉強しています。やることがいっぱいだから飽きないです」

と、土谷さんはニッコリ。見えない努力がきめ細やかなサービスを支えています。

時には鉄道ファンにサインを求められたり、予想以上の注目度に戸惑いながらも奮闘中!

地元民でも楽しめる! 特急ゆけむり~のんびり号~

地下の長野駅から出発し、地上に出て長野市街地を抜け、千曲川を渡り、蔵の町・須坂から小布施に入ると周囲は栗の木畑に変化。中野市では雄大な北信五岳を堪能し、チョウゲンボウが営巣する国天然記念物「十三崖」を過ぎて、高社山麓の絶景スポット・山ノ内町の夜間瀬川橋梁へ。長野電鉄の沿線は、春夏秋冬の情景の豊かさも魅力です。
とくに展望車のある特急「ゆけむり」は車窓の景色を楽しむ絶好の車両として人気ですが、週末には観光案内列車“のんびり号”も運行します。これがオススメ!
道中では車掌さんが沿線の情報をアナウンスしてくれるほか、千曲川を渡る村山橋では駅でもないのに一旦停車。路線開業当時の駅舎が残る「信濃竹原駅」では、通常入れない待合室を見学させてくれます。

「冬の信濃竹原駅に停車したとき、ベトナムから訪れたお客様が一面の雪に大喜びしていました。雪を見たことがなかったそうで、自然と触れ合うきっかけにもなります」

そうして各地の見どころで徐行や停車をしながら、“のんびり号”は通常45分間の長野―湯田中間を1時間20分余りかけて走行。もはや特急ではないけれど、乗車自体が楽しめて、地元の魅力も再発見できる。これが新鮮! 行き違う「ゆけむり」と手を振りあったり、停車時間にホームで記念写真を撮ったりと、子どもたちも大喜び。さらに、土曜は下り列車1両が沿線ワインの飲み比べができる“北信濃ワインバレー列車”となり、大人もひと味違った鉄道旅が楽しめます。

信濃竹原駅(中野市)の待合室は、特急ゆけむり・のんびり号の停車時間のみ公開

「お客様の反応を直接見たい」

“のんびり号”は車内放送も必聴です。車掌さんにある程度お任せとのことで、アドリブもあり、個性も豊か。土谷さんも乗務する際は、ほぼしゃべりっぱなしだそう。

「景色の中を進んでいるので、そのとき見える風景をリアルタイムでご案内するよう意識しています。『皆様ご覧ください、ちょうどサクラが咲き始めました』というように。目につくものは何でも話題にします」

地域の特徴、四季の美しさ、おいしいものやオススメの楽しみ方。どの車掌さんからも、お客さんに北信濃の魅力を知ってほしい、楽しんでほしいという思いが伝わってきます。

「降車時に『楽しかったよ』と言ってくださる方もいますが、車掌室で一人しゃべっていると、お客様の反応が分からないのが残念。いつか車内で、直接乗客の皆さんとふれあいながら放送できたら…」

人とふれあう仕事が好き、という土谷さんのやさしい声に導かれ、移りゆく車窓の景色を味わいながら、カタンコトン。列車の揺れも心地良いひと時です。

特急ゆけむりは全席自由席。展望席も早い者勝ちですが競争率は低め! ライターが乗車した“のんびり号”は、男性車掌さんが唱歌「ふるさと」を歌ってくれて乗客も一緒に口ずさんだり、行き違うゆけむりの乗客と手を振りあったり、ほのぼの空間に

Information
■特急ゆけむり~のんびり号~
土日祝日(GW、年末年始含む)運行
料金:通常運賃+特急券(大人100円、小人50円)
■北信濃ワインバレー列車(長野―湯田中間、要予約)
沿線ワイナリー3~4社のワイン6~8種類飲み比べ(5~9月は地ビールを追加)
毎週土曜運行(のんびり号湯田中方面=下り列車のみ)
料金(税込):大人6,000円、小人 3,000円 
※お弁当付
※2名様以下の場合は、大人+1000円、小人+500円

<問合せ>
長野電鉄
TEL026-248-6000(平日・長野電鉄鉄道事業部運輸課)
TEL026-226-2681(毎日・長野電鉄長野駅)

(2017/03/31掲載)

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