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わくわく・共感できる長野の元気情報を配信します!

ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.177

小林

正征さん

ミヤマ株式会社 広報室

できました!住宅地に実のなるガーデン
「よい環境」を感じるきっかけづくり

文・写真 Rumiko Miyairi

環境技術で未来を創る企業

「庭づくりは人と緑の距離感を縮めてくれます。良い環境がどういうものかを感じさせてくれますよ」

にこやかにそう話すのは、ミヤマ株式会社の広報室に勤める小林正征さん。会社の取り組みの一つとして3年前から始まったガーデンづくりに携わっています。

ミヤマ株式会社は「総合環境企業」として、環境に関わるあらゆる分野の業務を行っています。水や空気や土などの環境を保全するための調査・分析、浄化対策、また産業活動によって排出される廃棄物の再資源化や無害化処理など、一般にはなかなか周知されていないものまで多岐にわたります。小林さんは、長野市丹波島にある本社に勤務しています。日頃から広報室では「良い環境を創る」という会社のミッションを社会に発信するために、さまざまな活動を行ってきました。緑化活動を通じたPRもそのひとつです。

環境企業の社員として「良い環境」を感じ、それを社会へと広げていくことが重要であるとの考えのもと、ミヤマ株式会社では社をあげた緑化活動を取り組んできました。こうした活動をより推進するため、拠点となる場所を作り、地域へと広げていくことを目的として作られたのが「ミヤマオーチャードガーデン」。その担当者に指名されたのが小林さんでした。小林さんは、当時の心境を自身の少年時代のエピソードとともに話します。

「工場の緑化活動は、以前から社員が力を合わせて行っていたんです。花や緑に溢れた工場にすることで、そこで働く社員はもちろん、見学に来るお客様にも気持ちの良い時間を過ごしてもらいたいですからね。ミヤマオーチャードガーデンはこうした活動を一層進めるため、本社周辺に緑化の拠点となるような場所を作ろうという意図のもとに始まりました。私は小学1年生で育てた朝顔でさえ軒並み枯らしてしまったほど、植物などに関心が薄かったので、最初のころは正直、戸惑うことも多かったですよ(笑)」

色鮮やかな一年草や季節にあわせて咲く宿根草、また果実のなる木々や紅葉が楽しめる落葉樹などが植栽され、地域の方々にも自由にくつろげるようベンチやあずまやが常設されたこのガーデンは、2013年ながの花と緑大賞で審査員奨励賞を受賞、次いで2014年には大賞を獲得します。

大賞に輝いた「ミヤマオーチャードガーデン」。夏にはブルーベリーの実もなる[写真提供・ミヤマ株式会社]

社をあげて取り組んだ緑化活動。2014年ながの花と緑大賞で大賞を獲得した[写真提供・ミヤマ株式会社]

魅力はレスポンスが遅いこと

「最近は、地元の小学生や保育園児が遊びに来てくれるようになって一緒に植栽をすることもあります。それから鳥も増えましたね。生き物が集まることで環境が良いことを実感できますね。長野は自然豊かだけれど、街や住宅地とは少しだけ距離を感じていましたから、庭(ガーデン)がその距離を縮めてくれました」

本格的にガーデンづくりに取り組むため、緑育の知識を1から学びたいと心新たにした小林さんは、その頃、ながの緑育協会で始まった、緑育マイスター養成講座を受けます。以前、ナガラボ№.145で紹介した園芸研究家の矢澤秀成さんが講師となっている、ながの花と緑そして人を育てる学校で受講するものです。

小林さんは会社の取り組みがきっかけで、緑育マイスター養成講座の第一期生として2年間受講しました。

「講座では種の撒き方から教えてもらったんです。知っていたつもりだったことも、勉強してみるとすごく奥が深く、手をかけるとかけただけ綺麗に咲いてくれたんです。それ以来、答え(結果)が出るまで時間がかかるものにも興味が湧くようになりました(笑)」

緑を育てる楽しさを知り、そのプロセスに魅力を見いだした小林さん。

ガーデニングについての初級編から実践講座が入った上級編までをすべて受け、2014年3月、ながの緑育マイスターという称号を取得しました。

小林さんの学んだことやアイデアも活かされたガーデンは、本社建物の裏手にある住宅地の中150坪ほどの広さを誇ります。

社内で話し合って付いた名称は「ミヤマオーチャードガーデン」。果樹園を意味するその名前は、四季折々の花や緑に加えて、食べて楽しむことができるベリー類なども植えることで、五感すべてで楽しめる場所を目指して作られました。

小林さんは、これらの緑化活動を通じて、環境の良さを身近に感じられるきっかけづくりができたことに胸を張ります。

小林さんのアイデアが活かされたガーデンの全景。住宅街に憩いの場所ができたと遊びに来る近所の人もいる[写真提供・ミヤマ株式会社]

伝えるという表現を追究する

小林さんは大学卒業後、長野県内での出版社勤務を経て、ミヤマ株式会社に入社しました。

「出版社時代に編集に携わることで学んだのは、取材対象者の魅力や伝えたいことをいかに引き出し、表現するかということですね。取材の際は事前に相手のことを調べていないと踏み込んだ話ができないんですが、調べすぎてしまうと逆に、取材が(自分の調べたことの)確認作業になってしまい新しい発見ができないので、そのバランスが難しいですね。正解があるわけではないので、そこが一層悩ましいですね」

自ら企画して取材をし、素材集めから編集作業までを行うノウハウが、そのとき身に付けられたと振り返り、現在の広報業務にも活かされていると話します。

夏のミヤマオーチャードガーデン。サルビヤやマリーゴールドなど、色鮮やかな花が良い環境を演出する[写真提供・ミヤマ株式会社]

「今の業務は専門性が高い技術やサービスを紹介する分、自分の知識レベルも上げていかなければならないので大変ではありますがやりがいも大きいです。ただ、専門的な情報ばかりでは情報の受け手であるお客様も疲れてしまうと思うので、ミヤマの考え方や価値観をよりわかりやすい形で伝えたいという思いをこめて、会社が創業し、本社を構える長野県がどういう場所なのか、どういった魅力があるのか、ということを知っていただくための社外報も制作しています。私たちが考える『信州のキラメキ』をテーマにして、食・自然・伝統文化・産業などジャンルを問わず地域の魅力を発信しています」

2か月に1度発行する会社の広報紙のタイトルは「PIGEON POST」。どれも、その号のテーマを素材にした迫力ある写真が表紙を飾っていました。伝えたい内容の本質と小林さんの情熱が直球で伝わってきました。

自分の周りの環境の良さを発信する小林さんは、好奇心と探究心をフル稼働させています。

「どんなものでもテーマになりますから、いつも興味が湧くものを探しています。人生の中で関係ないな、と思ったことでも、無駄なものはありませんよ」

手塩にかけて造ったミヤマ株式会社のガーデンも、やがてこのPIGEON POSTの表紙を飾り、環境の良さを感じるきっかけとなって大勢の人を引き寄せる魅力になると思いました。

小林さんの所属する広報室で編集している、ミヤマ株式会社の広報紙「PIGEON POST」

冬のミヤマオーチャードガーデンはイルミネーションの花が咲く。テーマは毎年、社員がアイデアを出し合って決定している

(2015/01/21掲載)

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