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No.03 SPECIAL TOPICS

平林

さん

セラテックジャパン株式会社 代表取締役社長

提案型のサービスで世界との競争に生き残る

文・写真 安斎高志

電子部品、光学部品を加工する、セラテックジャパン株式会社。セラミックス、ガラス、水晶など幅広い素材に対応し、切断から研磨、研削、蒸着、精密洗浄に至るまでを一貫加工できる技術と設備を備えています。

しかし、同社が多くの顧客から支持される理由は、それだけではありません。自らを「サービスを提供するメーカー」と位置付け、最適な加工方法を提案するスタンスが、海外を含めた競合企業との競争に打ち勝つ源泉となっています。

変化に対応できる柔軟さ

代表取締役社長の平林明さんは35歳。昨年9月、社長に就任しました。約150人の従業員のトップに立つ重圧を感じながらも、やりがいの方が上回っているようです。

「元々、先頭に立って動いたり、皆をまとめてリーダーシップをとるということは苦手なんです。ただ、経営者の仕事というのは、いろんな人が幸せになったりとか、喜んでもらえたりとか、影響することのスケールが大きい。その中でもまずは、従業員が楽しんで、夢をもって、この会社で働くことに誇りをもってもらうことが目標ですね」

ファインセラミックスの加工は、最先端の技術に組み込まれることが多く、新しい素材が次々と出てくるため、移り変わりの激しい業界です。その対応が経営者の役目だと話します。

変化に合わせて仕組みややり方を柔軟に変えていける会社だけが生き残れると考えています。設備や人の配置、社員の意識も含めて、一枚岩で対応できるように、その都度、体制を見直しています」

そのため、できるだけ権限移譲してルーティンの仕事を減らし、全体に目を配る時間を確保しています。

「社長がやらなきゃいけないことはほとんどないんですけど、会社がよくなるためにやりたいこと、やるべきことはいっぱいあるので、まだまだ時間が足りないですね」

まずは従業員に、この会社で働くことを誇りに思ってもらうことが目標と話す

扱う素材はセラミック、ガラス、水晶、石英、機能結晶など幅広い。それぞれの素材と用途に合わせて最適な方法で加工する

経営という仕事を選ぶ

セラテックジャパンは平林さんの祖父が創業、父親が現在の業態に変えました。父親は現在も会長を務めているので、世襲のような印象を受けますが、実は単純な話ではありません。平林さんは、複雑な事情を抱えながら、敢えて経営という仕事を選ぶため、この会社にやって来ました。

「両親は幼いころに離婚していて、私は母親と姉と暮らしていました。父の話は聞いてはいたけれど、何の会社を経営しているのかも知らなかったし、連絡もあまり取ることはなかったんです」

大学を選ぶ際も、セラテックジャパンとは無縁の世界を選びます。信州大学で地球科学や生態系について学び、卒業後は東京大学の大学院で自然環境学を専攻しました。

「農学部や理学部、海洋研究所など、いろんなところから先生が集まって、自然科学を幅広い視点で総合的に評価、研究したり、俯瞰できるところがおもしろいと思ったんです。ただ元々、研究者になるつもりはありませんでした」

就職活動を通じて、経営コンサルティングに興味を持ち、東京のコンサルティングファームへ入社。そのころ父親と連絡を取り合うようになります。

「私は経営に興味があったけれど、コンサルタントは実際に経営ができるわけではないので、もどかしい思いをしていました。そんなとき、実際に経営をしている父の話を聞いて、憧れが強くなったんです。父の方は、私がコンサル会社に就職したと聞いて、どういうことをやっているか興味を持ったようです」

人にどう思われるかという不安はありました。しかし、経営を仕事にしたいという情熱と、父の誘い、そして長野でひとり暮らしをしていた母親に対する思いが背中を押し、平林さんは27歳で長野市に帰郷、セラテックジャパンに入社しました。

工場は5棟ある。高度な技術に対し「NAGANOものづくりエクセレンス」の認定を長野県から受けた

工場は5棟ある。高度な技術に対し「NAGANOものづくりエクセレンス」の認定を長野県から受けた

誇りを持って働ける会社にしたい

入社してから1年間は研磨工場で実際に機械を操作し、その後、当時参入したばかりの光学薄膜部門で営業、設計、製造を担当。チームリーダー、部門長、常務取締役とステップアップし、入社から8年で社長に就任しました。その間、リーマンショックで深刻な売上減を経験するなど、さまざまな困難がありましたが、その都度、柔軟に対応してきました。

「製造業というと、ラインで作り続けて、価格も大きくは変わらないという分野もあるかもしれないけれど、うちはそうではないんです。この製品は何ヶ月後にはこの部品に取って代わられるとか、次はこういう素材を使ったものが世に出てくるとか、そういった情報取りには時間をかけてきたし、これからもそうです」

セラテックジャパンは自社の業務を、提案型加工サービス「Material Processing Service」と定義しています。言われたことをそのまま受けるのではなく、常に最適な方法を提案しながら顧客の求める結果を提供していくという姿勢を守ってきました。ここ1年で正社員は約10人増加、社員の所得も前々年から右肩上がり。現在、とてもいい状況で推移していると笑顔を見せる平林さん。しかし、その目はさらに先を見据えています。

「これを続けて、雇用を増やしていきたいですね。そして、長野を若い人が夢をもって働ける地域にしたい。そこは経営者の努力でどうにかなると思っているんです」

スマートフォンから自動車まで、ファインセラミックはあらゆる電子機器に組み込まれている

(2015/07/07掲載)

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会える場所 セラテックジャパン株式会社
長野市篠ノ井岡田500
電話 026-293-3300
ホームページ http://www.crtj.co.jp

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http://oshigoto.nagano.jp/

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