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ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.298

竹節

友樹さん

株式会社WAKUWAKUやまのうち代表 映像ディレクター

゛宿命”だと受け入れて、
山ノ内町を盛り上げるために駆け抜ける

文・写真 くぼたかおり

権堂の一角に、建物を覆い隠すようにすくすくとツタが伸びた、佇まいのすてきな建物「ツタハウス」があります。そこにいる物腰のやわらかい男性・竹節友樹さんが、映像関係の仲間とともに場所をシェアしています。自分のペースで仕事をしていた一昨年から一転、2015年8月に「WAKUWAKUやまのうち」という会社の社長に就任し慌ただしい毎日を過ごしています。

※記事は2016年1月の記事公開時点の情報に基づきます。
竹節さんは2016年3月、株式会社WAKUWAKUやまのうちを辞任しています。

正社員ではない働き方で己を見つめる

山ノ内町出身で現在33歳の竹節さんの実家は、町の東部にあります。志賀高原をはじめとした観光のメッカにありながら、10代のころは当たり前過ぎて魅力に気づけず「つまらない」と感じていました。多くの長野県民と同じように竹節さんも一度は都会に出たいと思い、大学進学と同時に上京。英語への興味から英文学科を専攻したものの、思い描いていた勉強と違ったことから遊んでばかりいました。大学4年生となり、就職活動をしてみるものの自分自身に疑問が生じます。

「いろんな面で未熟な学生が、就職が決まったといって社会人になることに違和感がありました。自分に何が出来るのかも分からない。正社員として働くよりも、自分が興味のあることをアルバイトでもいいから始めたいという気持ちが強かったんです」

そんな想いから内定が決まっていた就職先を辞退して芸能プロダクションの契約社員として働くことを決めました。入社後はデジタルコンテンツ部に配属されて、新人俳優などを売り出すためのWEBプロモーションをするために営業や企画はもちろん、経理関係なども任されるように。1年半ほど過ぎたころ、お世話になっていた副社長の独立に付いて退職。その後は芸能人のマネージャー業務に携わりました。

「このころまでは全く映像に携わっていませんでした。ある時テレビ番組を作ろうとなって、沖縄テレビで『なんじゃね?』という番組でアシスタントディレクターとして映像に関わるようになったのがきっかけです。その後、キー局の報道番組に出向するようになって、事件の再現番組などを作るようになったんです」

フリーランスの映像作家やカメラマン等の仕事場になっている「ツタハウス」

仕事に翻弄された日々。そしてドキュメント番組の制作

自らの意志というより、会社の方針に沿って仕事をしていった結果、映像と出合い、スキルを磨いていくようになった竹節さん。当時は忙しさの緩急はあったものの、1回の番組のために2週間ほど現地で取材・撮影をするなど仕事漬けの毎日でした。

それにしても、撮影相手を緊張させない工夫はあるのでしょうか。

「人によって反応は異なるので、パターン化できるものではないのでいつでも難しいなって思います。ただ、いきなりカメラは向けないようにしながらも、近くに置いて『そのうち撮影するよー』と言わずとも意識させるようにしています」

撮影のためにさまざまな県へ出かけて地域の現状を見るうちに、シャッター街が進む実家の山ノ内を思うように。ちょうどそのころはMixiが流行っていて、地元の仲間とコミュニティを作っていつかは地元を盛り上げようと話していました。

その後、2011年の東日本大震災を機に復興支援メディア隊に参加。編集によって偏った報道ではなく、震災直後から、復旧・復興に向けての姿を追うなど、映像ディレクターとして仕事をするようになりました。

「東日本大震災はもちろんですが、長野県北部地震で災害があった栄村にも物資を届けるなどの活動をしました。その時もずっと記録を撮り続けていましたが、半壊、全壊した住宅には赤紙が貼られ、地面が亀裂し段差が生じているなど、予想以上の被害でした。この現状を伝えようとかつて出向していた番組に映像を送って特集にしてもらったこともあります」

ドキュメント番組に携わっていたころの竹節さん。岩手県なかほら牧場にて

拠点を構えてから増えた、新たなチャンス

そういった活動を続ける中でUターンを考える機会が多くなり、2014年1月に雑誌TURNSのイベントで1166バックパッカーズの飯室織絵さんの話を聞いて長野市の門前界隈のおもしろさを知り、まちあるきのワークショップに参加するようになりました。

「東京を離れることに不安はもちろんありました。それでも場所と仕事と人が揃えば、フリーランスでも十分仕事をしていけるだろうと。実際にまちあるきをしてみると門前界隈にはフリーランスで仕事をしている人たちがたくさんいました。ここなら自分もがんばれそうだと思って物件を探し始めて、現在の場所に決めたんです」

当初は仕事場兼住居として考えていましたが、拠点を構えたことで同じように映像関係をしている人などが集まるようになり、仕事場をシェアするように。分からないところは相談し合える環境のおかげで、より良い仕事を生み出せるようになったのです。

昨年の8月、八十二銀行と内閣府所轄の地域経済活性化支援機構が設立した「ALL信州観光活性化ファンド」のパイロット地域に山ノ内町が選定。そのファンドを使って、観光とまちづくりの活性化を行う会社として、株式会社WAKUWAKUやまのうちを設立。そして、竹節さんが代表に就任したのです。

「Yamanouchi Lantern」は3月21日までの午後4~8時に開催(毎週月・火曜、年末年始は休み)

「今まで正社員として働いた経験がないにも関わらず代表を任せてもらいました。今は予想できなかった苦労をひしひしと感じています。それでも『いつかは地元の活性化』という想いがあったので、このチャンスは宿命だと思っています」

現在、山ノ内町の玄関口・湯田中のかえで通りにランタンを灯し、3つの温泉旅館に設置したアートインスタレーションの企画「Yamanouchi Lantern」を開催。観光客が町を歩き、滞在時間を伸ばすことで、様々な町の魅力を知ってもらいたいという想いから生まれました。今年にはビアバーやカフェ、ゲストハウスもできる予定だとか。長野市と山ノ内町とつなぐ橋渡し役として、これからも様々な魅力を創造していく事でしょう。

外国人観光客が多い「地獄谷野猿公苑」のニホンザル

(2016/01/05掲載)

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電話 026-219-1174
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