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ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.349

鈴木

美隆さん

芋屋十兵衛 店主

全国各地から選りすぐった
皮まで美味しい焼き芋を届ける

文・写真 くぼたかおり

焼き芋屋のきっかけは、ひょんなことから

権堂アーケード沿いの『芋屋 十兵衛』は、愛知県名古屋市出身の鈴木美隆さんが営む、長野市初の焼き芋専門店です。長野県へ初めて訪れたのは20代のころ、西洋料理の修業をするために茅野市に来たのがきっかけで、以降職をいくつか経験しながら、最終的には長野市で自営業をしていました。
そんなある日、テレビ番組で人気を博している焼き芋専門店を紹介されているのを偶然見た鈴木さん。「そんなに美味しい焼き芋ってどんなものなんだろう」と興味を抱いて、翌日その店に訪れました。なんとも行動的! そこで食べた焼き芋に衝撃を受けたそうです。

「それまで焼き芋といえばホクホクした食感で、冷めるとパサパサして美味しいというイメージがありませんでした。けれど、そこで食べた焼き芋は全くその逆で、想像以上に甘みがあって、とろけるような食感で、本当におどろくほどに美味しかったんです」

これは今までの焼き芋の概念を覆す、完成されたスイーツだ! そう感じた鈴木さんは、それからというもの仕事を終えてから焼き方を研究し始めるように。それと同時に長野市で焼き芋に特化した店があるか、立地をどうするかなどのリサーチを進めていきました。ちょうどそのころ、中央通りから権堂アーケード入口にあるお店の一角が借りられると知って、2015年2月に契約。その年は善光寺御開帳だったこともあり、急ピッチで改装を進めていきました。

そして2015年4月29日、中央通りに観光客がぐっと増え始めたゴールデンウィークのはじまりに、オープンしたのです。

中央通りから権堂アーケードを入るちょうど入口に店を構える。店内には販売スペースと、4~5人程度がイートインできる席も用意

美味しさの秘訣は仕入れと焼き方にあり

開店してからは御開帳効果もあって、たくさんのお客様に焼き芋を食べてもらえ、手応えを掴みました。それと同時に、さらに美味しい焼き芋を作りたいと励む毎日を送っています。「おいしい焼き芋を焼くためには、まず仕入れ、品種、焼き方がポイントになってきます」と鈴木さん。実際に美味しい焼き芋を作るまでにはまず、室温30度以上、湿度90%程度でキュアリング貯蔵してあるさつまいもを仕入れます。このキュアリングによって皮下組織にコルク層ができ、はじめて長期保存できる状態になるのだとか。
そしてこの長期保存の期間にさつまいもが糖化し甘みが飛躍的に増すのです。

「保存された焼き芋は、時期によって水分量などが違うので、焼き方もその日の気温や湿度によって焼き加減や時間を変えるようにしています。低温でじっくり焼くのが基本で、1~2時間かけています。最終的には、皮がこげずにキレイな状態で出すようにしています」

私たちが美味しい焼き芋をほうばるまでには、思いのほか時間と手間がかかっているのです。

現在販売している焼き芋は、全国各地から厳選し、熟成したサツマイモのみを使っています。その食感は大きく「しっとり系」「ほくほく系」と2種類に分けられます。特にしっとり系の品種シルクスイート(販売名は絹芋)は、繊維が少なくて口に入れた瞬間にしっとりと広がっていきます。それはまるでスイートポテトのような味わいです。ほかにも芋蜜がしたたる「安納芋」 「紅はるか」や、しっとりとホクホクがミックスしたような味わいの「とみつ金時」など、これまでにないサツマイモという食材の美味しさを発見できるものばかりです。

「皮と身の間にある芋蜜が甘さを引き立てるので、丸ごと食べてほしい」と鈴木さん

無添加で美味しい焼き芋を広げるために

「最近では、学校帰りの高校生やサラリーマンの方たちも立ち寄ってくれるようになりました」と話すのは、接客担当で鈴木さんの妻・美恵さんです。最近では焼き芋だけではなく、サツマイモのお惣菜も販売するようになり、特に「いも天」(小180円・大360円)は参拝の行き帰りにちょっと歩きながら食べたりする人もちらほらいるようです。ほかにも大学芋や芋蜜ソフトなども販売し、いろんな角度からサツマイモの美味しさを届けています。

最近では移動販売車で、イベント出店や老人ホームなどで販売をするように。特に老人ホームでは、買い物をする機会が無くなってしまった人たちが、久しぶりにお金を持ち、自分で買うという行為に楽しさを感じているようで、老人ホームで働いている人たちから「今日はみんな楽しそう」などの評価も得て、焼き芋を通じて商売の喜びを感じたりもするそうです。

「焼き芋は食物繊維、ビタミン、ミネラル、カリウムなど栄養価も高く、無添加でなんといっても美味しい! というのが一番の魅力だと思います。小さなお子さんを持つ親にとっても、焼き芋は無添加なので、スナック菓子を与えるより安心・安全に感じてもらえるはずです」

今後は、長野県産のサツマイモを使った焼き芋を商品化したいという想いもあるという鈴木さん。こだわりを持ってサツマイモの栽培をしている農家さんとも話を進めているそうです。

寒さが厳しくなる冬に、あったかい焼き芋で身も心も温まってはいかがでしょうか。

取材中も常連客らしき人が訪れては、妻の美恵さんとおしゃべりを楽しむ。鈴木さん曰く「この店は妻でもってるようなもの」だとか

(2016/12/02掲載)

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会える場所 芋屋十兵衛
長野市東後町8-1
電話 026-237-1789
ホームページ http://www.imoya-jyubei.com/

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