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No.044

倉島

国栄さん

中央タクシー株式会社ベテラン乗務員

「理想の会社」に最も長く勤める名物社員

文・写真 Takashi Anzai

長野市若穂保科の山あいに、ビジネス誌やテレビで再三、理想の会社として取り上げられている会社があるのをご存知でしょうか。中央タクシー株式会社といいます。

特長やエピソードは枚挙にいとまがありません。
社是は「お客様が先、利益は後」。

中央タクシーでは、乗務員が車を降りてドアを開けます。そして、まず最初に自己紹介をします。タクシー運転手のマナーに多くの人が辟易していた昭和の時代からです。

長野五輪の開催時は、各国のメディアが長野市に押し掛けたため、タクシーが不足しました。中央タクシーにも多くの貸切の予約が殺到しました。先方が提示してくる価格も法外だったといいます。しかし、それでは普段、利用している顧客を乗せることができません。特に通院に利用していたお年寄りなどは困ってしまいます。そのため、中央タクシーではメディアの貸切を断ったということです。

社員の採用は、タクシー業界未経験者に限定しています。これは同業の変なクセがついていない方が、中央タクシーの理念や顧客との接し方を抵抗なく受け入れられるという考えからです。

こうしたサービスや会社のあり方が顧客の気持ちを掴み、同社の乗車は約90%が予約です。ほとんどが顧客から選ばれて呼ばれるというパターンです。そのため、街なかや駅などでいわゆる客待ちをしている車がほとんどありません。これはタクシー業界では稀有なことです。中央タクシーの利用者は単なる顧客ではなく、ファンであることが多いと言われる所以でもあります。

今回、中央タクシーの宇都宮司社長に取材を申し込みました。宇都宮社長は編集部・安斎の大学院の同級生。二つ返事でOKしてもらえると思ったら、宇都宮社長の返事はこうでした。

「もちろん取材を受けるのは構いませんが、出来れば社員を取り上げてもらえませんか。社員あっての中央タクシーですので」

不況期に社員の雇用を守るため、社屋を売って今の山あいの本社地に移転したという、同社らしい対応だと思いました。

今回、お話を聞かせてもらったのは1975年の創立当初から在籍している倉島国栄さん。倉島さんは1942年生まれの71歳。車輛10台で始めた創業メンバーの1人です。

「その頃のタクシーの運転手なんてのは、サングラスかけて、スリッパ履いて、髭はやして、ネクタイなんてとんでもない、口のきき方もひどいものでしたよ」

そう笑う倉島さん。
そんな中、中央タクシーでは創業当初からタクシー業界ではユニークな取り組みをしていたことを懐かしく振り返ります。

「名刺を何百枚も刷って、どんどん配りましてね。ネクタイには『私たちはお客さまを大切にします』と金色で刺繍したし。その頃、タクシー運転手が名刺を持ってネクタイをしていること自体珍しいんだから。首が苦しくて仕方なかったし、やっぱり最初は恥ずかしかったですよ(笑)」

山あいの本社にて宇都宮司社長。夏季は社員全員がアロハシャツで勤務する

それでも社員たちは会社の成長のため一丸となっていたといいます。お寺の住職の講話を聞いたり、接遇の講座を受けたりで少しずつ接客のレベルを上げていったそうです。

「みんな仲良く、喧嘩はなかったですね。よその運転手から『お前の会社なんて長くないぞ』とか言われて、なにくそという気持ちが他のメンバーにも強かったんじゃないですかね」

これまで長く勤めてきた理由についてはこう語ります。

「当時の社長が、寒い時期に乗務員のために毎日温かい味噌汁をつくってくれていて、あれは感動しましたね。それじゃおれはタイヤを洗おうとかいう感じで、そういう行動はじわじわと広がるもので、温かくて前向きなムードになっていくんですね」

「みんな人柄がいいし、優しいし、居心地がいいんじゃないかな。新しく入ってくる人も、この会社に入ってから変わる部分も大きいですよ。昔から社員教育には熱心だし、お客様が大切だって頭の中に叩き込まれているからかな」

「周りにも頑張って働くぞと思っている人が多かった。自己流の人たちは自然と辞めていきましたね。うちの仕事は、他のタクシー会社に行けばやらないで済むことだらけですからね。良い人ばかりが残ったような気がします。私を除いてね(笑)」

常に活気のある配車センター

語り草となっている長野五輪でのエピソードについては「それが当然」と振り返ります。

「社長以下みんなが当然、そうあるべきだと思いました。メディアの人を乗せると1日1台で8万円くらいの売上になるわけで、それは凄いぞと思ったけれども、みんなが強い信念で地元のお客様を大事にしました」

すると、思わぬ反響がありました。

「五輪が終わって、気づいたらたくさんのお客様が他のタクシー会社から中央タクシーに移ってきたんです。さすがに売上が伸びるなんて思ってなかったんだけどね、たまたまそうなったんですよ」

明るい性格で冗談ばかりの倉島さんでしたが、冗談の中にも自分の会社を誇りに思っていることがひしひしと伝わってくるインタビューとなりました。ベストセラー「日本でいちばん大切にしたい会社」にも取り上げられた中央タクシー。顧客を大切にするだけでなく、従業員も同じように大切にしているということをあらためて実感させてもらいました。

手前の丸机が社長席。奥の社員の席よりだいぶ小さい

(2014/07/03掲載)

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会える場所 中央タクシー株式会社
長野市若穂保科265
電話 026-282-0181
ホームページ http://www.chuotaxi.co.jp/
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